第2話 次の敵は
お待たせ致しましたー
こちらのダンジョンマスターさんは……ジェフさんとマシュさんと一緒に攻略した、あちらのダンジョンマスターさんとどう違うのか。
マシュさんが馬車で話してくれたように、僕が持っているフランツを取り返すためにモンスターを放っているってあったけど。
まだ下の階層から、モンスターはあふれ出て来ない。
レイザーさんや、ジェフさんも警戒しつつ打ち合わせはしているようだけど……僕に出来ることと言えば、出来るだけモンスターを倒す程度だ。
フランツを得たことで、改めて冒険者になれたばかりだから……出来ないことを無理矢理出来るようにしてはいけない。
これは、コンビを組んでからジェフさんにも言われたことだ。
「んじゃま、とりあえず。……下行くぞ」
「はい!」
「ですの」
打ち合わせは終わったらしく、レイザーさんがそう言ってから……他の冒険者さん達には、外とこの階層でまた僕らが取りこぼしたモンスターの討伐対処のために待機されるようだ。
僕らの方は、下の階層に行く階段を先頭がジェフさんで、しんがりはレイザーさんが。僕は間でマシュさんを護衛することも兼ねているから。
ゆっくりゆっくり下に降りていくと……天井を念のために見ても、あの気持ち悪い擬似コアは見つからない。
モンスターとかも特にいない。
いたのは……めちゃくちゃデカい、ゴーレムじゃなくて。
「「……鬼人かよ」」
「ですの」
そう、鬼人。立派な角があって、体つきは物凄くて……でっかい棍棒か何かを背負って、僕らが来るのを待っているようだ。
顔つきがめちゃくちゃ怖いから……迫力が凄い。
あれを今から、僕らで倒さなくちゃいけないんだ。
「レイザー、心臓ひと突きでいけそうか?」
「さあな? 普通の鬼人じゃねぇだろうし……急所がひとつとは限らねぇだろ?」
「とくれば、頭と足も同時に」
さすがは、ベテラン冒険者さん達。
僕はジェフさんとコンビを組んでいるけど……当然経験不足だから、話には加われない。こう言うところも勉強だから、よく聞いておこうと耳を傾けた。
「けどあれか? 外でトラディスとかが食らわせたのが使えれば……一瞬じゃねぇか?」
「ぼ、僕ですか?」
レイザーさんがいきなり僕を呼んだので、ちょっと声が大きくなったが……あの鬼人にはどうやら聞こえなかったみたい。
ジェフさん達には、苦笑いされちゃったけど。
「まあ、たしかにトラディスの脚力があれば間合いを詰めるのも技も申し分ないだろうが……いきなり倒せるかはまだ分からん」
「そこだな? 一気に倒せるかの確証がない」
【ワイはいけるで?】
フランツは自信満々にテレパシーで言っているけど……守護ゴーレムの時とは違うんだから、僕もなんとも言えない。
今回のダンジョンマスターさんは、君を奪い返そうとしているんだよ??
次回はまた明日〜




