第23話 白い砂浜へ
走るた徐々に声が近くなっていくのが変わる。
目のまえに会った大岩を切り裂き、行くてを阻むモンスター達はいつの間にか灰になっていた。
フリィはずっと抱きついているのだが、目の前の障害物を排除してくれるのでありがたい。
走りながら、魔法を放つのはかなり大変だ。
照準が合わずにモンスターではなく木を焼きかねない。
「相変わらず抜群のコントロールだな」
「マスターが勢い一定にしてくれてるおかげだよ?」
「してないけどなぁ。そんなことできる人間なんていないだろ」
「え~ほんとだってば!」
「ふ~ん。ようわからんがまぁいいわ」
むすっとするフリィをそのまま運びながら、砂浜に出た。
辺り一面白い砂に覆われた砂浜だ。
ここの砂はなぜか、白く何かに浄化されたような感じがする。
この砂浜んはモンスター達は近寄ってこない。
謎の砂浜だ。
「ほんとにここに来るとモンスター達逃げていくよね。ふしぎ~」
「何その棒読み」
「き、きのせいだよ~あは、あははは」
めっちゃ棒読みだ。
原因は多分フリィだな。
暇つぶしで何か落としたんだろう。
そこら中に変な物体やクレーターができてるし。
あ、そういえば声が聞こえなくなったな」
「なぁ、声聞こえなくなったんだが何か知って...!?」
抱きついていたフリィが何かを見つけた場所には、魔族がそこにはいた。
身長はフリィより少し大きい。しかも他のところも色々と出ている。
ふむふむ、けしからん。
フリィにほっぺを抓られ正気に戻ると、そこには魔族がいなかった。
「貴様は一体何者だぁ!」
突然俺の背後に現れ、首元に魔剣らしきナイフを向けられた。
どうしよう...。
「ただのこの島の地主だが、何か問題でも?」
「いや、それならいい。
しかし、なんだその子供は! しかもなんだこの聖属性に満ちた砂浜は!」
「あーそれ聞いちゃいますか。ご愁傷様です」
「な、なにが言いたい」
フリィは好きであの姿になっているらしいのだが、はたから見れば子供にしか見えないのはうなずける。前に部屋でなんでその姿なのか聞いたところ、半殺しされたなんて言えない。
目が覚めた時のフリィの膝枕とあの笑顔は恐ろしすぎてやばい。
これ以上思い出したくないので振り返らないでおこう。
てか気づいたら、目の前が黒いことになってるんだが。
「や、やめでぐれええ」
「許さない! 絶対許さないから!」
「ひぃぃぃ! お助けえええええ!」
「もう子供じゃないもん!」
「どう見ても子....ぐふ...」
蟹股でフリィが魔族の子顔を何回も殴っていた。
助けに来たはずなんだが、なんで気絶させてるんだか。
こっち振り向いて笑顔見せてくるし。
うん、怖い。
とりあえず運ぶかぁ。
「いい加減にしろよ~。その子家に持って帰るからな」
「え~。なんで? この子私のことすら覚えてないんだよ? こんなバカ魔王なんて放置すればいいじゃん!」
「おい、まて。今なんて言った?」
「こんなバカ魔王なんて放置して帰ろて言ったの」
魔王て...まじかあああああ!




