口笛響かせて。
掲載日:2019/12/30
気の抜けた口笛を吹く君。
不器用な声を忍ばせて、奏でる楽園が心地いい。
尖らせた唇から芽吹く命があっていい。
駆け回るような無垢な生命を追いかけて、想いは人混みをすり抜ける。
チックタックと時間の線路に小突かれて、待ちきれない永遠の途中で一息ついて。
コツコツコツコツと楽しみと悩みを運ぶ人、ため息の吹奏楽団に招かれて、持ちきれない明日の途中で一息ついて。
君は口笛吹いている。
音のない風は舞い上がり、気の抜けた口笛を連れていく。
僕も口笛吹いてみる。
不格好な言葉を忍ばせて、君を目指して吹いてみる。
しどろもどろの触れたい気持ち、腫れたりへこんだり忙しい心をすり抜ける。
カーンカーンカーン、引き離された空から響いてる。
冷たい風が枯れ葉と紙屑をダンスに誘う。
重たいカーテンを閉める頃。
だけど、気の抜けた口笛が聞こえてる。
君の気の抜けた口笛が響いてる!
僕は間の抜けた口笛吹いて、君のそばに。
尖らせた唇で、息吹く命を忍ばせて。




