第36話 永劫の炎
先に降りていったフリィを俺とミリアは追う。
フリィは、なにか思い詰めた顔をしていたのガキになって仕方がない。
ミリアが俺の背中に乗って楽しているなか、気づかずにずっと考えていた。
「マスターは、やっぱりフリィのこと心配?」
ミリアが背中に乗りながら聞いてくる。
声で背中に意識が集中し、色々当たっているのことに気づく。
「ま、まぁそうだな。心配だ。あいつ良く1人で抱え込むからな」
「そうなの?」
「ああ、昔友達にいじめられてたんだよあいつ」
「え、そんな想像つかない」
「だろうな」
俺は、背中に乗っているミリアの太ももに両手を当て落ちないようにする。突然やってしまったせいか、ミリアにゲンコツを食らったあと、お礼を言われる。
「あいつは何やってもなんでも出来てしまう天才児。だからこそ周りよ反感を買いやすかった。それが原因となってあいつはいつも部屋で泣いてた」
「いつの話してるの?」
フリィが、鉱山から上空1000メートル辺りまで一気に浮上し、はなしをきかれた。突然現れたフリィに俺とミリアは驚きを隠せず、油断した俺は、飛行を解除して停滞していたところから勢いよく落ちる。フリィが、地上スレスレの場所で俺をキャッチしたことによって助かった。
まぁ、不老不死だから死んでも蘇るが………。
「それでいつの話してたの?」
フリィは俺が落ちたことに焦っていたが、地上に浮上着したら話の続きを聞かせろと言わんばかりの目でこちらを見てきた。
「別にお前がぼ、一人だった時の話だよ」
「そっか、ぼっちじゃないからね?」
ぼっちと言いかけた時とフリィの返事の顔が般若のような顔になっていた。うん。怖い。
「それであとどれくらいなの? ミリア」
「えっとね。この真下」
地図を出し黒い斑点が俺たちの真下にあることが分かる。
だが、入口らしきものは見当たらない。
フリィが何かを見つけたのか俺の手を引っ張りそのまま、どこかに飛び去る。
「まてまて、どこ行く気だ」
「私の感が正しければ…………」
フリィが完全にひとりの世界に入っていた。
そのまま、巨大な火山の噴火口にツッコミマグマダイブを試みた。
甘い………。蜂蜜のようだ。
フリィが、マグマから俺を引き上げる。だが裸だった。フリィが、チラチラと俺の全裸を観る。自慢げに誇るとフリィにまたマグマに突き落とされる。
「あ、いたいた。おーい2人とも〜」
ミリアが噴火口から俺達の溶岩風呂へ入ってきた。
後で聞いたことによると、溶岩ぶろは不死鳥や、炎と精霊とって風呂だという。
ミリアが噴火口のマグマがない洞窟を見つけそこに着地すると、俺をフリィがマグマから引っ張り出しミリアの方へ投げつける。
「ちょま……」
「え? マスターちょこんなとこで………」
地上に腰をうちそのままミリアの前に転がり、ミリアの目の前で丁度前向きになっていた。
「とりあえず服貸してくれ」
「そんなのいらないから、行こ?」
「いや待て待て」
フリィが洞窟の先へ進んでゆく。
何故か燃えたはずの服が元通りになっていた。
不死鳥の能力は、服や装備なども例外では内容だ。
しかし、フリィみたいな和服も悪くないと思っている。
ちょくちょくミリアが、俺の下半身を見ては前を向くを繰り返している。
フリィも、洞窟に行く前じっと見ていたのは俺が知っている。
「ここかな」
「ここですね。ちょっと待っててください」
前二人が広い洞窟で立ち止まり、何かを探し始めた。
広い洞窟とは言ったものの、人の目線から見たらかなりのお宝がある。
あらゆる鉱石が壁一面にへばりついている。
しかも、その中には宝石が一つだけ埋め込まれていた。
俺は、石の中に炎がずっと終えている宝石を壁からあっさりと抜けた。
ゴゴゴゴゴゴゴ
俺が引っこ抜いた宝石の壁が扉のように開いた。
まさか宝石が扉の封印だったようだ。
騒ぎを駆けつけた二人がこっちに来る。
「マスター、封印見つけてくれてありがと」
「お、おう」
ミリアが1度抱きつき、扉の奥へと姿を消した。
フリィが俺が持っていた宝石を気になり始めた。
「マスター。それ永劫の炎じゃない?」
「ああ、そうだ。俺ら不死鳥にしか見つけられない石だ。」
「そ、そうだけどそれどこで見つけたの?」
「あ〜、こいつはここの扉の封印に使われてたぞ?」
と俺が言うと、フリィが俺の手から永劫の炎を奪い取り洞窟の奥へ猛スピードで向かっていった。俺もフリィの焦りようが気になりそのまま彼女の背中を追う。フリィが持っているおかげか永劫の炎のなかの炎が、金色に変わっていた。俺が持っていた時は白色の炎だった。
「やっぱりその石俺らになにか関わってるんだろ」
「違う。こんなまがい物が私たちじゃない」
フリィとの会話が珍しく噛み合わない。
あの石が俺たち不死鳥のまがい物どういうことなんだ。
フリィが足を挫く。さすがに猛スピードで、永遠と走っていたのガタが来たらしい。
「ほら、乗れよ」
と俺はフリィの目の前で背中を下ろす。
「ありがと」
とフリィが言うとあの石のことを語り出す。
永劫の炎、それは前の世界では人工不死鳥を作るために必要な宝石だった。人工的に作り上げた同胞たちをフリィの両親は、殺し回っていたらしい。それをまじかで見ていたフリィはその姿はまるで悪魔だという。
「おかえり。マスター」
最深部にたどり着きミリアが、氷漬けにされた巨人に触れて言った。




