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第2話 各国の君主と勧誘

 《最東の国》《最後の街》――《ひるま町》《旅館:七色(ななしょく)


 転移に成功したようだ。

 俺が泊っている《旅館:七色(ななしょく)の俺の部屋に間違いない。

 あ、女将さんたちにあいさつしてこないとなぁ。


 またエレベーターを使って一階に降りる。

 さすがに覚えたぞ。

 おや? あれ女将さんだよな? なんで扉に鍵かけてるんだ?


「あ、あの~」


 声をかけてみると、こっちに振り向いた途端何も言わずに奥のロビーに連れてかれた。


「いい? ここの裏口から外に出なさい」

「いやいや、何が起こってるんですか」


 そこからか、俺の名前を呼ぶ大勢の声が聞こえる。

 まさかなぁ~。


「世界の言葉で、櫟原兵間(くるぎひょうま)が魔王を倒したと通達されたわ。どこからの情報か知らないけど、数日前からここに貴方がいるという噂が流れ始めたの」

「数日前、俺がいないときですよね?」

「そうね、それからというものいつも外には人があふれかえっていたわ」

「迷惑かけてすみません」

「いいのよ。貴方が無事ならなおさらね」


 そこから爆発音、いや発砲音が聞こえる。

 たしか火縄銃とかいう兵器だったか。


 コンコンコン。


 三回ノックの後ノックの主が名乗り上げた。


「失礼する。私はタリグルス帝国の国王グルス陛下の使者である。この門をあけよ」


 偉そうにおっさんの声が聞こえてくる。最北の国か。


 また三回ノック。


「失礼いたします。私はケルベロン王国王女の使者。ここにかの魔王を倒した英雄が宿泊していると噂に耳にし参上しました」


 今度は声が高い。女性の人か? 今度は最西の国


 またまた三回ノック


「失礼。私はイリミリオン共和国の使者。かの英雄がいると聞き、お迎えに来た」


 今度はお兄さんかな? ちょっと声変わり気味てかんじがする。 まさか最南の国まで...。

 まいったなぁ。


 あと来てないのは最東の国。月夜

 中央の国。バレザロス


 このままのペースだとすべての国の使者が来るのも時間の問題か。


「珍は、結衣。そなたの働きを咎めようとはせぬ。ゆっくりしてよい」

「は、はい」


 ん? なんかめっちゃ偉そうな子供とおっさんが裏口から入ってきたぞ?


「ほう、これが英雄殿か。なんとも猛々しいオーラだ」

「すまぬの。この者は珍の友人でな、勝手についてきてしまった」

「え? なんかお二人観たことあるような」


 ドン! という破裂音と共に俺に抱きついてくる感触がある。

 門壊すなよ...。


「ただいま。マスター」

「いいとこに来たな。逃げるぞ」

「ちょ、待ってて」


 フリィの手を掴み逃げようとフリィが蹴り飛ばした門から出ようとする。

 しかし、フリィが動かない。

 門から使者と名乗っていた人たちが入ってきた。

 あ~終わったな。


「なるほどねぇ。貴方達がここにいるのも納得だわ。そうでしょ? 各国の君主達」


 な!という顔を俺とフリィを囲んだ使者と名乗った者たちと裏口から入ってきた者たちだ。

 各国の君主自ら来てるてことか?

 ご苦労なことだ。


「さすがと言っておくわ。こうも簡単に見抜かれるなんて」

「全くだぜ。国民の目を抜けて遥々やってきたのに」

「そうですね。さすが魔王を倒した英雄殿の召喚獣」


 フリィのことまで知ってやがる。

 嫌な予感しかしない。


「うぬらの言いたいことは珍が変わって言うとしよう」


 なんか全員納得しちゃってる。

 小さい子に任せてしまうダメ大人か?


「まず英雄には即刻国を出てもらう」

「え? いやもっと居たいんですが」

「ここにいては結衣に迷惑が掛かると言ったら分かるであろう?」

「う...」

「国を立ち何処か遠い場所で暮らしてもらう。そのほうがそなたらも気軽であろう」


 何処か遠い場所て例の境目の奥のことか?

 世界の境目と呼ばれているその場所は、魔界とつなぐ危険地帯とされている。

 数年に一回魔王が現れることにより、こちら側の世界に魔族が入り込んでくるのだ。


「まさか、世界の狭間じゃないでしょうね?」

「珍はそなたらに危険を侵してほしくない。それゆえそんな危険な場所には送れない」


 フリィが、ちょこっと怒り気味のようだ。

 突然何処か遠いところに住めだもんなぁ。


「じゃあ一体どこに? この世界にはすべての大陸、島は国が保有しているはずですよね?」

「そうじゃ。しかし、一つだけ例外がある」

「例外?」

「珍の国にしばし近いが、謎の光によって近づけぬ島がある」


 そんな島があるんだ。

 フリィの方を見るとなにか思い悩んでいるように見えた。


「そなたらなら通ることができるであろう」

「それだと、そちらとの連絡すら」

「良いのだ。そなたらはこの世界にいてはいけぬ存在、そうであろ? 娘」


 フリィが、俺の右手をつかみ、黙り込む。

 どういうことなのかさっぱりわからん。


「ということでな。ついてまいれ」


 怪しい勧誘にしか思えないのだが。

 フリィの俺に右手を掴んでいる力が強まる。

 痛い。

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