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第3話 再会した助っ人

お待たせ致しましたー



『だから……君……トラディス=クレイヴに今一度頼みたい。そちらの魔剣は今弱っているが……ほんのわずかだけ借り受けたいのだ。そうすれば……ワタシもダンジョンマスターもこれまで通りに、このダンジョンを稼働出来る』


「……そうかもしれないですが」



 フランツは、全然テレパシーを送って来ない。それだけ疲れている証拠だ。


 コアさんはそれでも構わないようだけど……時間もどうやら限られているようだし、このまま放っておけば……またダンジョンマスターさんが何か企むかもしれない。


 僕らの目的としては、コアさんを破壊してダンジョンの機能を停止させることだったのに……そのきっかけがダンジョンマスターさんだけの仕業で、コアさんの考えは違ってた。


 これを……僕だけの判断で決めていいのだろうか?


 フランツに起きて欲しいのに、何度呼びかけても全然返事が来ない。


 僕は……どうしたら。



【ほんに。トラディスは好かれやすいのぉ?】



 焦っていると、聞き覚えのある女の人の声が聞こえてきた。横を見れば、複数の手を持つ綺麗な女の人で……少し前に、会ったことがある人……じゃなくて、存在。


 マシュさんとジェフさんとで攻略したダンジョンのダンジョンマスターさんだった!? ちょっと透けているように見えているけど!!?



『…………コウシャのダンジョンマスターか?』


【そうじゃ。エリシアのダンジョンコアよ】



 ダンジョンマスターさん……ややこしいからコアさんが言ったように、コウシャさんって呼ぼう。コウシャさんは僕の頭を撫でてきた。ひんやりした感触に、僕はちょっとだけ落ち着くことが出来たけど。



「え? ダンジョンマスター……さん? コウシャさん?? どうやってここに??」


(ぬし)が持つ、コアの欠片よ】


「あ」



 エクレアさんに証拠として提出したけど、ここのダンジョンに来る前に返却されたんだっけ。それをジェフさんじゃなく、僕が持つように言われたんだった。



『それを媒介に、コウシャは出てきたと言うこと。……何をしに?』


【何。トラディスに力を貸しに。此奴には馳走の礼をしたかったのよ】


『……気難しいことで有名なあなたが。らしくない』


【それほど、妾はこの者を気に入っている】



 と言うと、コウシャさんは僕の頭から手を離し……フランツに手を添えた。



「? 何を?」


【少々、魔素を吸わせてやる。そうすれば……コアが求める力を解放してやれるであろう。これくらいで貸しのひとつは返してやろうぞ?】



 コウシャさんの複数の手をフランツに当てると……少しずつ、フランツが光っていく。


 赤く、青く、緑に。


 光が切り替わって、消えていくと……僕の頭にフランツのあくびの声が聞こえてきた。



【ふぁ……なんや、ええ気分やったんに】


『フランツ!? 大丈夫!!?』


【おん? マスター……あんれ? 魔力全開まで戻っとる?】


【ほっほ。これで良かろう】


【あ。あんさん……】



 ちゃんとしゃべろうとしたのを、僕は柄を叩いたことで止めさせた。マシュさんとレイザーさんの前では、やっぱりまだ打ち明けられないから!



『……貸し、か。であれば、手早く終われるだろう』



 コアさんもほっとしたような笑顔になって時……奥でまだ倒れているあちらのダンジョンマスターさんが起きあがろうとしたのを飛び蹴りで気絶させた。


 コアさんとマスターさんは別々とは言え、仲悪いのかな? やっぱり、マスターさんが勝手な事したからか……。

次回はまた明日〜

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