プロローグ 勇者パーティー追放されたわ (乙)
《最東の国》《最後の街》――《ひるま町》《旅館:七色》
世界の最東に位置するこの国は、西や北や南の街にも存在しない独自の品揃えが豊富な街だ。
すべての街に水が行き渡り、川沿いに毎年七色に咲き誇る桜がこの国の名物とされている。
今日俺こと櫟原兵間ひるま町でずっとゴロゴロする生活を送っている。
とある理由により所属していた勇者パーティーから追放さましたがなにか??
まぁ、いわゆる「お前役立たずだからパーティー追放な?」系だな。
あんまりこの話はしたくないのだが...話が分からん!と言われそうになるので語っておくとしよう。
あれは、昨日突然パーティーの連中がこの旅館《七色》に突然押しかけてきた。
一言目がこれさ、
「おい、貧乏神。お前、俺のパーティークビな!」
ちょまて...え? クビ?
勇者のミギルが俺にクビ通告してきたんだよなぁ、俺に向かって指さして...。
「待ってくれ」と言いかけるも、ミギルの後ろにいた僧侶のルリアナがゴミくずを見ているかのような瞳でこっちに言ってきたんだ。
「言い訳なんてどうでもいいですわ! そういうことなので、では」
ルリアナが扇を広げ口元を隠しながら消えていく中で俺は否定し続けた。
「なんでだよ! 俺が必要だ! と昨日言ってくれたじゃねぇか!」
部屋から出ようとするミギルの足にしがみつきながら何度も「お願いだ。クビにしないでくれ!」と頼み込んでいたんだよなぁ。
いや、今時まじで悔しくて、泣いてたことだけ覚えているぞ。
「カス召喚獣しか召喚できねぇ、お前なんかいらねぇんだよ! さっさと出てけ!」
足にしがみついた俺を部屋の壁に蹴り飛ばし、笑いながらその場を後にしていった。
ほかの二人も俺のことを見下しているような瞳で睨みつけプスッと一笑いされたその場から消えていった。
というわけなんですはい。
そのあとまぁ泣きわめいた挙句、俺の泣き声を聞いたのか、女将さんの結衣さんが俺を抱きしめられながら泣くこと一時間だったかな? やっと落ち着きを取り戻したんだが、結衣さんが持ってきた板前さんのグランさんの料理が喉を通らなかったのを今でも覚えてる。
この時俺は誓ったのさ、俺の夢はあいつらが倒そうとしている魔王。そして人間の見方すらしない異国の神々を倒し、あいつらに「てめぇらなんかいらねぇんだよ! 近寄んな! 三下が」て言ってすかっとしたい!
まぁ、そのまえに召喚獣だよなぁ...あとレベル上げしないと。
今んとこのステータスがこんなもんだ。
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【名前】 『本名』櫟原兵間 『偽名』シャルク
【種族】 人間
【年齢】 17
【職業】 召喚士? 「○○×○○××▲▲▲▲◆◆◆」
【レベル】 14
【称号】 ざっこお兄さん 勇者パーティー追放
【HP】 80/80
【MP】 500/500
【攻撃力】 24
【防御力】 15
【物理攻撃力】 2
【魔法攻撃力】 1500
【すばやさ】 200
【魅力】 1
【運】 1.5? 「××××●●●●●▲▲▲」
【スキル】
召喚士の希望
最東炎神の加護
魔法 召喚魔法
同時召喚不可
【召喚できるモンスター】
スライム
ゴブリン
猫
犬
雪だるま
変なおっさん(変態)
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意味わからん文字が並んでいるが、これは生まれつきだ。
ここ《ひるま町》は俺の生まれ故郷らしい。
しかし、5歳児の俺は何かの理由で異国に飛ばされた。
魔物が住む森《漆黒の森》に飛ばされたらしく、その道端で倒れていた俺を助けてくれたのが、
召喚士として俺の道を切り開いてくれた師匠だった。
12年ぶりにこっちに帰ってきたのはいいのだが、パーティーのこともあってゆっくり観光すらできていなかったんだよなぁ。
しかもあのパーティーだし。
まぁ今の俺は旅館でくつろぐただの冒険者になったわけだ。