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星はこの世界にいくつある?

「ん……?」目を覚ましたルナはいつも隣で眠っているはずの彼がいないことに気付く。産まれた頃と変わらない二頭はいつも寄り添うように眠っていた。

外はもう真っ暗だ。洞窟の奥から出口の方を見ると

座って夜空を見上げている彼が見えた。

「そっか!」そう独り言を発したルナは彼の元へと行き

隣にちょこんと座って同じように夜空を見上げる。

視線を向けなくても気配で隣にルナが来たんだと察したソルは夜空から目を離すことなく「きれいだな」と

呟いた。そんなソルの言葉に「そうだね!昨日と変わらず、きれい…」と返したルナ。

雨や曇りで星が見えない日以外は、こうやって毎日

星を見ているソルとルナ。誰かから言い出したわけじゃない。自然と星を見るのが日課になっていたのだ。

「今、あたし達が見てる星ってどこまでつながってるんだろうね。星はこの世界にいくつあるのかな?」


「分かんない。だけどたっくさん数え切れないぐらいきっといっぱいあるんだよ」

その星の中に僕らのママもいるんだろうな…どれかな…と星を目で順番に追っていくソル。そんなソルを見たルナも同じようにソルの真似をして追っていく。


今、この二頭が見ている星がどこまで繋がっているのか、いくつあるのか説明できる者がいるだろうか。

説明できる者がいるとするならば星にくわしい

博士くらいだろうか。でもそんな者はこの世界にいない。この二頭が知ることができる日はきっと一生

来ないだろう。でもそれでいいのだ。全てを知ると

面白いかもしれない。でも知らなくとも想像して

楽しめばいい。想像しながら星を眺めるのも

楽しかったりする。この二頭のその嬉しそうに星を眺める表情がそれを物語っていた。

場所は違えど別の世界で同じように星を眺めている

二人がいたことはもちろんこの二頭は知る由もない。

知っていたのは見守り人、ただ一人だけである。


太陽のようにきらきらとしたオレンジの瞳をしたソルと青い瞳をしたルナ…

寄り添って星を眺める姿、まるであの二人みたいだな……兄妹であっちは幼馴染か、まるっきり関係は

違うが…

わしはあの子達に君らの力が必要だと判断した…

なぜかって?それは似ているから…性格はまるで違うが

雰囲気と言えばいいか…後ろ姿は誰にも見えてないから教えてやろう。その寂しそうな後ろ姿がだ…星を眺めながら泣いている姿もな…


星を見ていたソルとルナの目から一粒の雫が

零れ落ちていた。隣を見ればその表情は分かるがこの二頭には隣を見なくてもお互いが泣いているのは

分かっていた。だからあえて上を見上げたまましばし無言で星を見続けた二頭。

その二頭からは明日も生き抜くんだ…という

強い意志がひしひしと感じられた。


それとあともう一つ生きてやると言う力をだな…

あの子達と同じくらい感じたんだ…





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