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ポロりもあるよ!

腹パンしたい。

 えー、私ただ今拘束されています。後ろ手に縛られた拙者のパッチリお目々の前ではちょっと背の小さい、ぽっちゃりボディーがチャーミングなおっさんが決して人に向けては行けない非道徳的なアイテムを手に持ってクルクルと回転しています。


 「でで~ん、苦悩の梨ぃい~」


 勢い良く一回転、からの直立不動。アイテムを持った手を高らかに掲げ、ぽっちゃりさんは道具の名前を宣言した。見た目は取っ手のついた鉄製の梨。それは一体何に使うんですかねぇ~。うぶなオレには解からんで御座るよアハハ。


 「さらにさらに~、がみがみ女のくつわ~」


 さらに一回転して、次は別の道具を取り出す。どこから出した?満面の笑みで道具を取り出したチビデブに突っ込みを入れる。


 チビデブの表情が変わった。さっきまでニコニコしていたのが、楽しい時間を邪魔された子供の様な、不機嫌そうな表情に変化する。うるさいと、一言、そしてたった今取り出した道具をオレの頭に被せる。


 一応抵抗はしたが、このチビデブ、意外と力が強く、抵抗虚しく。この道具、簡単に言えば鉄製の轡である。しかし、轡の口の中に侵入する部分に刺がついていて無理にしゃべろうとすると舌や唇が傷つく仕組みになっていて厭らしい。


 ちくせう。このチビデブ、無茶苦茶性格悪いぞ。下手に喋れるくらいに緩められている分、自分の意思で言葉を発しない様にしなければいけない。これは意外と精神的にキツイぞ。


 「お次はお次は~」


 オレが喋ろうとしない事を良しとしたのだろう。満足気にチビデブは次の道具をあさり始める。回転しながら。アイツ、酔わないのだろうか?


 そして数十分。たっぷりとっくり時間をかけて、チビデブは持っていた全てであろう道具を地面に並べていた。予想外に、几帳面に並べていたのが面白い。笑えないんだけどね。


 「これペンチ、これネジ、これ車輪、これは縄、んでこっちは」


 ご丁寧に説明どうも。今更だが、こいつ結構可愛げあるな。まぁ、並んでるのが全部拷問道具じゃなかったら何ですけどねぇ。こりゃぁ参った、オシッコちびりそうだ。


 「モルデ。一応、五体満足で頼むぞ」

 「アラス、先っちょだけだから」

 「ダメだ」


 訂正、可愛げの欠片もありませんです。先っちょだけってお前、ここは連れ込み宿じゃないんだから。人の身体を性交渉と同じレベルで考えないで欲しいものです。そしてナイスだヒョロ眼鏡、たった今お前を小指の甘皮くらいには見直した。ついでに助けてくれたらもっと見直すぞ!


 「無駄な時間は嫌いなんです、さっさと済ませなさい」

 「そうだ、早くやれ。俺はこいつが泣いて謝るのが見たいんだ」

 「あい」


 あ、やっぱお前ら嫌いだわ。そしてチビデブさん、その手に持った物を下ろしなさい。後でアメちゃん上げるから。そんなでっかい挟みモドキで何をしようと言うのだね!?五体満足って言ってたでしょうに、馬鹿なの?


 お、っちょ?服を破くな!学生服って意外とするんだぞ!こんなポロりは嬉しくねえっすよ!?もうちょい色気のあるポロりを!オレはリョナラーじゃ無いんだよ!

 ましてや鋏モドキを胸に押し当てられて喜ぶドMでもねぇんだよ!おっぱいポロリ(物理)ってシャレになんねぇんだよぉおおおおおおおおお!

 誰か!誰かヘルプミィイイいいいいいい!


 「ってぇえええええええええ!」


 めっちゃ痛い。このハサミ、刃は潰されてるけどめっちゃ胸が潰されて痛い。乳癌の検査はめっちゃ痛いって聞くけど多分こんな感じ!泣きそう、暴力に屈しそう。

 おまけに、叫んだせいで舌と唇に刺が刺さってダブルパンチ!


 早く放せっておい!チビデブめ。ハサミをネジで固定して開かない様にしやがったぞ。あかん、心折れそう。


 「よし、次だど~」


 よしじゃねぇっつうの!ナニコレ?まだ乱暴する気なの?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!ってリョナ物のエロ同人なんてオレの息子はピクリとも反応しないんだよ。家出息子だけど!


 あかん、痛みを誤魔化そうとテンションに任せてのたうち回ってみたけどハサミが無駄に揺れて余計に痛いだけですわ。そしてチビデブ、何気にオレの足に新しいアクセサリーをつけようとするんじゃない。


 次のは形状でもろわかりだね。きっとそれで足の指を挟んで痛めつけるんでしょうね。マジで止めろ。オレはそろそろ怒るぜ?だいぶ魔力回復してきたし。魔法で三人衆纏めてぶっ飛ばしてやんよウェへへ。


 「あれ?」

 「念のため、魔法を妨害する結界を張って置きました」


 眼鏡クイってすんなぁああああああ!イチイチ腹立つんだよ!ホントに厭らしい男だよ君は。人の嫌がる事をしまくりやがって、お前とは桃鉄とか絶対やんねぇえからな!ボッチにしてやるから、覚悟しとけよ!


 「んんんんんん!」


 チビデブ、人が睨んでいる時に拷問を進めるのは止めなさい。そしてネジを回す手を止めなさい。爪が指の肉に食い込んで痛いのですよ、貴方にはよく解るはずでしょうに。


 必死に、足をばたつかせ指を挟む板を振りほどこうと藻掻く。当然、性根の腐ったチビデブがそんな軟な調節をするはずもなく、外れる気配は無い。


 「泣いて許しを請うなら考えてやらん事もないぞ」


 ニチャリと粘着く笑みを浮かべ、ガッツが問いかける。謝って介抱されるなら謝るんですけどねぇ。え、暴力には屈しない?そんなモノは安全圏にいるバカの理屈ですよ。


 でもねぇ……この筋肉、オレが喋れない状態なのを知っているですよ。考えるも何も、初めから止める気無いじゃないですかヤダー。きっと謝った所で「何を考えるかは言ってない」とか言っちゃうタイプですよコイツ。


 「ふぅ~、ふぅ~。つ、次いくどぉ~」


 そしてチビデブがキモイ。

こんな話を書きましたが、私は決してリョナリストではありません。

頭を空っぽにして書いた結果こうなっただけで、私は決してリョナリストではありませんので悪しからず。

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