プロローグ⑤ 魔王討伐と覚醒
《????》《×●▲◆》《神々のテラス》
しかし、相変わらずのこの転移便利だが毎回毎回酔ったような感じになる。
気持ち悪い...。
「戻ったようじゃな」
さっきいた子供が椅子に座りながらコップを持っていた。
あれ? さっきまで皆いたはずだが?
フリィしかいない
『召喚モンスター。ゴールデンスライムα、キングゴブリンα、ケットシーα、ケルベロスα、変なお姉さん?(変態)はMP不足により強制閉門されました』
あ、なるほど。
ん? フリィが子供の首絞めてない?
「ぐ、ぐふ...」
「死にたいんでしょ? 一万回殺してあげるから」
「う、死にたくな...い」
て、火つけて燃やしはじめたじゃねぇか!
「待て待て」
「マスターは、何も言わないで。”私の責任だから”」
何も言わないでの辺りから言葉が違っていた。
何言ってるのかよくわからない
「さてと、皆再召喚できるまでお茶でもしましょ?」
「お、おう」
風でフリィが燃やした子供が灰になりどこかに消えていった。
それが何を示すのかは、今の俺には分からなかった
「しかし、あの試練は何だったんだ」
「う~ん。多分あの子の独断かな」
「あの子てあの子供か?」
「そそ。称号でつよつよお兄さんとか書いてるのあの子だし」
「ん? それてかなり上位の神様てことか?」
一瞬フリィの表情が暗くなる。
「そう。一応創造神からだから二番目かな?」
「ふ~ん。あんな子供がねぇ」
「子供、子供てほんとお兄さんはほんと外見主義ね!」
ん? どこからか声がする。
しかし、座っている椅子の周りやテーブルの椅子があるとこには俺とフリィしかいない。
なんか、膝に違和感があるんだが。
誰かに座られて...る?
「あ! 狙ってたのに!」
「ふふふ、年齢固定で成長を戻すんだな!」
「ほんとむかつくわね。あんた!」
「その体系だとお兄さんの方が大変でしょ?」
「マスターはロリコンじゃないから大丈夫だもん!」
なんか聞きなれない単語が飛んできた。
う~ん。子供は子供としか思えないんだよなぁ。
「う、お兄さんのばか!」
「え? ちょま...」
なんか、心の声がだだ漏れてるのか?
しかし、さっきの子はどこへ。
「さすがマスター。やるわね!」
「何が何だか」
「あの子は精神の神だから心まで読めるの」
「なるほどな」
「あ、もうそろそろ行かないとくそ人間に魔王倒されるよ?」
ん? 魔王? まさか勇者パーティーか!
「まじか、どもどうやってここから出るんだよ」
「あ、マスター。先に謝っとくね」
「え?」
フリィが左手で地面の雲を真っ二つに切った。
え、これ落ちるよねえええええええ。
「た、助けてえええ!」
大きな鳥が俺を足でつかむ。
フリィか。
「突然なにすんだよ!」
「ごめんごめん。こっちの方が早いから」
《最北の国》《ベルガーナ都市上空》
「しかし、どこにあるんだ。魔王の城なんか」
「たしかあの山の頂上かな?」
「まじか、てかなんで知ってるんだ?」
「え? え、えっとさっき見えたから」
「なるほど」
なにか聞かれては不味いことだったのだろう。
うまく丸め込まれてしまった。
「う~ん。魔王城つくまであと数秒だけだ準備いい?」
「あ、ああ。ちょまて」
グサッ。ぽい。
今ガーゴイルに刺さったよな?
後で洗ってあげよう。
「落ちてから数秒後に行くから」
「了解。頼りにしてるぜ」
「うん」
フリィの足から離れて、数秒後。
今俺は魔王城に向けて落下中。
あいつら絶対レベリングしてないだろ。
このまえダンジョンであったし。
何か考えている間に城にぶつかりくりぬいた。
さすが神速だな。て、これどやってとまるんだよ!
「な、なんだ?」
「と、止めてええええ」
「ぐふ」
あ、誰かけったよな今。
ん? お、速度遅くなったな。
「キャッチ」
「お?」
背中からフリィが抱きしめてくれた。
止まったな。
「ぐぬぬ。こざかしい真似を! 我こそは魔王ぞ!」
「なにこのおっさん。頭いってるやつか?」
「なにをいう! われは魔王ぞ!」
フリィが話してくれると同時に部屋の扉が開いた。
「魔王今度こそお前を! ん? なぜ貴様がいるのだ! 貧乏神野郎!」
「あ、ども」
俺はフリィに補助魔法を唱えた。
あいつらいるのはチャンスだな。
「頼んでいいか?」
「う~ん。もうあのゴミぐらいは倒せるでしょ?」
「そうなんか?」
といつの間にか俺の前には魔王が立っていた。
「死ねえええええええ!」
なんか攻撃してるらしい。
攻撃されても意味ないんだよなぁ。
『裏コード:漆黒の発動条件まであと数千ダメージ』
ん? そういえば漆黒てなんだ?
「な、なぜだ! なぜ死なぬ!」
「あの~もうおわりすか?」
「小癪な真似を! これでもくらえ!」
お。いかにも魔王らしい技だな。
なんか黒い球を圧縮してるみたいだ。
「これでどうだあああ!」
俺にあたってるみたいだが、何も傷ついていない。
う~ん。どうしよ。
暇だなこれ。
『裏コード:漆黒の発動条件を満たしました』
お? 数千ダメージ行ったみたいだな。
『警告。本プロセスは魔王城のすべてを破壊するほどの威力を持ちます』
いや、宝物庫は残して!
『了解。宝物庫は固有結界により保護しました』
フリィは今どこだ?
『現在。上空千メートル上空です』
勇者パーティー残す意味あるか?
『あります。マスターの評判がよくなるのに使えるでしょう』
じゃああいつらにも結界を。
『了解。勇者パーティーを固有結界で保護しました』
あとはあいつだな。
『魔王は既に倒しました』
はや!
あ、てか前見えないから今の俺どこにいるんだよ!
『魔王城上空。一千メートルです』
フリィがいるとこか
『現在プロセスにより魔力放出中。マスターへの負担があります』
証拠隠滅てことで問題ない。
安いぐらいだ。
『了解。裏コード:漆黒はあと数秒で停止します。その後飛行能力がなくなります』
それやばい!
てあれアナウンスが聞こえなくなってる?
落ちる!
あれ?
「お疲れさま。さすがに人殺しはしなかったね」
「そう頼んだのだが」
「まぁいいや。それより宝物庫いこ」
「お、おう」
魔王城があったはずの場所は。
勇者パーティーのあいつらと結界が張られている宝物庫が残っていた。
ん? そういえばなにか右手に...。
観なかったことにしよう。
魔王の生首持ってたなんて...。
「あ、ああ、あ」
「固まってるな。あいつら」
「そりゃ、追放したやつに魔王単騎で倒して魔王城すら破壊したからね」
「どしよ」
「放置しとこ。それより結界といて」
解いてと言われてもなぁ。
ん? なんだこのいかにもここ押せマークは!
ポチっと。
「ありがと」
「ういうい」
お宝とご対面。
相変わらずの周り黄金、宝石、宝箱!
これらとダンジョンのやつ合わせたらいくらになんだよ。
国でも買きか?
「お宝~。キラキラ~えへへ」
「完全に金銭感覚麻痺してくるなこれは」
中央に魔剣のようなものもあったので回収。
あと宝箱、金貨、本などすべてマジックポーチにいれた。
便利すぎ!
「さてと帰るか」
「は~い」
『魔王討伐完了。勇者は役立たずでした』
『本当の勇者は櫟原兵間。彼です』
『お疲れ様でした。強制転移実行します』
いつもの強制転移ありがたい。
さすがにフリィに乗って最東まで帰る
『称号 魔王を超えし者を獲得しました』
『魔王のローブを手に入れた』
『魔王の杖を手に入れた』
『魔王のブーツを手に入れた』
『ステータスが大幅に上昇した』
『召喚神を召喚することができるようになった』
『神々の恩恵を手に入れた』
『魔王の首を手に入れた』
なんか色々やばい物ばかりだがまぁいいだろう。
さてと、帰ったら何やるか。
取り敢えず両親探しだな。
生きているといいなぁ。
あとは、《修羅の門》《第二十五層》で出会った人のとこに行って色々相談しに行くか。
屋敷買わんとなぁ。
『お疲れ様。マスター』