第4話 絶対絶命のピンチ②
お待たせ致しましたー
そうと決めたら……モンスターからの攻撃が速かった。
フランツと共有している目で見えたけど、さっと前足を蹴っただけ。それに嫌な予感がして、僕はその場から離れた。
ヒュッという音と同時に、つい今まで僕がいたところが……痛々しくえぐれていたのだ。あと少し遅かったら、僕はきっと良くて大怪我。悪くて死んでいただろう。
【おーおー? ワイがいるからって、あのダンジョンマスターにマスターを倒せって命令されてるかもなあ??】
フランツも、あんまり余裕がなかったようだ。僕の勝手な判断だったけど、良い方向だったみたい。
けど、あの何気ない動きだけを何度も繰り返されたら……僕とフランツだけで対応出来るかどうか。
そして、僕を一度目で仕留められなかったからか、モンスターは三つの首とも……めちゃくちゃ不機嫌になって、僕とフランツに何度も前足攻撃を繰り返した。
そのたびに、僕は何度も何度も、来る方向がわかって避けることが出来た。フランツとだけしかいないのに、僕はどうしたのだろう。
上の鬼人には苦戦したのに、あまり近づいてこないあのモンスターの攻撃はきちんと避けられているのだ。
「こ……わいけど、避けれる!」
【そりゃあ、ワイと視覚をリンクさせているからや。いつも以上に、五感……あちこちの感覚が鋭くなっとんねん】
「そっか! けど……レーザーソードであのモンスター倒せる??」
【やるっきゃないけど、時間稼ぎ頼むわ。魔力、最大出力せんとあのデカブツはキツいで】
「わかった!」
フランツとリンクしていることで、いつも以上に動けるのなら……僕は僕で出来ることをしよう。
幸い、まだ体力は残っているので、モンスターとの追いかけっこみたいな接戦はなんとかなった。向こうはめちゃくちゃ不機嫌になっているけど、フランツに少しでも時間をあげたいから僕は頑張った。
煽るような行動はせずに、ただ攻撃の方向を感覚で読んで避けていくだけ。
それが、前足を動かす前からわかってくると……壁を走って行くという軽業も出来てきたので急いで走った。
【マスター、あとちょいや! 出来るだけあのデカブツに近づけるか??】
「後ろになら」
【絶好の角度や! 真後ろからぶつけたる!!】
僕の体力も少しずつ減ってきたけど、まだ大丈夫だった。
なので、自慢の脚力を最大限にまで上げて……モンスターの後ろに回り込むことが出来た!
向こうは、僕が後ろにいると全然気づいていない!!
「フランツ、いける!?」
【行くで!! 射程範囲……五、四、三……】
「レーザーソード!!」
至近距離での、フランツの繰り出すレーザーソード。
これで、このバカでかいモンスターを倒せるかはわからないが。
とにかく、僕は自分の魔力をフランツに込めながら、離さないようにしっかりと握った!!
次回はまた明日〜




