第一話 まぃらいふ!スタート!
『きょうの日中の最高気温は24度、、』
ニュース番組を流し見ながら、朝ごはんのトーストを頬張った。
その後は顔洗ったり、制服に着替えて身支度を整えたり、準備する。
最後に鏡の前で髪をキュッと結んだら完璧。
ママからお弁当もらって、「いってきます!」そう言って元気に足を踏み出した。
と元気よく家を出たものの、今日はなんか気分がのらないんだよね。
「天気よしっ!気温よしっ!体調よしっ、、、うーーん。」
元気に指差し確認をしてみるが、やっぱり気分が乗らない、心が学校に行きたがってない。昨日先生にめっちゃ怒られちゃったしなぁ。やだなぁ、、。
「、、、決めた!今日はがっこーサボろ!今日はサボりデイだ!」
今日は天気もいいし、気温もちょうどいい。それなら行くところは決まってる。
私はニヤっと笑い、本日二度目の「いってきます!」を近所迷惑にならないぐらいの大きさで言った。
住宅街を抜け、河川敷を自転車で走る。
同じ制服の子達と同じ方向に向かってるのに、私だけ目的地が違うって変な気分になる。たまーによそ見して道端に咲いてる木や花をチラッと見て春になったなぁ、と思ったり、ここに新しいお店できてる。とか、そんなこと考えながら目的地に向かった。
そうして自転車を漕ぐこと約10分ー
「着いた〜!」
着いた場所は、「旭ヶ丘公園」
ここらへんでは一番大きな公園で、自然も多い。何よりこの大きくてお屋敷みたいな建物が有名。歴史あるものでとてもこの公園はとても綺麗に整備されてる。
公園の脇に自転車を置いて、少し汗ばんだ額をお気に入りの猫柄ハンカチで拭いた。
公園に入って、建物の裏に回って奥に進んでいく。そうしてついた場所が私のサボりスポットだ。
綺麗に整備された芝生、ちょうどいい日陰、静かであまり人が来ないこの場所、
あまりにも完璧なサボりスポット!!!
まるで私だけのために作られた世界。私は盛大にねっ転がる。
ねっ転がると私の視界には、青い空と白い雲しか映らない。
視界の端で風に揺れた葉っぱが見えたり、たまにちっちゃい虫とか鳥が通って行ったり、私も自然の一部になった気分になってとっても面白い。
さらりと通り抜けていく風がたまらなく好き。
空気が暖かくて、でも地面はひんやりしてて、気を抜いたらすぐ寝てしまいそう。
「あ〜ここは天国〜そうに違いない〜、、」
私は大きなあくびをする。
ちょっと離れたところにカラスがいたから、少し体を起こして話かけてみた。
「ここいいよね。私もお気に入りなの、もうちょっとだけここ借りるね。」
カラスはそっぽむいてトコトコ歩いて行ったけど、なんとなく許された気分がして、ちょっと笑顔になった。その後ちょっと恥ずかしくなって周りをきょろきょろしてみた。まぁ誰もいなくてホッと胸を撫で下ろした。
その後もぼーっと空を見てダラダラ過ごす。
「この空のいろ好きだなあ、絵の具で何色混ぜたら完璧に再現できるんだろ〜」
「雲って案外早く流れてくな〜、あっ!さっきのあの雲もうあそこまで行ってる。」
「猫の形に似てる雲ある!写真とろ〜♪」
そんなことをずっと一人で考えてる。
イヤホンつけて好きな曲のプレイリストをずっと流してみたり。
頭の中のことを整理して、心の中にすとんと落とし込める。
そしたら、嫌なことも全部どうでも良くなっちゃうんだ。
あの時失敗したから、学べたし逆にラッキーかも?とかどんどんポジティブな心になってくる。先生に怒られたことも全部消化できた。
その後はめっちゃ可愛い花を見つけたからスマホで検索してみたり、写真撮ってみたりした。
お弁当のつまみ食いしようとしてお弁当開けたら、私の大好きなコーン入りのハンバーグが入ってた。それみたら友達と一緒にお弁当食べたくなっちゃった。つまみ食いするのをやめてお弁当を鞄にしまう。
「よし、そろそろ学校行こっ!」
私は勢いよく立った。鞄を持って自転車を置いてあるところまで走っていく。行く途中にカラスがいたから、「ありがとねっ」手を振った。人違いならぬカラス違いだったら恥ずかしいけど、違かったとしても、さっきのカラスくんに伝えてくれるよね!
そんなふうに一人で想像を膨らませながら走って行った。
日がキラキラと差し込む、街路樹は風になびきサワサワと揺れる。そんな風景を眺めながら今日のサボりデイに満足した私はニコニコと笑う。
私は自転車のペダルを強く踏み、元気よく学校に向かった。
これは私、小野寺真衣の日常を描いた話小野寺真衣。《まぃらいふ!》なのだ。
終わり。