表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/44

第37話 姉妹の再会

ミリアが、氷漬けにされた巨人に触れたことによって氷が溶けだす。この巨人がミリアの本体なのだと錯覚する。


「なぁミリア」

「なぁにぃ マスター」


巨人が氷漬けから目覚め、ミリアを自分の肩に乗せた。


「こいつがお前なのか」


俺は巨人を指さして言った。


「そうだよ。これが私。この世界の邪神ミリアの本体」


ミリアが巨人の頭を撫でて言った。

その光景を見たフリィが何故か涙を流していた。


「マスター。私達神々はね、本来の姿を誰でも持っているの。私で言えばこれ」


巨人はミリアが右腕をあげると同時に右腕を上げた。これがミリアの本体と言ってもいい証拠だろう。


「でもね。フリィいいえ、お姉様は、私達のような身体を持っていないの」


ミリアがフリィのことをお姉様と言い直した途端、前の世界の記憶が蘇る。

ミリアがフリィの妹で、不死鳥であったこと。ミリアは禁忌の魔法を実行し追放されたことを思い出す。その禁忌の魔法は、フリィの本体を人間の姿にする魔法だった。


「ミリア。なぜ貴女は……あんな魔法を…………」


フリィが泣きながら言った。


「そんなの決まってるじゃないですか、私がマスターのことが好きだからですよ」


その言葉を聴いた時、フリィの顔を見ることしか出来なかった。その言葉は前の世界でミリアに呼び出され告白されるが、俺は返事を保留していた。


「だから、私はお姉様の本体を人間の姿に融合したんです。お姉様がマスターと共に生きていけるように」


それは、妹からのプレゼントとあると同時に、妹からの呪いでもあった。

俺があの時返事をすればこんなことにならなかったのだろうと後悔し始める。


「確かに私はマスターのことが好き。でもなぜ貴女に私の人生を狂わされなきゃいけないの? その後の貴女の始末のことを考えなかったの………」


フリィはミリアに問いかけるかのように言う。

その姿はまるで姉と妹だった。


「なぜて、二人には幸せになって欲しいから。後のことなんてどうでもよかった。お姉様が幸せならそれでいいて」


その言葉と共に巨人の肩からミリアの姿が消えた。

すると、みるみる巨人が小さくなってゆく。

最後に光を放ち、ミリアがフェニックスに戻っていた。

驚いた顔を見せるミリア。しかし、大きなため息をついた。


「なんで戻るかなぁ。そこはパッと消えて欲しかったのに………なんで………」


ミリアが泣き出す。消える覚悟を決めていたミリアをフリィが抱きしめ一緒に泣く。

本当に姉妹だなぁと思う俺だった。


ミリアの姿からは、闇が消えていた。


『邪神ミリアがフェニックスになりました』

『妹神ミリアには、世界神の妹という称号を付与します』

『また、召喚の際には永続的に幸運が訪れます』

『漆黒システム プロセスクリア』

『強制起動開始・・・・』

『起動まで残り10秒』

『9……8……7……6……5……4……3……2……1』

『0』


俺は世界を破壊した

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ