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第25話 名前

《最東の国》《神々の島》


目が覚めるといつの間にか自分の部屋のベッドで寝ていた。

あの暗い世界から帰ってこれたらしい。

しかし、なんか重い...。


すぅ...すぅ...


可愛い寝顔でフリィと邪神が寝ている。

重いのは、二人とも俺を枕として寝てるせいだ。


まいったなぁ...むやみに起こすわけにもいかないし。

どうしよう、というかこれからどうするか考えないとなぁ。

そういえばたしかアバルードの欠片があと一つどこかの魔王が持ってるんだっけ。

あれ、そういえばあの魔王どこ行ったんだ。

みわたすかぎりだといないようだ。


「えへへ、マスター...」


フリィが俺を抱き枕にしてくる。

色々当たってうれしいのだが、

フリィの握力はほんと豆をつぶすように骨を砕くので油断すると骨折する。

最近になったようやく折れなくなってきた。

彼女の気分次第かもしれないが...。


「失礼するぞ、少年。さっさとおきろおお!」


突然魔王が部屋に入ってきた。

いきなり布団をはがされ俺を抱き枕の代わりにしているパジャマ姿の二人が姿を現した。

あ、これちょっとやばいかもなぁ。


「マスター。今のなにぃ?」

「いやなんでもない。もうちょっと寝てろ」


頭撫でてあげながら言うとすぐにフリィは寝てしまった。

一番たたき起こすのまずいからなぁ、このくらいで気休めになればいいが。

あれ、そういやあの魔王どこ行った?

まぁいいや。


クシュン...。


フリィがくしゃみした。

可愛いけど、風圧が...。

くしゃみで部屋の中がかなり散らかってしまった。

仕方ないか。


ちょっとフリィを近くに寄せ付けようとすると、腕を掴まれた。


「何してるのマスター」

「お前が寒そうだから俺に近づけただけだ」

「そっか、じゃあこれでいい?」


フリィがおれの腹の上で、こっちに顔を見せながら言った来た。

み、見える。いかんいかん。


「いいんじゃないか? 暖かいだろ」


......。


返事がない。

もう寝てしまったらしい。

外は完全に夜だ。

変な時間に起きてしまったせいだ。

しかし、あの魔王のせいで布団がどっか行った。


すると、ベッドの端に先ほどどこかに行った布団を見つけた。

うん。これで良し。


かぶせてやると、表情が豊かになった。

そういえば、魔族て夜行性だったな。

まぁ俺らには関係ないか。


「ふむ? おきておったのかマスター」


アバルードが声かけてきた。

起こしてしまったのだろう。


「悪い、起こしたか?」

「いいや、我はこの時間が朝のようなものだ。気にするな」

「そうか、てか、お前なんて呼べばいいんだ?」

「ん? 好きにするとよい。我は名前などどうでもよいからな」


ベッドから出ようとした途端俺は、いつの間にか声に出ていた。


「ミリア、ミリアてどうだ?」

「ふ~ん。悪くないじゃん、バカ」


少し頬が赤かったような気がするのだが気のせいだろうか?

とりあえずいつまでもお前呼ばわりはよくないからな、これでいいだろう。

と思っていたのだが、目を光らせてじっとフリィが俺の事見ていた。


「ミリアねぇ~。ふ~んいいかもね」

「どういう意味だよ」

「ん? 内緒」

「なんだよそれ」


フリィはなんか布団にもぐってしまった。


「よかったじゃん。ミリア」

「ふん。あいつが覚えてないだけだろ」

「そうかもね」

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