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君に月が綺麗ですねと言わせたい。~非リアな彼女たちは、能力者!?ただし、リア充になると無能力者に・・~  作者: 天城


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第1話 5回目の告白への道中

今年も、月に一度のイベントがやってきた。


今年で5回目。


今回は趣向を凝らして、文学風の告白×夜の海岸という、なかなか風情のある構成でいくつもりだ。


何を隠そう、これで5回目の告白なのだから。


これで成功しなかったら、もうどうすればいいのか分からない。


これから告白しに行くみおからは、さっきlaneで「もう着いてる」と連絡があった。


本当は俺の方が30分前に着く予定だったのに、先に着かれてしまった。


今回こそ良い返事をするために早く来ているのか。


それとも、またいたずらな笑顔を浮かべて俺の告白を断るために、わざわざ早めに来ているのか。


……どっちなのかは、なんとなく察しがついてしまう。


1回目と2回目の告白は「普通すぎてつまんない」と笑われた。


次はフラッシュモブを使った大がかりなものにしたら「他人の力を借りるのはダサい」と一蹴された。


極めつけは、街の中心にそびえ立つ《アーク・ルミナス・タワー》の最上階。

あれでいけると思ったのに、「なんか違う」と言われて終わった。


もう、どうすればいいんだ。


昔は、あんなにも素直で可愛かったのに。


そもそも、最初に告白してきたのは澪の方だった。


幼なじみだった俺と澪は、幼稚園も一緒、家も隣同士。


親の働く場所まで同じで、あの《アーク・ルミナス・タワー》に併設された研究所で働いている。


そのせいで、同じ時間に両親がいないことも多く、自然と二人で遊ぶようになった。


澪の髪は、夜でも目立つほど綺麗な白髪のロング。


グリーンの瞳は宝石みたいにきらきらしていて、幼稚園の頃から将来が約束されていると言われるほどの美形だった。

そんな澪になぜか好かれていた俺は、何度も告白されていた。


そのたびに、俺も照れながら返事をしていたのに、

中学生に上がる頃、澪は突然引っ越してしまった。


《アーク・ルミナス・タワー》で起きた事故が原因だという噂は聞いた。


でも、本人からは何も聞いていない。


そして高校生になり、澪の存在が少しずつ記憶の奥に薄れてきた頃、

今度は澪の方が突然、同じ学校に転校してきた。


俺たちの高校は、未婚者が集められる学校で、最近の情勢もあって一学年二クラスしかない。


そんな場所に現れた澪は、まるで絵画のような美人に成長していた。


白髪も、緑の瞳も、目元のほくろも、昔より洗練されている気さえした。


唯一変わっていなかったのは……胸だけだった。


そんな彼女がまだ未婚だという事実にも驚いたが、

それ以上に驚いたのは、澪が「昔、私が告白したことなんて知らない」と言い出したことだ。


子供の頃の話だし、仕方ないかと思ったが、

俺が他の女の子と話すと不機嫌になるし、

「なんで告白してこないの?」と急かしてくる。


そんな謎の変化を遂げていた。


挙げ句の果てに、

「一ヶ月に一回は告白して。しないと恨むから」

と宣告され、今に至る。

こうして月一のイベントが始まったわけだ。


俺も俺で、いつの間にか澪のことが本気で好きになっていたから、

グダグダと告白を続けてきた。


でも、そろそろ決めたい。


そう思って、今回の策を思いついたのだ。


そんなことを考えているうちに、駅から徒歩十五分の海岸が見えてきた。


この時間帯では、さすがに人はほとんどいない。


まさしく、告白日和というやつだ。


海岸には、夜でも光って見える白髪をなびかせた少女が立っていた。


――今日こそは、決めてみせる。


そう思いながら空を見上げると、月は雲に隠れ始めていた。


嫌な予感が、胸をよぎる。


……急がなければ。

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