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奴小説  作者: 奴
5/18

It's automatic

 この五年間、奴botがずっとお世話になっているサイトがある。先手を打って言っておくがXVIDEOSではない。

「twittbot」と言う名前のそのサイトは、ツイッターのアカウントを連携させることで、サイト内に登録した文章を自動でツイッターに投稿してくれる優れものだ。登録したツイートを何時間毎に投稿するか、といった事も任意に決められるほか、特定の日付や曜日、時間を指定しておけば、きっちりその日、その曜日、その時間に投稿してくれる。要するに、botを運営する者にとっては必要不可欠なサイトと言える。twittbotがなければ、奴botなんて到底やってられない。時折、奴botは全てのツイートを手動で投稿していると勘違いしている方を見かける。確かに、時事ネタにすぐ便乗するさまを見ればそう勘違いするのも仕方のない事かもしれないが、んなわけあるか。五年間ずっと、twittbotあっての奴botです。

 現在、奴botに登録されている定期ツイートは、twittbotに登録できる件数の上限いっぱい七百件。それを一時間毎に自動でツイートしてもらいつつ、面白かったり興味があったりする時事ネタを絡めたツイートや、フォロワーがどっからか探し出してDMやリプライで送りつけてきてくれる、名前に「奴」のついたサムシングの投稿や、明らかに言動のおかしい奴を相手にトラブったり等を手動で行っている。

 そんな、自動と手動の割り合いが7:3(体感)くらいの奴botだが、前回記した「大怖俺」は手動によるネタの話だったので、今回は定期ツイートに重点をおいて書いていこうと思う。twittbotさん、奴に力を貸してくれ。




 七百ある奴botの定期ツイートは、ざっくり言うと五つに分類される。

 まず、基本的な「あるある」。広範囲に共感してくれる人を得られ、皆が傷つかず笑って見られるツイートである。RTの数も比較的高め。(例:行けたら行くわとか言って結局来な奴~ 等)

 次に「ないない」。フォロワーの「そんな奴いるのかよ」というツッコミ待ちのツイート。比較的下ネタが多いため「お前の体験談だろ」と言われることもしばしば。でもそういうリプライしてくる奴こそ実際やってそうな印象。(例:オナニーして射精の瞬間好きな子の名前をつぶやき奴~ 等)

 続いて「勢い」。勢いだけでいいねとRTを稼ごうという(よこしま)な考えが生んだ、奴botの中でも屈指のくだらないツイート群。「で、でた~ 奴~」のテンプレが既に勢いだけなのに中身すらなくなってどうする。ハンバーガーだったらバンズだけみたいなほぼゴミに近いツイートのくせに、スベった時の精神的ダメージは他のツイートの倍くらいある。(例:で、でた~ くせ者、貴様何奴~ 等)

 そして「テンプレもじり」。その名の通りテンプレをもじったツイート。特に上の句である「でた~」がもじりやすい。(例:ベ、ベタ~ goodの比較級奴~ 等)

 最後に「誹謗中傷」。完全に不特定多数の気に入らない奴を嘲笑するために用意されたツイートであり、五つの分類の中で最も多くのツイートが登録されているのがこれ。図星を突かれた奴がリプライ欄でブチキレてきたり、奴botをブロックしたりするきっかけになるツイートは大抵ここに分類されている。ザマーミロ。(例:プライドだけ無駄に高くて自分の才能が追いついてな奴〜 等)

 いくら七百ツイート登録しているといっても、五年間休まず定期ツイートを続けていれば、流石に伸びが悪くなってくるツイートもある。だからたまに新しいネタを思いついたときは、まず手動で投稿し、それが伸びたら定期ツイートに登録する事にしている。その際、既存の定期ツイートをどれか一件削除しなければいけないのだが、それにめちゃくちゃ悩む。どれも削除するには惜しいツイートばかりだが、定期ツイートの質を向上させるため、心を鬼にして削除ボタンをクリックしている。

「例えばゆるい幸せがだらっと続いたとする きっと悪い種が芽を出してもうさよならなんだ」

 浅野いにおとアジカンもこう言ってた。まさかこんなくだらない作業に例えられるために歌詞を引用されるとは御二方も思うまい。

 そこで今これを読んでくださってる方々に提案なんですけど、DMでもリプライでも良いのでなんか良いネタがあったら送ってきてくださると幸いです。条件は、

・色んな人が「そういう奴いるわ~」って共感できる人物像

・身近にいるうぜぇ奴(フォロワーでも可)

・ちょっとした日常のあるある

 これらのどれか一つでも該当するネタ、お待ちしてます。なんか要点だけでも良いんで送ってくだされば、文章はこっちで考えるんで(切実)。

(DMで送られてきたネタが面白くねぇ場合もちゃんと「考えときます」って返信するので、皆さんが傷つく心配もないかと思われます)。


 最後に、個人的に好きな定期ツイートベスト5を紹介して終わろうと思う。円滑に読み進めてもらうため、草は割愛。

 第五位『パァ! でた~ ウワァオ!』

 上記した分類の「勢い」の中で一番好きなネタ。というかますだおかだの岡田さんのネタ。そもそもネタよりも岡田さんが好き。

 第四位『で、でた~ ディズニーランドでミッキーの中のh』

 ディズニーの知ってはいけない素顔に触れるネタ。ノリの良いフォロワーがリプライ欄で盛り上がってくれるから好き。その一時間後に何事もなかったかのように定期ツイートが投稿されるのも含めて好き。

 第三位『で、でた~ 自分が何をしたいのかわからな奴~』

 哲学的なネタ。RTした人は、これからの混沌とした人生の中で、自分が何をすべきなのか、本当にしたいことは何なのかを探し、見つけてください。

 第二位『で、でた~ クジャクヤママユの標本をパクられたうえに潰され奴~ そうかそうか、つまり君はそういう奴~』

 国語の教科書オールスターズの中でも屈指の人気者、エーミールのネタ。上記した分類のどれにも属さない珍しいネタにも関わらず、エーミール御本人の知名度の高さから、フォロワーからの人気も高いツイート。奴botのLINEスタンプにもなっているが「少年の日の思い出」の著者であるヘルマン・ヘッセの著作権はもう切れているし、多分大丈夫。

 第一位『で、デブ~ 我慢が出来ない、自己管理が出来ない、怠慢な自分を常に自己紹介しながら歩いてるくせに「体型の話はやめて」みたいな空気を出奴~「自分はぽっちゃりだから」と思ってるデブ奴~』

 上記した分類の「テンプレもじり」と「誹謗中傷」二つに属する痛快なツイート。現存する全てのデブのコンプレックスを刺激し、自称ぽっちゃり系のデブスをも追い詰める追撃性を兼ね備えた素晴らしいネタが栄えある一位。奴botに文句言ってくる前に痩せろデブ。目障りなんだよ。

 今後、これらのツイートが定期で流れてきた時は「あ、これ奴botが好きな奴だ」みたいな感情で見て頂ければ、また違った楽しみ方が出来るかもしれません。出来なくても知りません。

 そしてtwittbotさんには、冒頭で「五年間ずっとお世話になっている」と記したが、これからもお世話になります。第五話はこれで終わり。

 

気が向いたらまた書きます

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