表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王の鏡と廻る時計  作者: 蒼井のあ
第1章 何度目の桜だろう
10/28

再開の予感


「おはようございます、皆様」



深い緑の瞳に同じ緑の長い髪を一つに束ねている男性が話す。彼は、きっと攻略対象のリーマ先生だ。いちごによると、1番攻略しにくいキャラと言われているらしい。



「去年は3年生の担当だったので、この学年の方とは初めて会う方が多いですね。」



「わたくしの名前はリーマ・オリーブ・クラーク。魔法科担当です。1年間よろしくお願いします」



教室内に拍手が響く。



「ねえアイビー、僕この人と会ったことあるかな?」



「そりゃあるだろ。リーマ先生は生徒会副顧問だぞ。」



「え、そうなの!」



リーマ先生か…僕が元の世界に帰るには攻略対象をお姉様に攻略させないようにしなければならない。しっかり知っておかなきゃ。



「…なんでそんなに先生に食いついてんだよ」



「これから、入学式があります。2年生も参加するので、講堂へ向かってください。わたくしは先に行っておきますね。」



そう言ってリーマ先生は教室を出た。



「ねえ、アイビー」



「ああ、リーマ先生のことだろ?」



「え、なんでわかったの?」



「もうお前とは何年も一緒にいるからな」



中身は初対面のはずなんだけどな?



「あいつ、ミステリアスだから女子生徒にも人気らしいぜ。あとは生徒会副顧問ってことしか俺は知らない。」



なるほど…The恋愛ゲームの先生って感じかな。



「そっか、ありがとう教えてくれて」



「いいよこれくらい。じゃあ講堂に行こうか」



「うん!僕、道が分からないから教えてもらっていいかな?」



「おっけー、任せて。」



講堂には数百人の生徒がいた。講堂というより、コンサート会場みたいだ。



2年生は1年生の後ろに座る。僕らA組は、2年生の中でも前の方の座席らしい。



「ソラ、1番前座るぞ」



「いいけど…他の人も前に座りたいんじゃない?」



「馬鹿、お前は王子なんだから一番前に座んなきゃいけないんだよ」



「え!?学園ではみんな平等なんじゃないの?」



「そんなの表向きだけだ。」



「そうなんだ…じゃあ、失礼しようかな」



「ねえ、隣いい?」



「あ、うんもちろん…!」



僕たちは知らない女の子の隣に座った。



「にしてもさ、お前記憶無いのにテストとか大丈夫なのかよ」



「ああ、多分大丈夫。一応3日間で詰め込んできたから。」



「まじか、流石学年1位だな」



「え?僕学年1位だったの?」



「待って、じゃあ話が違う。僕そんなに頭良くないんだけど」



「はあ、どうせそういうこと言うやつはいい点とるんだよ。」



どうしよう、僕は王子だから変な点数は取れない。しかも、元々学年1位だったのなら尚更駄目だ。



…帰ったらすぐ勉強しよう。



そう思うことしか今の僕にはできなかった。



「あ、そろそろ始まるみたいだぞ」



お兄様が壇上に上がる。



「新入生の皆さん、はじめまして。生徒会長のレグルス・タイム・ノワールだ。」



お兄様は、はきはきと自信を持って喋っている。こういうのに慣れてそうだ。



「長い挨拶はなしにしようと思う。これから1年間よろしく頼む」



黄色い歓声が上がる。主に後ろの方から。流石、メイン攻略対象だ。相当人気があるんだろう。



その後も順調に進み、無事入学式は終わった。



「はあ、疲れた。俺、授業よりこういうのの方が苦手だわ」



「それ、ちょっと分かるかも」



「お前も?やっぱそうだよなー」



アイビーと何気ない会話をするのがすごく楽しい。なんとなく元の世界に戻れた気がして。



その時、1人の少女が向こうに見えた。あれ、あの子は…



「ソラ、行くぞ」



「ああ、分かった」



あの子、教会にいた子だよね?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ