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僻地の錬金術師  作者: アルト
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第3話

 アルガス爺さんの為の強壮剤を創ると決めた俺は、どのような形状にするか思案を始めた。


 一つ目は粉薬、二つ目は丸薬、三つ目は液薬。


 粉薬は一度の服薬の量は少量で済むが、代わりに飲みづらく最悪飲む際に咳き込んでしまい必要量が摂取出来なくなる。

 丸薬は粉薬を小麦粉やその他の食物性の粉末と混ぜ合わせ水を加えて練り上げ丸く成形したものだ。今回の強壮剤の分量だと混ぜ物の比率も余り弄れないため一度の服薬の丸薬の個数が多くて、消化に悪い爺さんだから尚更だ。

 液薬は調合する素材の種類を液状、または水溶性の物に代えて作る。良い点は液状の為飲みやすく吸収も早い事だ、悪い点は作成後の変質がおきやすく賞味期限が短い所だろう。


 アルガス爺さんは仕事に熱中し過ぎて寝食を忘れてぶっ倒れることが多いからな、保存性と効能と相談して丸薬を造るかね。

 依頼内容と変わってしまうがあの爺さんの事だ、液薬だと全部一気に飲みかねん。そんな事されて死なれたら俺が捕まる。


 そんな事は御免だ。一気に飲めないように分量を量増ししてやる。


 俺は試料の詰った棚から突進猪(タックルボア)の牙の粉末を少量と骨粉、それと頚長亀(ロングネック)の血液を小瓶一つを取り出して作業机の上に置き机の脇に立て掛けてある皮袋から小麦粉をカップに取り一緒に並べた。


「え~と、投薬対象は…70歳、男性、健康状態は良好、身長体重はデカイ重い、投薬目的は体力の向上及び持続、尚性的なものは考慮しないものとする。…こんぐらいか?」


 撹拌用の乳鉢に計量しながらそれぞれの品物を投入し乳棒でグルグルと撹拌しながら小瓶の蓋を外して少しずつ血液を垂らしていく。


「これ位かな」


 粘土く…パン生地位の固さになった乳鉢の中の赤黒い物体Xを薄く小麦粉を散らした食物用の板の上にひっくり返して落とし、直径1㎝位の大きさになるように千切って捏ねて丸める。

 これで乾燥させれば完成だ…作りすぎたか?100粒以上有るな。

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