第27話 暗黒の迷宮
頭痛に追われながらベッドから出た。
着替えて廊下にでようとするとフリィが止めた。
「待って、今はだめ」
???
何がダメなのかわからないが、一分ほどたつとフリィは普段通り扉を開けた。
廊下に出たが左右何か怪しいものがない。
フリィに手を引っ張られいつの間にかリビングについていた。
「ふぅ、これでなんとかなりそうね」
「何がだよ...」
「ん? 夢の迷宮というより暗黒の迷宮の方が正しいかも」
「暗黒の迷宮?」
「うん。別名魔王の迷宮と呼ばれてる高難易度ダンジョン」
夢のようなやつでみたあれは、まさしくこのダンジョンなのだろう。
しかし、フリィが何処から入ってきたのかがよくわからない。
「物騒なダンジョンだな。てか部屋の中全体がダンジョンになっているのか?」
「ほぇ~」
フリィは魂が抜けたかのようにふかふかのソファーに座り込んでいた。
ソファーに根が生えたように動こうとしない。
俺も座りたいのだが...。
「お~い」
近付いてみると、いきなり抱き掴まれ何かを首元に刺された。
チクッとしたがそのあと何とでもない。
針かなんかだろうがよくわからない。
あれ~だんだん部屋がぐにゃぐにゃになってきたぞ。
これやばいよなぁ~あ~だめだこれ。
「ふふふ、甘いね。マスターは」
その声だけがなぜか頭の中に残っていた。
この声は一体...。
気が付くとまた自分の部屋のベッドの中にいた。
前回いたはずのフリィはおらず一人で俺はこの部屋にいた。
どうなっているのかさっぱりわからないが、
さっきの声の子がこのダンジョンを作っているのだろう。
「さてさて、また始めますかぁ」
扉を開けるといきなり大鎌が降り注いできた。
食らえば即死だろう。
ダンジョンあるあるとはいえこんなで界のどうやって作ったのか教えてほしいぐらいだ。
大鎌がなくなると二手に分かれる道が現れた。
『なんじの力を示せ、さすれば命だけは取らん』
なにこのインチキ臭い看板は...。
まぁいい。左からいこう。
左の部屋のドアノグに触れた途端どこかに飛ばされた。
「き、貴様なぜこの攻撃を受けて生きておる!」
なんかどこかで見たことあるおっさんが立っていた。
魔王だよな。この前倒したあいつだよなたしか
「貴様何をぶつぶつ言っておる、さっさと死ねええ」
なんか魔法撃ってきたのだが、う~んとりあえずこれだな。
マジックポーチから結界装置を取り出し設置してみた。
見事に魔法が跳ね返った。
「あ~あ、粉々じゃん。そういえばこの結界装置たしか攻撃を受けた際その攻撃の何倍にして跳ね返すんだっけ? たしか2~10まであったはず」
結界装置をマジックポーチにいれるといつの間にか看板があった場所に戻っていた。
なぜか左右両方の扉がなくなっており、看板の文字が変わっていた。
『ぐぬぬ、これでも死なぬのか! ではこの先の奴ならどうだ!』
と書いてある。
多分このダンジョン主だろう。
なんか心当たり有りそうでこわい。
あのビーチで倒れてた女魔王じゃないよな......。




