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第二話 公園らいふ!①

 「わ〜〜!遅刻!遅刻!なんでお母さん起こしてくれなかったの〜泣」

そう言って真衣はドタバタと家の中を走り回る。

ママは呆れた顔で

「もう何度も起こしたわよ。だから昨日早く寝なさいって言ったのに、、」

ママのお小言が長くなりそうだったから、話に割って入って

「わかったからー!その続きは帰ってから聞く!」

パンをくわえながら玄関へ向かった。

「よし準備できた!それじゃ行ってきまーす!」

お弁当をママから受け取って、私は今日も元気に家から飛び出した。

 


「もーー!時間ないのに信号ひっかかりまくりだし、もう間に合わない〜、」

私は信号を睨みつけた。

スマホの時計を見る。

時計は8時29分を指していた。

私の学校は8時30分までにつかなければいけない、それを過ぎてしまうと遅刻になり生徒指導の先生に捕まってしまう。

彼女の現在地は学校まで頑張っても6分はかかってしまう。

「無理!絶対無理!間に合わないよ〜、」

私は考えた、どうせ怒られるなら遅れて行っちゃおうと。


決めたら即行動の小野寺真衣を止める者はもういない!

「よし今日はもうサボる!サボっちゃうもんね!」

そう決意して私は、学校と反対の方向に自転車を漕ぎ出した。



「とは言ったものの、どこ行こうかなぁ。旭ヶ丘公園(あさひがおかこうえん)とは逆の方向に来ちゃったし」

何も考えずに自転車を漕いできた私は、山沿いの住宅街に来ていた。

「ここら辺なにあるかわかんないし!なんならちょっと迷った!」

そう後悔しつつも冒険みたいで、私がちょっとうきうきしていたのは隠しておく。

「ほんとにわからなくなったらマップ見ればいいし、もうちょっとうろうろしてみよ!ぼーけんだ!ぼーけん!」

持ち前のなんとかなる精神で好奇心のままどんどん住宅街を進んで行った。



自転車を漕いでいると山沿いにある綺麗に整備された公園を見つけた。

「なのはな広場」という名前らしい。

自転車を止め中に入った。

名前の通り菜の花がたくさん咲いていてとても綺麗だった。

菜の花をツンツンしてみたり、匂いを嗅いだりした。スマホで検索したら2月から4月頃がピーク時期らしい。今は5月だけどまだ咲いていたギリギリ間に合ったらしい。次いつ見れるかわからないから、目に焼き付けるようにじっくりみた。一枚だけ写真も撮った。


はなうたを歌いながら菜の花をみた後、ぐるっと公園を見渡してみた。

「あれ。私ここ来たことあるかも!」

思い出した。この公園は私が小学生の時、何度か家族で遊びに来たことのある公園だった。

家からは遠くて少ししか遊びに来たことがなかったので、私はすっかり忘れていた。

この公園はいろんな遊具があり、子供向けの公園だった

カラフルな遊具達が私を呼んでいる、、

高校生だし子供向けの遊具で遊ぶのは恥ずかしいよ、という理性と

私の遊びたい!!という欲がぶつかり合ったが、もちろん私は遊具に向かって走り寄った。


最初に目についた遊具はブランコ。

何年かぶりにブランコに乗った私は楽しくなって勢いよく漕ぐ。

もうちょっとで木の葉っぱに届きそうなぐらい高くなって、頭に葉っぱがぶつかる。

面白い感覚で楽しくなった。葉っぱに虫とかついてそうで、ちょっと怖くなったけど楽しいし、気にしないことにした。

そこからは立ち漕ぎしてみたり、横に揺れてみたり、小学生の時どう遊んでたか思い出しながら楽しんだ。

この時は私は思いもしなかった、まさかあんなことになるなんて。


「おえぇ、、めっちゃ酔った、、ブランコで酔うなんて、、おえ」

そう盛大に酔ってしまった、まさかブランコで乗り物酔いするとは思っていなかった。私は乗り物酔いしやすい、車も酔うし、電車はもちろん無理、新幹線も飛行機もジェットコースターも全部ダメ。なんならエレベーターも少し危ないレベル。

だけどブランコでも酔うなんて思ってなかった。

私は自分を情けなく思いながらベンチで一人横たわり、吐き気と戦いながら落ち着くのを待った。


やっと吐き気が治まってきた私はもう二度とブランコに乗らない、そう固く決意した。体調が戻ってきた私はまだまだ遊ぶつもりだった。

次は何して遊ぼうかと辺りを見回す。

次に目に入ったのは、鉄棒。

まだ若干気持ち悪さが残っていたので次は歩いて行った。


小学生の頃、謎に大得意だった鉄棒。

「よくわからない技を永遠にやってたなぁ。懐かしい〜!」

とりあえず手始めに前周りをしてみる。

「よっ、、、お〜!できた!やるじゃんわたし。」

小学校以来の鉄棒っだったけど思ったよりもできて感動した。

「お〜!楽しいかもこれ!」

だんだん楽しくなった私は逆上がりや他の技もやってみた。


「おえぇ、、、うそ、鉄棒で酔うの私、、」

私はまたベンチの住人になっていた。次は回りすぎて酔ったとか情けなくてしかたなかった。

「私の三半規管終わってるよぉ、、おえっ、」

手に残る鉄臭さが追い討ちをかけてくる。吐き気と戦い、治るまで大人しくしてた。


「ふっかーーつ!!」

完全復活した私はさっきまでの吐き気を忘れ

「次は滑り台しよ!」

そう言って走って行った。

もうこの時には、最初に戦っていた理性など綺麗さっぱり消えていた。


たこさん型の滑り台に登頂!

「お〜!、、あれ、?」

上に登った時、思ったより低くて驚いた。この滑り台は子供用の割には高くて、斜面が急で、怖かった記憶がある。

でも全然怖くなかった。

自分が成長したことを実感させられた。

小学校の頃はスリル満点!最高!って思ってた、

だけど滑り台は昔ほど楽しくなくて、少し寂しい気持ちになった。

まぁ三回は滑ったんだけどね。

もう一回ぐらい滑ろうと思ったけど、また酔ったら嫌だったから抑えておいた。


この公園には他にも遊具がたくさんあって、足が余裕でついちゃう雲梯(うんてい)とか狭くて中を通ることができないジャングルジムとかいろんな遊具で遊んだ。

あまりにも小さくて面白くて、それがなんかおかしくてずっと笑ってた。


「うーん結構楽しんだなぁ、他に何しよう。」

大体の遊具は遊び尽くしたので迷っていた。

「あっ砂場あるじゃん!久々に砂遊びしてみよっかな」

砂場を見つけた私はすぐ砂場に行こうとしたけど、いったん休憩することにした。

自分の自転車まで戻ってカゴの中にある鞄から水筒を取った

「ぷはー、流石に少し疲れたー、!」

勢いよく飲んだから、お茶が少しこぼれた。

それを腕で拭った。

お気に入りの猫柄ハンカチで拭こうと思ったけど、今日は朝急いでたから忘れたみたい。

昨日友達からもらったブドウ飴あるの思い出して舐めた。


エネルギーチャージした私は腕まくりをして砂場に向かった。


公園らいふ!② 終わり






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