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王の鏡と廻る時計  作者: 蒼井のあ
第1章 何度目の桜だろう
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儚い記憶



「今日は生徒会見学会です。1年生に生徒会の魅力を伝えられるよう、頑張りましょう」



リーマ先生が言った。僕もできるだけなにか貢献できるように頑張ろう。



「ソラくん、一緒に頑張ろうね」



ヒロインに声をかけられた。



「はい、テイア先輩」



ヒロインの名前はテイア・プリムラというらしい。アイビー情報だ。



この世界に来てから何度、アイビーから教えてもらったことに助けられたか…アイビーには感謝してもしきれないな。



「ソラ様、困ったら俺を呼んでくださいね」



ルイス先輩も優しく声をかけてくれた。



「はい!ありがとうございます」



―――――――――――――――――――――――



「それでは、生徒会見学会を始めます」



わーちょっと楽しみだな。去年あった高校の部活紹介を思い出す。



1年生たちは少し緊張しているようだった。生徒会にはお兄様も居るし、無理もないか。



「最初は文化祭や体育祭、学園合宿などについて説明します。それぞれ別れて見学してください」



リーマ先生は文化祭について説明するらしい。僕もちゃんと聞いておこう。



「文化祭は秋頃にあります。1年生から3年生まで、各クラスで出し物をします。3年生は飲食関係の出し物をしていますね」



僕の高校の文化祭と同じような感じだ。というか、乙女ゲームの学園だから日本の学校のシステムとそこまで変わらないんだろう。



「生徒会は文化祭の企画・運営をします。各クラスの出し物や予算の管理、イベントスケジュールの作成などをしています。去年は脱出ゲームも行いました」



脱出ゲームかあ、面白そうだな…!



「なにか質問はありますか?」



…誰も何も言わない。1年生は質問しにくいよね。リーマ先生も困っているし、僕が質問しちゃおう。



「はーい!」



僕は手を挙げた。



「あ、ソラくん」



「質問なんですけど、1年生の出し物はどんなものがあるんですか?」



「1年生はアトラクション系の出し物をしますね。去年はお化け屋敷などがありましたよ」



「え…!」



1年生たちが驚きの声を上げている。お化け屋敷って、こっちでは珍しいのかな?文化祭ではよくあると思うんだけど…



「ちなみに2年生は講堂で劇や歌などの出し物をしていますね。毎年面白い出し物が沢山ありますよ」



「へえ…!」



良かった…みんな、だいぶ緊張が解けてきたみたいだ。



―――――――――――――――――――――――



「次は書記や会計など、役職の説明をします。皆さん各々気になるところに行ってくださいね」



「リーマ先生、途中参加の子がいるんですけど…」



テイア先輩が1年生の子を連れてきたみたいだ。



「ああ、構いませんよ」



テイア先輩の後ろには白髪の少女がいた。



え、あの子…!



「あ…!」



「ソラくん、こっちですよ」



「…ああ、すみません。すぐ行きます」



―――――――――――――――――――――――



「それでは書記の仕事内容を説明します」



あの子、よく会うけど一体誰なんだ?教会にいたし、多分貴族ではないだろう。



…あれ、なんか迷ってる1年生がいるな?



「大丈夫?何か困ってる?」



僕はその子に声をかけた。



「あ…あの、書記の仕事説明ってどこでしてますか?」



「書記についてならリーマ先生が説明してるよ。あの髪が長くて、身長高い人のところだよ!」



「あ、ありがとうございます…!」



他にも困っている子がいるみたいだ。



「大丈夫?なにか質問あるかな?」



「庶務の説明って…?」



「あー、ちょっと待っててね?」



「ルイス先輩!この子の案内、お願いしてもいいですか?」



「分かりました、お任せ下さい」



僕はその後も迷っている1年生に声を掛け続けた。




…結局、見学会はあの子とは話さないまま終わってしまった。


初投稿から今日まで、20日間ほど毎日投稿をさせていただいておりました!ここまで続けられたのも読んでくださる皆様のお陰です…!ありがとうございます!



これからは少しペースを落として投稿していこうと思います。ですが、もちろんなるべく早く更新いたしますので、これからも読んでくださると嬉しいです( ¨̮ )︎︎♡

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