表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/100

第2話 ここから冒険者①

お待たせ致しましたー

 街の門前に到着すると、入門手続きをしている人達が見えてきた。


 僕は……身分証はとりあえずあるから、大丈夫だと思う。あのメンバーの所属部分は、出発前にフランツが持ち前の魔法か何かで消してくれたから。


 フランツ自身には、ダンジョンで手に入れた布で包んでいる。刀身がパンの魔剣ってどう考えたっておかしいから。大丈夫だってフランツは言ってたけど、僕が恥ずかしいんだ!!



「……はい。通って大丈夫です」



 フードは一瞬取ったけど、不審者には見えなかったみたい?



【……大丈夫やろ?】


『……そうかもだけど』



 今、ギルドに向かう途中だ。フードを被り、僕とフランツはフランツの念話魔法『テレパシー』で会話している。この会話は余程のことがない限り、僕とフランツにしか聞こえないんだって。


 街を歩くと良い匂いがしたが、朝のフランツ特製オニオングラタンスープをお腹いっぱい食べた僕には、あまり魅力的じゃなかった。すっかり、フランツに胃袋を掴まれてしまったみたい。



【お? あそこやん?】



 フランツは背負われているのに、どこから見ているのか……。


 けど、いつもの荷物持ちだった時とは違って……フランツがいてもソロの冒険者として来たことがない。ちょっと緊張しながら入ると……中は相変わらず騒がしいが、誰も僕を気にしない。


 とりあえず、換金を受け付けてくれるカウンターに行こうと決めて、扉を閉めた。



【賑やかやなあ?】



 いつから、フランツはあのダンジョンにいたかはわからないけど……こう言う場所に来れて嬉しいのかも。僕も、ちょっとだけ嬉しくなってからカウンターの方に行く。今日はたまたま誰もいなくて、すぐにお姉さんが対応してくれた。



「いらっしゃいませ、換金でしょうか?」


「……お願いします」



 いつもは、あの人達がやっていたから後ろで見ているだけだったけど……自分がそこに立つと思うと緊張しちゃう。けど、フランツを振るって得たアイテムは本物なのだから。



「では、換金対象をこのテーブルに出していただけませんか?」


「わかりました」



 魔法鞄(マジックバック)を通して取り出すので、一個一個慎重に取り出す。フランツのいい、悪いなども考慮して……換金してもらうアイテムを出した。結構な量になっちゃったけど。



「わ……わかり、ました! 少々お待ちください!!」



 と、お姉さんも流石に驚いてしまい、他の職員を呼びに行った。


 それから待つこと少し、換金は無事終わって……僕は大量の金貨や銀貨を袋ごといただくことになった!?



「大変お待たせして申し訳ありませんでした。またのご利用をお待ちしております」


「……ありがとうございます」



 と、魔法鞄(マジックバック)からフランツの収納にお金を全部入れてから……僕は半分夢心地でギルドを出ることにした。


 だって、フランツも言っていたとは言え……こんな小金持ち以上の大金を手にしたことがないから!?



「……よぉ、にいちゃん?」



 で、ちょっとだけぼーっとしてたら……あの人達以上に柄の悪いお兄さん達に囲まれた。換金場所は丸見えの場所だから見えて当然。



「……なんの用でしょう?」


「とぼけんなって? 今とんでもねー金もらったんだろ? 俺達に奢ってくれや?」


「そーそー」



 あの人達もだけど、なんでこんな柄の悪い人達が冒険者をやっているのか?


 僕は、違ったつもりでいた。


 英雄になるだなんて、それは伝説級でも……冒険者はひとのため、国のために尽くす存在。こんな外道にだなんて、僕はなりたくない!!



【マスター……ちょぉ、リンクさせたる。体術の稽古と行こうや?】


『……わかった』



 フランツが手を貸してくれるのなら、とても心強い。



「いやですよ? ダンジョンに潜って、あなた達も自分で手に入れてください」


「「あ゛!?」」


「嫌なら……」



 その言葉を続ける前に、体が勝手に動いてイカツイ男の人を片手で床に倒すことが出来た!?



「……なんだ??」



 男の人は一瞬、呆気に取られて居たけど……直ぐに起き上がって、僕に立ちむかってきた。それを僕……と言うか、僕の体をおそらく操作しているフランツのお陰で何人ものゴロツキらしい冒険者達を伸すことが出来たのだ。



「……ふぅ」



 全員を積み上げる形で気絶してもらったのに、僕の体は疲れているどころか爽快感しか感じなかった。



「素晴らしい!!」



 僕が、職員のお姉さんあたりを呼ぼうとした時……二階から誰かが降りてきた。


 そっちを見ると……そこに居たのは、エルフ。


 特徴的な長耳をお持ちの、綺麗なエルフの男性が僕に視線を向けていた。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ