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文学

動力転送装置

作者: 緋西 皐

どこかの国では動力転送装置があるようで、無能であろうとその眠るばかりの時間を謳歌できるようである。


動力転送装置とは三大欲求の転送を意味しているらしい。

機械が仕事を自動化させたように、その欲求も自動化されていく中で見つかった社会システムでもあるようです。


使われ方としては別に機械がその仕事を受けてもいいのですが、いわば有能な人間、才のある生産的な人間が無限に動けるようにと、代わりに誰かがその必要不可欠な欲求を負うのです。


これによりますと天才は眠ることなく、食べることなく、また情欲に惑わされることも無く、ずっと集中して物事に取り組むことができ、人類の発展へ効率的に貢献できると言われています。


逆に今まで無駄に惰性に生きてきた、生産性のない愚民共は彼らの代わりに欲求を発散するようです。

請け負った天才の分だけ愚民は眠り、食べ、行為をする、なんと素晴らしいシステムでしょうか。


しかしながらこのシステムのことを当の人々が知ることはないようです。

生まれながらにして才能あるものは、まるで不老不死の如く、不眠不休で働いており、生まれながらにして発散に生けるものは、まるで悠久の如く、欲望にまみれております。

両方とも互いに見合ったことは無く、その存在すら知らされていません。


この環境が当たり前だと、彼らは慣れ親しんでいるのです。


何をするべきかわかって産まれてきた彼らは迷うことなく、謳歌していることでしょう。

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