第13話 失われし記憶
《????》《×●▲◆》《神々のテラス》
フリィに強引に腕を引っ張られまた来てしまった。
そんな頻繁に人間が着たらまずいのではとしか思えない。
「ここに座って」
フリィが椅子を引くとこに座る。
相変わらず大きなテーブルと無人の椅子が並んでいる。
俺の目の前にはフリィが座っていた。
「じゃあ始めるね」
フリィが左手で指を鳴らす。
すると無人だった椅子に以前見た6人が1つの椅子を開けて座っていた。
一体何するつもりなんだ?
「しかし、よろしいのでしょうか。説明もなしに」
「あ~。そうだよねぇ」
そんなことを言ってると、突然フリィが立った。
「右からフローラ、テイル、節佳、ユキ、シテルス、メル。彼らは各種族の神々、神と呼ばれるものが10人いるの」
「ふむふむ」
たしかに各国の教会には10体の神像が置かれている。
しかし、神様たちの名前を教えてもらったとはいえ何が言いたいんだ?
「彼らを束ねるのはこの私。創造神・フェルリィなんだけど」
「は、はぁ?」
やべぇ頭がぐらぐらしてきた。
話についていけねぇ。
いきなり私は神です宣言されたし。
あの強さには納得がいくけど、なぜ俺が召喚できたんだ。
すると、フリィがいつの間にか俺に膝の上に座っていた。
「驚いたでしょ」
「なにがなにやら、わけわからん」
「でしょね。じゃあちょっと目つぶって」
わけわからんが何かしてくれるのだろう。
なんかフリィが膝の上で暴れている。
早くしてほしい。
「大丈夫だよね?」
「なにが?」
「んん、何でもない」
なんか口にほんのり温かい感触がある。
なんかされてるよな確実に。
数秒そのままで、温かい感触がなくなる。
「ファーストじゃないでしょ? お互いに」
すると、何かが壊れる音が聞こえた。
一気に知らない記憶があふれた来た。
《????》《×●▲◆》 記憶の中
「聞いてる? マスター」
「ああ、聞いてる」
なんだっけ。思い出せない。
「聞いてなかったでしょ」
「...う......」
「まぁいいや。とりあえずお父さんに会いに行こ?」
「ああ」
お父さん? フリィの父親か?
外見すら思い出せない。
「おや、早かったじゃないか」
「ただいま、お母さんは?」
「母さんなら部屋で寝てるよ。夜中まで仕事してたらしくてな」
「なるほどね。じゃあマスターにちょっとあの作業してもらうから」
「お、それはありがたい」
いつの間にか俺はフリィとの一緒の部屋にいた。
フリィが俺に注射器のようなもので何かを俺の中に入れていた。
みるみるおれの魔力が薄れてきている。
どういう原理なんだ?
「ふぅ、今日はこんなもんかなぁ」
フリィが俺から注射器を抜き取ると箱にしまった。
「なぁフリィ」
「ん? なぁに?」
「ここてどこだっけ」
「ん? ああ、そっか。覚えてないんだ」
「どういうことだ」
フリィの姿は以前見た神の姿から、フェニックスから擬人化した姿になっていた。
いつものフリィだ。
「この世界は、マスターの記憶の世界。だから今の私は記憶なんだよ」
「記憶?」
「そう記憶。私の両親はこの世界で生まれこの世界で死んでしまった。不死鳥なのにね。
こんな世界理不尽だと思ったせいで、私はいつの間にかこの世界を崩壊させ世界を再構成していたの。」
「それがフリィが創造神になった経緯か」
「うん。でもね私の隣にはずっと貴方がいた」
覚えていない。
でもどこか懐かしい。
「ふむ? 最初に会ったときにいきなり俺のことみてマスターて呼んだのはそれが理由か」
「うん。マスターは5歳の時異国に飛ばされたてこと覚えてるでしょ?」
「ああ、もちろん」
「あの時、私の分身をマスターの中に入れてそのまま異国の召喚士のとこまでばしたの」
「すべてはお前の召喚を計画してたのか」
コクコクと頷くフリィ。
しかし、俺は一度転生したてことなのか?
う~ん。
「マスターは邪神にその身体を消滅させられたからね。魂だけそのまま転生させたてわけ」
「じゃあ俺がそのころの記憶がないのは」
「一度死んだから。いやな記憶を持って転生するの嫌でしょ?」
「まぁなぁ。でもフリィと一緒に暮らした記憶は消さなくても」
「ダメだよ! 違和感感じるでしょ? あの姿と今の姿」
当然だ。
フェニックスの時は和服なのに、なぜか創造神のときはウェディングドレスのような白いドレスを着ており、なんか幼い。
「とにかく、このまま見てけば色々思い出すよ?」
「ああ、そうだな」
なんかたまに俺じゃなくフリィの記憶を見てしまったときはフリィが顔を真っ赤にしていた。
女の子だもんね。
というか俺は向こうの世界で何年生きてたんだ?




