未知の世界に
悩ましいね。NOW AND THENは悩ましい。ジョン・レノンがいないという悲しい現実だけが突き付けられるからね。本当にジョンがいないのが悲しい。素直に喜べない。ジョンがいない喪失感。これがジョン・レノンのファン、ビートルズのファンが長年思っていることだと強く思う。
ジョン・レノンがいないビートルズは、どう考えたってビートルズではないんだ。例え残されたデモ・テープのジョン・レノンの声を取り出したとしても、かえって悲しみや苦しみが増すだけだ。気休めにすらならない。やり切れないこの気持ちに薄っすらと怒りが込み上げてくる。新曲はポールが望んたことだと思うよ。だけどね、やっとビートルズと決別して、これからという時にジョンは、この世から去ってしまった。ファンたちは、いつだって『もしジョン・レノンが生きていたらビートルズの再結成をしていたはずだ』と言いたがるし思いたがる。でもね、ジョンは『いい加減にしろ! もう目覚めてくれ! ビートルズは終わったんだ! 僕はただのジョンだ! ビートルズの再結成はないんだ!』と言って死んでいった。だから僕は、ジョンが最後までビートルズの再結成を否定していたジョンの言い分を支持したいし理解したいね。ジョンの肩を持ちたい。ジョンはビートルズを導いたビートルズのリーダーであり、ビートルズというバンドを作ったのはジョンだからね。ビートルズの絶対的な存在がジョン・レノンだからね。
本当に難しいね。今回のビートルズの新曲は、とても難しい。判断に悩むよ。今回の新曲は前回の『フリー・アズ・ア・バード』と『リアル・ラヴ』と違ってね、喜び方が分からない。前回は喜んだよ。鼻水垂らした子供だったからね。だけど今回は『本当にこれは素晴らしいことなのか?』と何度も問いかけている自分がいる。当然ながら、現実的に言って、ジョンがいないのにビートルズの新曲というのには絶対的な無理がありすぎるからね。喜ぶ事に躊躇いと躊躇があるんだよ。
ただし、僕の心の中で、前に書いたビートルズの夢※1で『ビートルズを送り出す、送り届ける』、『ようやくビートルズの幕が降りる』という心の声が凄く引っ掛かるんだよね。
ビートルズの幕が降りる歴史的瞬間の現場に立ち会う、という感じにも支配されているんだよね。舞台から去りゆくビートルズを見届けるという感じかな。不思議な感覚があるのは事実なんだ。
やはりね、今回もビートルズの新曲として発表されてしまった(笑)、NOW AND THENの、この先を見たいし知りたいね。今はそれが1番に思っていることかな。
まだ、もう少しビートルズの新曲、NOW AND THENについて考えたい。
ちょっと待って、あと、もう1つだけ。いやいや決してコロンボの真似じゃないよ(笑)
11月10日に発売される『ビートルズ 青盤エディション2023』にNOW AND THENが収録されるけれど、ひょっとしたらさ、ひょっとしたら、そちらにはBメロがあるのかもしれない! あったら面白いよね。1番の聞き所がBメロだからね。Bメロがあったらさ、いくらか気持ちが救われるかもしれないし、楽になるかしれないし、ならないかもしれないし、分からないかもしれない。
つづく
※ビートルズの夢 第3話です。
読んでくれて、どうもありがとうございます! まだまだ新曲については色々と考えたいです。