この世界の人類について
この世界の人類は以下の三つの人種に分かれている。
◯ヒマス
世界人口の約八割を占める人種のことで、クルエン教の創世神話やラピルリオ教の神話に登場するアルセムとエハンという番の人間を祖先に持つとされている。
肌の色はやや白く、髪の色は黒や茶褐色、ブロンドが多く、瞳の色は濃い茶色から赤まで様々である。
元々は、エラローリア大陸に住んでいたとされており、気候変動に伴う寒冷化で南下していき、約五〇〇〇年前にルネベリア大陸に於いて最初の文明であるミルカ文明を築いたとされる。
ミルカ文明は非常に高度な文明であったが、今から約二千年前に崩壊しており、その技術などは後の文明には引き継がれなかった。
その後、人々はいくつかの集団に分かれ、その一部が預言者ゲセブに率いられてエラローリア大陸に渡り、エラローリア法王国の前身であるローリ王国を建国している。
◯ヲサンク
世界人口の一割から二割を占める獣の耳と尻尾を持つ人種。
猫のような耳とオオカミに似た尻尾がある以外はミルサランクと同じ外見をしており、クルエン教の創世神話やラピルリオ教の神話に登場するクラムスとマハンという番の人間を祖先に持つとされている。
ヲサンクとは「呪われた者」という意味の古代ミル・カ・サール語で、各宗教によって話にばらつきがあるが、何かしらの要因で現在のような姿になったとされている。
現在、大多数が都市部で暮らしているが、元々はアキハール山脈に住む山岳民族であるため、一部の者は特別自治区内に集落を作り暮らしている。友好的ではあるが、訪れる際には許可が必要である。
高い身体能力としなやかな身体を持ち合わせており、古くからその能力を生かして王侯貴族や聖職者に雇われる形で諜報や暗殺などといった表沙汰には出来ない仕事を担ってきていた。
◯ギムウェリア
魔法が使える種族で、肌の色は雪のように白く、銀色に輝く髪を持っている。瞳の色は青と灰色で、稀に緑褐色や紫色の瞳も持つ者も存在する。長命で、老いる事がなく、美男美女が多い。使用する魔法の多くは力の弱いものばかりである。ギムウェリアとはアルストゥリア語で「銀髪の人」という意味である。(ギム=銀、ウェ=髪、リア=人)
地上に生まれたラピルリオとクハンヌという番いの男女を祖先に持ち、地上に最初の楽園を築いたとされている。