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第八十三話 猫妖精の隠れ里

登場人物紹介

◇アリエラ

主人公。魔王軍四天王最強の怪力と頭脳を持つ紅一点。

『殲滅女帝』の二つ名を持つ。

褐色肌にボブカットの黒髪、猫のような紅い瞳、獅子の耳と尻尾が特徴の獣人。

冒険者チーム『パリピ☆愚連隊』所属。

特級冒険者としての二つ名は『爆心地のアリエラ』

大抵の山は跳躍して登頂できるので登山経験はあまり無い。


◇ピチカ

蒼い髪と瞳にギザ歯が特徴のアクセサリー付けすぎなギャルっぽいハーピィ。

異世界転生者。チートスキル【楽々御粧し】の使い手。

冒険者チーム『パリピ☆愚連隊』の一応リーダー。

一級冒険者。

飛んだ方が早いので登山をした事は無い。


◇レイメイ

魔王直属暗殺部隊『五毒姫』の末妹。

白い長髪と肌に鬼灯のように赤い瞳と愛嬌紅が特徴。

魔王特製の最上級キョンシー(札は丹田に貼っている)。

冒険者チーム『パリピ☆愚連隊』所属。

特級冒険者としての二つ名は『毒蛇姫レイメイ』

幼少期は山で修行していたので登山経験豊富。


◇フュリス

エルタナ聖王国の女騎士。『百合爵家のフュリス』

小柄な金髪碧眼のエルフで緑基調の騎士装束を着ており、ドングリを発射するウーツ鋼製の銃を使う。

仕事の邪魔をした埋め合わせにアリエラたちが手柄を立てさせてやる事になった。

南西大陸の山は危険なので登山経験は無い。


◇アンリ

赤基調の貴族服を着て身の丈程の大鎌を担いだ首無し妖精(デュラハン)(ケットシー)の男。

二千年前のアリエラに仕えていたらしい。


◇ラシゴル

小さな眼鏡をかけたケットシーの考古学者。

猫口調はあまり使わない。



 ◇



 一行は市場から少し離れ、人目の付かない立木に囲まれた広場に移動し、アンリとラシゴルが預けていた騎馬や荷物を回収して来るのを待っていた。


「会話の流れから大体は分かりましたけど、お二人の関係について教えて貰っていいですか?」

 レイメイは混乱している様子のフュリスを見かねて、理解を促すために追加で説明するよう求めた。


「そうね……ワタクシの素性を知らないフュリスは混乱するわよね。

 まずワタクシの本名は『ネフェラリエラ・ティトゥラエリン』……一般に『最後の女王ネフェラリエラ』と呼ばれている存在よ。あ、この情報も内緒にしておいて頂戴ね?」

「……??? それはつまり……アリエラは二千年以上生きているという事になるのか? 獣人がそんなに長生きできるとは信じ難いが……」


 アリエラは真実しか伝えていないが、詳細情報が無ければとても信じ難く、フュリスは腕を組んで首を傾げる。


「フュリスは今何歳(いくつ)?」 

「あ? 214歳だが?」


「なら生きている時間ならフュリスの方が歳上ね。

 ワタクシは二千年に一度死んで十五年程前に蘇って不老になっただけよ」

()()って……じゃあ、あの猫妖精(ケットシー)は女王だった頃の家臣という事か」


 人間や亜人の十倍生きる森妖精(エルフ)からしても長い二千年という時の流れを軽く語るアリエラに気の遠くなる思いのフュリスだったが、気を取り直して本題であるアンリについての話に持って行く。


「家臣というか……食客かしら。食事や身の回りのお世話をしてあげる代わりに余暇時間に撫でたり吸ったりさせて貰っていたの……♡

 『ロマ』という名前はワタクシが付けてあげたのだけれど、現在(いま)は家名にしてくれているみたいね♡」

「(“最強の暗君“という評価は本当だったか……)

 なるほど……で、向こうも首無し妖精(デュラハン)となって不老になっていたので二千年越しに再会できたワケか」


 フュリスは詳細は伏せられているとは感じながらも、魔王軍四天王ともなればマトモな経歴はしていなくて当然だろうと納得した。


「そうね。後はロマちゃん──もとい、現アンリちゃんに二千年の間に何があったのか……」


「いや〜お待たせして申し訳ニャイ……(カッポカッポ)こちらワガハイの愛馬『サムソン』ですニャア」

「プヒヒ〜ン……」

「では早速、〈茸環(フェアリーサークル)〉の準備を始めますね」


 アリエラが思わぬ再会に喜ぶ一方、カメリアと同様にアンリの首を刎ねた何者かの存在に暗い感情を募らせていると、か細く嘶く小さな首無し馬(コシュタバワー)に乗るアンリが合流し、同乗していたラシゴルはすぐに下馬して色とりどりの茸を円形に並べ始める。


「あらま〜♡ 上手にお馬さんに乗れてエラいわね〜♡」

 するとアリエラはすぐにサムソンごとアンリを持ち上げた。本音ではラシゴルも撫でたかったが、茸を並べる様子を目で追うだけに留めた。


「ニャッホッホッ……ところでネフェ──失礼、アリエラ様。ラシゴルが見たというウーツ鋼の浮き彫り(レリーフ)は最近お作りになった物でよろしいのですかニャア?」

「ええ。だから歴史を覆す遺物というワケでは無いのよ。紛らしいマネしてごめんなさいね〜♡ ラシゴルちゃ〜ん♡ ワタクシも手伝いましょっか?♡」

「あッいえ結構です……では皆さん環の内側へどうぞ」


「このカラフルキノコかわいい〜☆ ……毒ある?」

「見た感じ着色した無毒の茸ですね。術が乱れるから触っちゃダメですよピチカさん」

「そうですね。不発ならまだしも、知らない場所や危険地帯に飛ばされると悲惨ですからね。

 ……ハイッ完成しました。では行きますよ〈茸環(フェアリーサークル)〉ッ」


 ラシゴルが淡々と術を起動させると、一行の姿は一瞬にしてかき消えた。



 ◇



 ケットシーたちの隠れ里『シレフ王国』は王国と呼ぶには質素で小規模な大通りに家々が並び、最奥には一際大きな宮殿に相当するであろう建造物があった。


 “ケットシーの王国”と聞いてピチカが想像していたような猫や肉球の意匠がふんだんに盛り込まれた町並みではなく、全てケットシーが使う事を想定されたような小さく実用的な町並みである。

 アンリが“隠れ里”と形容したように小さな大通りの周囲は森に囲まれており、凶暴な魔物や幻獣も棲息しておらず、外敵──特に知的種族──から見つかり辛く平和な国()()()



ケットシーちゃん天国(ゴロゴロゴロゴロゴロ)だわ〜ッ!♡(ゴロゴロゴロ)

「「「ギニャ────ッ!!??」」」


 転移して来たアリエラが転がり込むまでは。

 突然奇声を上げながら大通りを転がる獣人の女に住民のケットシーたちは蜘蛛の子を散らすように逃げた。


「アーちゃん怖い! 怖いって!!」

「やめてください! 外交問題になりますから!!」

「なんなんだアイツはー!」


 ピチカ・レイメイ・フュリスの三名は一応は王国と名乗る地での蛮行を止めようとするが、予期せぬアンリとの再会と念願叶って辿り着いたケットシーの国への喜悦を全身で表現するアリエラに弾き飛ばされる。


「アンリ卿……アリエラ様は以前からあのような方だったのですか?」

二千年前(むかし)より激しくなられたように感じるニャア……。

 ──それよりレイメイ殿、“()()()()”とは? エルタナの臣民では無いようですが、別のどこかの国からの使者なのですかニャア? 

 ネフェラリエラ様が従う程となると『ノク・ノト魔王国』あたりですかニャ?」

 

 アリエラの事を知っていて危害は加えないであろうと理解しているアンリはラシゴルと共に後から呑気について来たが、レイメイが口に出した“外交問題”という言葉に違和感を持ち責めるような様子は全く無い態度で追及した。


「あッ……」

「メイメイってけっこうクチ軽いよね……」

「こんな調子で大丈夫なのかお前たち……」

「レイメイ……アナタね……」


 狂喜乱舞していたアリエラまでもがレイメイの迂闊具合に冷静さを取り戻し、転がるのを止めて呆れる。


「くッ……アリエラさんに言われると腹立ちますね……。

 まあ、私たちだけ素性を隠して入国するのも不誠実ですし、どうせアリエラさんがバラしていたでしょうし、言ってしまいましょうか。

 フュリスさんを除く私たち三人は魔王軍の構成員です。入国を拒否するなら素直に従いますが……」


 観念したレイメイが詳細は伏せつつ素性を明かすとアンリとラシゴルは少し驚いた様子を見せはしたが、同時に得心のいったような表情も見せる。


「ニャるほど……『殲滅女帝』はアリエラ様だったのですかニャア。どおりで強いワケですニャア」

「『ティトゥラエリン一族』の末裔説はハズレでしたか……いやハズレでもないのか? 末裔といえば末裔だし……うーむ……」


 “魔王軍所属で南方系獅子獣人の女”という情報で二人はすぐに四天王筆頭だと理解し、ラシゴルは自分の推していた説の正否に首を捻った。


「正当王位継承者という意味ではワタクシが最後だから末裔で問題無くてよ!♡

 ラシゴルちゃん正解ッ! 大正解ッ!♡

 つまり優勝! ラシゴルちゃん優勝〜ッ!!♡♡

 ヒャあァあアァアぁア(♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡)アアアアアッ!!!(♡♡♡♡♡♡♡♡♡)

「ニ゛ャアァアアアアォッ!?」


 それを見たアリエラは再び興奮してラシゴルを持ち上げて優勝認定し、奇声を上げながら頬擦りした。


「こらアーちゃん! やめなって!!」

「すみませんあのヒト今疲れてて……」

「ニャホホ……アリエラ様! 耐性の無いラシゴルはそのへんにしてワガハイにどうぞ!」

「あらアンリちゃ〜ん♡ 頭だけじゃなくて身体もいらっしゃ〜い♡ よちよちよちよち(わしゃしゃしゃ)♡」


 アンリはやんわりとアリエラとラシゴルの間に割り込み標的を自分にずらして宮殿まで時間を稼いだ。


──────────


「では、ワガハイは先行して王に知らせてくるので皆さんはごゆっくり宮殿を観て回ってくださいニャ〜。

 ラシゴル。ご案内頼むニャア」


 アンリは宮殿に着くなり愛馬サムソンを走らせ、奥へ消えて行く。


 通りの建物とは異なり『シレフ王国』の王宮はいつか現れる来客を想定していたのか、それとも単なる贅沢趣味なのか金箔貼りの豪華絢爛な宮殿であった。

 天井は高く幅の広い宮殿はアリエラたちでも問題無く歩いて回る事ができる。


 高窓にハメ込まれた色絵硝子(ステンドグラス)には戯けるケットシーたちが描かれており、アリエラやピチカは見惚れて見上げながらラシゴルの案内に従って広い廊下を進み、突き当たりの大扉に到着した。


「こちらが謁見室です。……まあ一応王国を名乗っているから王と呼ばれているだけで実際は村長くらいの偉さだと思って頂ければ……(ギィッ)



 ラシゴルが大扉を押し開けると、柔らかな陽光が差す広間の最奥に立派な王冠とマントを付けた毛量の多い大きな灰色のケットシーが座っていた。


にゃ……(キョロキョロ)

 口周りの毛をカイゼル髭のように纏めた顔はどこか落ち着かないようであり、その視線は一行と隣に侍るアンリを行ったり来たりしている。


「…………」

 その様子にアンリの顔も何やら気まずそうな表情を浮かべていたが、身体は直立不動の姿勢を保っていた。


「い、いや〜……ようこそおいで下さいましたな。

 ヨが『シレフ王国』国王『タック・ナイスレップ』である──……です、ニャ。

 ……それで本日はどのようなご用向きでいらっしゃったのですかニャ?」


 国王タックは慣れない来客への挨拶を辿々しく行い、上目遣いで一行の様子を伺う。


「……? そちらのアンリ卿が招待して下さったので……(これは……)」

(アンリ卿が盛り上がっていただけで……)

(あんま歓迎されてないヤツ……!)


 居心地の悪そうなタックの態度を観てアリエラを除く三人は色々と察した。


「そうでしてよタックちゃ──陛下♡

 ロマちゃ──……アンリ卿とワタクシは二千年来の仲で奇跡の再会を果たしましたの!

 あ、名乗り遅れましたわね。ワタクシは魔王軍四天王筆頭のアリエラで……そちらがレイメイ、こちらがピチカと申しますわ♡」


 気まずそうな態度には構わずアリエラは当然のように素性を明かしながらタックへにじり寄る。


まッ!?(ガタタッ) 魔王軍!? あアア、アンリ卿!!」

「陛下。アリエラ様とワガハイは旧知の仲。我々を害する事はあり得ないのですニャア」


 椅子から転がり落ちそうになるタックをアンリが支え、アリエラとの仲をアピールして落ち着かせる。


「そ、それならばまあ……して、そちらのエルフの方は……? エルタナの騎士のように見えるのですが」

「あッ私は『百合爵家のフュリス』と申します!

 拝謁の機会を賜れた事、幸甚の至りと存じます陛下」


 フュリスは普段のアリエラたちへの態度からは想像できない丁寧な挨拶をした。


「ニャホホ……そう畏まる必要はないですニャア」

「さ、左様ですか?

 ではせっかく交流の機会を得られた事ですし、エルタナと正式に国交を結んでみるのは──」

「待ちなさいフュリス。魔王軍(ワタクシたち)が先よ」


 一応は陸続きの隣国にあたる『エルタナ聖王国』の騎士としての手柄になるかもと外交を始めようとしたフュリスをアリエラが遮る。


「隣国であるエルタナ(こちら)の方が優先だろ!」

「……どうせエルタナも魔王国の属領になるのだから関係無いのではなくて?」

「──! アリエラさんッ!」


「おい今のは宣戦布告か!?」

「いやホラ、アリエラさんは今疲れているしケットシー過剰摂取で正気ではないので……」

「ごめんなさいね……撤回するわ」


 アリエラが一応謝罪し発言を取り消すと、ピリピリした空気を放ちながらも口論は収まった。

 外交的な話が始まったのでピチカは口を噤み、急に二つの大国から来た使者の板挟みになったタックはどうにか穏便に帰ってもらう方法はないかと思案する。


「うニ゛ャ〜……この『シレフ王国』は実際にはちょっとした村程度の規模なので国交なんて恐れ多いですニャー……せっかくの申し出ですが──」

それならば(ずいっ)ッ規模が足りないと仰るならばッ(ずずいっ)、エルタナ領内のケットシーたちを国民として受け入れてみるのは如何でしょう!?」


「……それはワタクシも興味が有るわッ! 続けて頂戴フュリス。早くッ!」

 対立気味であったアリエラもフュリスの提案に惹かれ始めた。


「あー……わかったわかった。

 ……エルタナにもケットシーは数多く暮らしていますが、その多くが脱法行為に手を染めているのが現状ですので……エルタナでは生き辛いというならこの『シレフ王国』で暮らす方がお互いにとって良いかと」

「それは良い考えね! この土地はケットシーちゃんたちにとって安全な場所なんでしょう? アンリちゃん」

「良いですニャア! 人口が増えれば大手を振って国を名乗れますニャア!」

「そうなったら魔王国からの外交官を派遣したいので是非──……」


 頭ごなしに話が進み大事になり始め、タックは慌てて大声で遮る。


「 ニ゛ ャ ー ッ ! ! !

 そんな軽率に決めて良い事じゃないニャー! 後日然るべき手続きの上、書面とかで慎重に協議すべき案件なので今日は解散ッ!!」


 この怒号で謁見は終了となり、一行は謁見室から退出する事となった。


──────────


「みんな勝手にハナシ進めすぎだよ〜……」 

 宮殿内に一応用意されていた客間に移動中、ようやく口を開いたピチカは呆れた声を出した。


「ハハ……まあタック陛下はあのような話にはあまり興味が無いようですから……それよりアリエラ様、宜しければ『ティトゥラエリン王朝』の事を教えて頂けませんか!?」

「もちろんよ〜♡ 夜を徹してみっちり語らいましょうね〜♡」 

「そういえばわざわざアリエラさんに訊かなくてもアンリ卿に訊けば色々分かるんじゃないですか?」

「あ! たしかにー! 二千年前(むかし)アーちゃんと住んでたんでしょ?」


「ニャホホ……当時のワガハイは単なる小姓に過ぎなかったので、市井の事や王族秘伝の情報なんかは全然分からないんですニャアこれが」

 アンリは自分の無知を照れ臭そうに笑って誤魔化す。


「あー……ね。じゃあアーちゃんのハナシ聴かせてよ! バトル方面以外のハナシ!」

「自分としては王族の戦闘についてもお聴きしたいです!」

「ンもちろんよ〜ッ!♡ あびゃびゃびゃ(♡♡♡♡♡♡♡)


「アンリ卿。先程陛下が仰っていた手続きや書面についてなのですが……」

「ちょっとそういうのはよく分からんですニャア」



 ◇



「〈茸環(フェアリーサークル)〉の準備完了ですニャ。

 それでは皆さんお達者で〜……」


 翌日、国王タックがいそいそと茸を地面に並べ、一行に円環の中へ入るよう促す。


(露骨に帰って欲しそ〜……)

「陛下……失礼ですニャア」

「アリエラ様。皆さん。つまらないものですがお土産にこれを……」


 ラシゴルは背伸びして小さな箱をアリエラに渡した。


「あら何かしら〜♡ 大事にするわね♡」

「ではまた後日……この配置の茸に魔力を流せば再訪できるのですね? あッちょッ……(グイッ)


「そうですニャ〜では起動ッ……(ヴンッ)っと……」

 タックは茸の配置を確認しているフュリスを押し込んでさっさと術を起動して一行を別の場所へ転移させる。


「あー帰っちゃったニャア……」

「よぅしッ、うニャあッ(ゲシッ)!」


 転移させて早々にタックは配置した茸を蹴飛ばして〈茸環(フェアリーサークル)〉を停止させた。


「あッ!? ちょっと陛下! 何をなさるんです!」

「ウチらに外交なんて百年早いニャ! それも相手がデカ過ぎて怖いニャ! ヨが退位してからにして欲しいニャ!!」

「ニャホホ……まあ次は機会を見てこちらから出向くとするニャア。

 魔王国の援助が期待できるとなると、この国も安泰ですニャア」


 怖がるタックとは裏腹にアンリは二千年もの時と比べればそう遠くない再会を予感して微笑むのだった。

◇アンリ・ロマネスコ

赤基調の貴族服を着て身の丈程の大鎌を担いだ首無し妖精(デュラハン)(ケットシー)の男。

約二千年前に『ティトゥラエリン王朝』に生まれ、物心ついた頃から小姓として王宮に住み、アリエラに『ロマ』という名を与えられて大事にされていた。

王宮ではアリエラの可愛がりに平然と耐える猛者として一目置かれていた。

『ティトゥラエリン王朝』崩壊後にアリエラから生前分与されていた財宝を持ち出して南西大陸に逃げ、財宝を元手に『シレフ王国』を建国。その後何者かに愛馬サムソンごと首を刎ねられデュラハンとなった。

カメリア同様、首を刎ねられた時の記憶は曖昧になっている。

『ティトゥラエリン王朝』専門の歴史家という一面もあるが、昔は王宮でちやほやされていただけなので当時の市井や古代遺跡の暗号の事などには疎い。

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