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サンフランシスコで見たレット・イット・ビー

3年くらい前にビートルズの映画『ゲット・バック』が公開されました。この映画の元はビートルズの解散後に公開さた映画『レット・イット・ビー』です。当時は世界的に話題になりました。僕が初めて18歳の時にビデオで、この映画を見た時の印象は、なんとも侘しく暗く悲しい映像の数々に泣けてね、憂鬱な気持ちで見終えた記憶があります。


当時ジョン・レノンはサンフランシスコで映画『レット・イット・ビー』を見ました。1970年の、その時のインタビューを見つけたよ。ジョンは、ビートルズの崩壊、ビートルズの解散、ポールについての話をしますが印象深い。ジョンはポールに対して率直に語っています。


なぜビートルズは解散したのか? ジョンはビートルズの解散原因のひとつを話していますが、実は、もっと凄い話もあるのです。その凄い話も、いつか書きたいです。ただ、あまりにも生々しいので、もう少し、時間を置きたいんだ。


結果的にジョンはビートルズを脱退して良かったと思うよ。あのままビートルズにいたらジョンは生きる屍になっていただろうからね。今回は、一部分だけです。





インタビュー

サンフランシスコで映画『レット・イット・ビー』を観たそうですが、どんな感想を持ちましたか?


ジョン・レノン

「悲しかった。それに……あれはポールがポールのために準備した作品なんだって思った。ビートルズが終わりを迎えた理由のひとつがそれなんだ。ジョージの代弁をすることはできないけど、でも僕たちがお互いにポールの脇役をやらされることにウンザリしていたってことは間違いないね。マネージャーのブライアン・エプスタインが死んだ後、そういう状況になったんだ。カメラはポールだけを撮影するようにセットされ、残りの3人はあまり撮らないようになった。僕はそう感じたね。それに加えて、その撮影テープを編集した連中も、まるでポールを神様のように扱っていたんだ。僕たちなんか、そこら辺にゴロゴロ転がっているだけの存在みたいだったよ。それからヨーコと僕のショットがカットされてさ。もううんざりしたね」


インタビュー

ビートルズの崩壊をどう振り返りますか?


ジョン・レノン

「ブライアンが死んで、僕たちは崩壊したんだ。ポールがブライアンの役割を引き継いで、バンドを引っ張っていったってことになっているんだけど。でもそうは言っても、同じことを繰り返していただけじゃないか。その時点で僕たちは終わったんだよ。それでバンドはバラバラになってしまったんだ」


インタビュー

あなたがビートルズが崩壊したと感じたのはいつでしたか?そして崩壊するんじゃないかと感じ始めたのはいつ頃だったんですか?


ジョン・レノン

「覚えていないね。僕は自分の問題でいっぱいいっぱいだったから。ブライアンが死ぬまで、そういうことにはまだ気付いていなかったと思う。仕事みたいな感じで音楽活動をこなしていたからね。ビートルズはブライアンの死後に崩壊したんだ。それから『ホワイトアルバム』を作った。このアルバムではどの曲も「これは僕の曲、これはジョージの曲」とハッキリ区別ができるような作品になったんだ。僕としては、そのやり取りが結構気に入っていたんだけどね。でも、その時には残念ながらビートルズというバンドは完全に崩壊していたんだよ」


インタビュー

ブライアンの死後、ポールがマネージャー役を引き受けようとしたんですか?


ジョン・レノン

「そう。このことをどれだけ公にしたらいいのか、自分でもまだよくわからないんだけどね。ポールは今でもそうだけど、まるで僕たちの親になった気分でいるんだ。そしてブライアンの死後、ポールのおかげで、ビートルズが存続できたことに対しては感謝すべきだと思っている。でも当時のことを客観的に今振り返ってみると、アイツはアイツ自身のためにビートルズを続けていただけなんだよ。それとも、僕のために、ポールは苦しんだりしてくれたんだろうか? ポールはまるでブライアンが死んでなんかいないように『さあさあ、次のアルバムを作ろうか』とか言ってバンド活動を続けようとしたんだ。それで僕はこういう鈍い人間だから『まあ、アルバムを作るぐらいならいいかな』と思ってポールと一緒にアルバムを作ったんだよ。その時に作ったのが『マジカル・ミステリー・ツアー』だったんだ」





フリー・アズ・ア・バード

リアル・ラヴ

ナウ・アンド・ゼン


ビートルズの新曲ではない新曲の発表も、ポールは自分自身のためにやったことなのかもしれないね。


1994年のニューヨークにいたポールの話をします。ポールはニューヨークの空港にいて、空港で働く職員に「ポール、近いうちにビートルズの新曲を出すとか?」と聞かれて「ああ、そうだけど」とポールは答えたんだ。すると、その職員は「はっきり言っておきますがね、ジョン・レノンのいないビートルズの新曲なんて新曲じゃないですから。ジョン・レノンのいないビートルズはビートルズじゃない」と強い口調で言ってきて「君は何も分かっちゃいない」とポールは返したんです。


本当に難しい話です。ビートルズのファンが真っ二つに割れる意見だと思う象徴的な会話のひとつだと思うね。


「ポール、もうビートルズはそっとしておけ。終わったことを蒸し返すな。もう余計なことはするな」というのがジョン・レノンのファンの立場で「あーん、あーん、ポール。ジョン・レノンとの再共演だね。良かった良かった。嬉ピー」と涙ながらに語るのがポール・マッカートニーのファンだとは思うね(笑)





つづく




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