表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/44

第29話 フェニックスの眷属

《暗黒の迷宮》


扉を開けた先には火山地帯のように辺りが真っ赤に染まり、まるで地獄のような場所だった。

なんか清々しい。

さっきの場所よりも何故か心地いい。


「なぁフリィ。俺こんな地獄のような場所が天国のように感じるんだが...」

「あ~それね。多分私のせいかも」


とフリィがいうと、なぜか来ていた和服を脱ぎ下着姿になると熱そうな地面に向かってしゃがんだ。

なにしてんだと思い、近くで見てみると熱そうな地面からフリィの腕にマグマのようなものが吸収されたいた。

なにがどうなっているのかわからず、そのままじっと見ていることしかできなかった。


「うん。これでよし」


フリィが立ち上がると先ほどまでの地獄のような場所がすっからかんになっていた。

壁が白くなっており地面の岩肌ではなく白い床になっていた。


「どうなってるんだよこれ...」


目を疑うほどの光景だったが、さっきまでのいい気分は無くなっていた。


「はいこれ」


フリィがなにか丸い何かを渡してきた。

なんかその中には炎のような形のようなものがめらめらと揺れている。


「どうしろと」

「ん? こうやって...」


フリィが突然俺に近づくと俺の腹のあたりにその丸いやつを押し込んだ。

その球体は俺の中に入っていくとみるみる力が湧いてきた。


『地獄の業火を手に入れた。この炎は自身に纏い身体の強化が行えます。』

『またフェニックスの眷属になりました』


なんか久しぶりのアナウンスに驚きながらずっと抱きついてくるフリィの頭を撫でた。

なぜ俺が炎を取り込めたのかわからない。

それにフェニックスの眷属てどういうことだ。


「まだこのままの方がいいのか?」

「うん。まだ炎が体で暴れてるからあと一、二分はこのままかなぁ」


とフリィが言っていると奥の方から炎を纏ったでかいトカゲがこっちに猛スピードで走ってきた。

おいおい、あれサラマンダーじゃねぇか!

すると急にサラマンダーが止まった。


「マスターちょっと離れるね」

「お、おう」


何かを感じたのか一、二分は離れないと言っていたのにサラマンダーが着た途端離れてしまった。

すると、フリィが離れた勢いで体中が燃えるような痛みが現れた。


「熱い! なんだよこれ! なんだよこれ!」


しかし、フリィには聞こえてないらしい。

フリィは、止まってがくがく震えていたサラマンダーの頭を撫でていた。

ペットかなと考える暇もなくついには身体中に金色の炎で包まれた。


「ほぉほぉ、こいつが娘の、ん? お前○○か!」


なんか幻聴が聞こえてくる。

どこかで聞いたことがある。たしかフリィの父親の声だったはずだ。


「ええ、あの熱くて熱くて体が燃えそうで、どうしたら...」

「ほほぉ、娘がついに認めたか。あの子ならやると思った」

「どういうことですか?」

「なぁに、お前さんをこっちに引き込むだけのことよ」


どういう意味なのかさっぱり分からない。

しかし、体が突然何かに変わってゆく。

突然両手が黄金色の羽根を持つ翼になり、足が鋭い爪を持っていた。

そして俺自身がフェニックスになっていたのだ。


「上出来だ。戻りたいならそう望め」

「戻りたいです!」


するとみるみる体がいつもの身体に戻った。

あれがフェニックスの身体なのか...。


「しかし、娘にも驚いたがお主にも驚いたぞ。まさかお主も認められ我らの仲間とは愉快だ。

 なぁに、すぐ慣れる。皆そうだ。」

「ちょっと待ってください。頭の整理ができていないんですが」

「フェニックス、いわば不死鳥は人間が100の死を体験しこの身に炎を塊を入れるときその姿を変える。そう言い伝えがある」

「それてつまり」

「ああ、お前さんがフェニックスになったということだ。100の死などどこで体験したのか知らんがよくやった。あとで《神々のテラス》の奥の部屋に来い。じゃあな」


え? ちょま!

なぜかフリィの父親の声がそこで消えた。


「どうしたの? 変な顔して」

「グル?」

「わああああ!」


俺はさっきまで殺気を放っていたサラマンダーがフリィが抱きかかえていたので、距離をとってしまった。


「あ~。ごめんね。この子のことで驚いたんでしょ?」

「グル、グルル」

「なんでそんな親しげにしてるんだよ! そいつサラマンダーだぞ!」

「そうだよ? 私の眷属だしマスターの眷属だよ?」

「それはフェニックスの眷属てことだろ」


コクッとフリィが頷いた。

フリィは俺がフェニックスになったのを知っていたようだ。

そういえば親父さんがフリィが認めたとか言ってたな。


「で、そいつどうするんだよ」

「どうて、火山に返しに行くだけだよ? それまでこれに入っててもらうけど」


フリィが空中に指を指しそのまま振り落とすと、空間に亀裂が入った。

その中にさっきのサラマンダーが喜んで入っていた。

どうなってるんだこれ。


「今のは...」

「ふふふ~ん」

「ああ、なんでもない」


フリィが自慢げにこっちを見ていたので無視した。

観てはいけないもののようだ。

多分神にしか使えないものなのだろう。

そういえばあのサラマンダーがい無くなるてことはこの空間の意味は...。


『な! サラマンダーの反応が消えただと! 許さないからな!』

『はいはい。おーいマスター。暇だから早く来てほしいのじゃ』

『ちょ邪神様...』


なんか変なアナウンスが聞こえるとあの白い部屋が消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ