第4話
丸薬の完成までの間に思い付いた事を試すか。
俺はもう一度丸薬の製作行程を繰り返した、途中までは。
「こいつに、もっと小麦粉混ぜてやって寝かしたらパンになるよな」
そうだ、俺は今夜の晩飯を一品作ろうと考えたのだ。失敗したって自分が食べれれば問題はない。
何しろ俺は長年自分で実験してきたので大抵のものは腹を壊さない。
「後は、ボウルに入れて布被せとけばいっか」
丸薬のような赤黒い色ではなく何故か鮮血のように真っ赤になったパン生地(仮)が、見えなくなるように白い布を被せ窯の脇においておく。
「お?乾いてるな。クルト~アルガス爺さんの薬は何処に置いときゃ良いんだ」
俺は丸薬用の硝子壜の大きめの物を棚に突っ込んである木箱から抜き出し、赤黒い物体達をその中にコロコロと使い捨ての紙の漏斗を使い納めていく。
『此方に持ってきてくれ!今夜届ける』
「はいよ」
クルトに返事を返しながら壜に蓋をして、枯れ草を敷き詰めた小さな木箱にそっと納めて店舗の方へ持っていく。
「爺さんに届けた時に、依頼の品とは違うから代金は半額で良いって言っておいてくれ」
『またなのか…』
クルトは猿顔で器用にダメだコイツ、みたいな表情を作って溜め息をついた。
『説明するこっちの身にもなってくれ』
「そうだ、今夜のパンは買ってこなくて良いぞ」
『人の話を聞け!』
「お前…人ではないだろ」
『揚げ足をとるな!!』