第3話 職業変更
お待たせ致しましたー
ランク昇格をカードに書き換えるためには、ギルドマスターが所持出来る特殊なクリスタルボールが必要なんだって。
初めて見るけど、それは大きかった。
ギルドマスターのお部屋で待ってた僕が、エクレアさんの指示で職員の人達二人がかりで持ってきたくらいだもの!!
「ありがとう。では……こちらに」
置いた場所は、ソファの間にある低いテーブル。
けど、クリスタルの重みで壊れることなく、しっかりと置かれた。このテーブルにも何か仕掛けがあるのだろうか?
クリスタルを置いたら、職員のお兄さん達は出て行ってしまった。
「さ、トラディス君。カードをお借りしてよろしいでしょうか?」
「あ、はい!」
僕は首からカードの紐を取って、エクレアさんに渡した。エクレアさんはそっと受け取ってから、クリスタルボールの上……実は少し凹んでいた部分にカードを乗せる。すると、すぐに透明なイバラが出てきた!?
チクチクとかせずに、僕やエクレアさん、ソファに横たわらせているフランツもすり抜けていく。
「このイバラは幻影。トラディス君にも影響を与えてません。少しじっとしていてください」
「は、はい!」
ドキドキしながら座っていると、頭の中でフランツのニヤけた笑いが聞こえてきた。だから、こっそり拳で軽く殴っておいた。
「……登録者名、トラディス=クレイグ。賞罰反映……レベル、技能反映。正しき道へと記せ。我が名はエクレア=ヴァイン。ギルドマスターを担う者なり」
エクレアさんがクリスタルボールに乗せた僕のカードに……詠唱のようなものかな? それを唱えるたびに、なんか僕のカードがピカピカ光っていく。あれで……書き換えることが出来ているのかな?
ぼーっと見ていたら、いつの間にかイバラとかも消えていた。
カードはエクレアさんの手にあり、僕を見るとにっこり笑って差し出してくださった。
「はい。レベルなどの昇格は終わりました」
「あ、ありがとうございます!」
僕のちゃんとした冒険者カード!!
受け取ると、レベル以外は昨日変化があったとこは一緒だけど……ランクはちゃんとCになっていた!? これで、胸を張って中級以上だと街中を歩ける!!
元パーティーメンバーも今は罪を犯して牢屋行きだから……誰も僕を不必要に殴ることだなんてしない!!
「では、次に。職業の昇格についてです」
「え?」
これで終わりじゃないの? と思っていたら、エクレアさんはまだだと座るように言ってきた。
「トラディス君の場合は、レベル……賞罰の内容で条件を満たしています。なので、ランクがCにはなりましたが……今の剣士よりも上位ランクの職業に変更出来るんですよ? ただし、少し不利な条件があります」
「なんですか?」
僕はずっと低ランクで低レベルだったので、その条件を知らない。だから、しっかり聞こうとエクレアさんを見つめ返した。
「代償としてレベルとランクを少々下げます。これは、その職業との互換性の関係……わかりやすく言うとステップアップに必要なものなんです」
『……フランツ、どう?』
こればっかりは、僕の一存で決めていいかフランツにテレパシーで聞くと……フランツも少しうなった。
【マスターのしたいようにしたらええけど……ちょぉ、不利やんな? ワイを扱いやすいのに変更出来るんなら聞いてみ?】
『うん』
たしかに、今は剣士だから魔剣であるフランツを扱うことが出来ている。それに、上位の職業って今まで聞いて来なかったから。
「あの……その職業ってどんなのが??」
「そうですね。魔法剣士、魔術剣士が主ですが。先程のトラディス君の剣術を見た限りだと……前者の方がいいでしょう」
「魔術?」
聞いたことはあるけど、魔法とどう違うんだろう?
僕が首をひねったら、エクレアさんが立ち上がって奥の大きな机から何かゴソゴソした後に戻ってきた。
「こう言う魔導具を使った魔法と理解していただければ」
持ってきたのは、小さな金属の塊のようなもの。近くで見てもよくわからない。
【だーっはっはっは!? そいつ、ミニチュア炊飯器やん!? 異世界化でマグマ出せる仕組みのようやけど!!?】
テレパシーで、フランツが笑い転げてた……みたいな大声を出した。うるさいけど、これが何かを出来る道具か何からしい。
けど、そうすると。
『……フランツもある意味同じ?? ほら、自分で分身とか色々出来たから』
【やんなぁ? けど、魔術剣士でも魔法剣士でも問題ない。マスターの好きにし?】
だったら、と僕はエクレアさんに向かって手を上げた。
「僕、魔法剣士がいいです!」
「了解しました。では、ランクはDにレベルも45まで下げさせていただきますね?」
「わかりました!!」
ちょっと下がってもこれまでの僕を思うと良い再スタートに変わりないんだから!!
次回はまた明日〜




