皇女様…スキル使うところ間違ってませんか?そしてカップルとはなんですか?
「レセルク…私のスキルを見せてあげるわ…!」
そう俺に皇女様は宣言すると俺に右腕を突き出す。すると右掌から幾何学的な魔法陣が出来上がってくる、攻撃魔法なのかはたまた変わり種なのか…
「【絶対なる魅了】!ふふふ…これでレセルクは私のものよ!」
皇女様の声を最後に俺の理性は、一時的に機能が止まった。どうやら魅了系のスキルのようで、それを使い俺を皇女様のモノにしようとしているらしい。なんか、少し変な事をされてしまいそうだ。
「レセルク…こんなことまでさせちゃってごめんね?私、あなたと結婚したいの。」
そう頬を赤く染めながら皇女様は俺に本音を打ち明けた。どうやら皇女様は俺と結婚したいらしい…だが今俺の理性は死んでしまっているようなものだ。このままだと、もちろんいいですよという展開に…
「へへ…こうすれば、他の女にレセルクは取られる事はないし。レセルクは私以外の女を見ることも。」
皇女様はどうやら前、転生者が言っていたヤンデレと言うものに当てはまるらしい。ヤンデレって確かナイフを持っているとか云々かんぬん…
「【大魔法具 聖符 オセリトニ】発動せよ!」
心の中で俺は大魔法具を使用して、相手のスキルを強制解除しようと試みる。オセリトニは相手のスキルを解除する為の大魔法具で、今まではすべてのスキル解除に成功したが今回ばかりはどうだろうか…
「ハナ皇女、結婚したいならそう言ってくれば良かったのに。」
どうやらスキル解除に成功したらしい。魅力スキルなかなか強敵だった…あのままだと結婚していただろう。
だがまだ年齢が年齢…さすがに法律があるので半年待たなければできないはずだ。
「うぅ…レセルクに負けちゃったよ…、でも付き合ってはくれるよね!」
俺に向かって変わった告白を皇女様はしてきた。ヤバイ…可愛い、うん付き合うくらい大丈夫だよね。殺されたりしないよね。
「拒否権はないから!はい成立、これからよろしくね!レセルク」
続けて皇女様はそう言った。どうやら皇帝両陛下が裏から手を回したらしい、さすが娘のためならなんでもすると国内外に宣言しているだけある。
「ハナ皇女…付き合う…。分かりました。これからよろしくお願いしますね。」
「まずはあれだね…カップル感を出すために敬語をやめて!それとハナって普通に呼んでよ!」
皇女様は俺に対して要求をしてきた…カップルとはなんだろうか?異世界語で付き合っている人のことでも指すのだろうか?
「ハナ!よろしくな…こんな感じでいいのかな?」
俺がそう言って戸惑う様子を、静かにマーリンは見守っていた。