ジョン・レノン独学について語る
最近、本当に、よく思うのはね、尾崎豊さんはポール・マッカートニーの百万倍は優れた歌詞を書く偉大なミュージシャンだということなんだよね。メロディーでもポールより優れていると思うよ。尾崎豊さんの音楽は歳を重ねるごとに意味を持ち、更に意味が深くなり、心が揺さぶられるけれども、ポールの音楽ってね……、マジで本心から言うけれども、ほとんどの曲は歌詞の中身が無くて軽い。音楽的にも柔で芯がない感じに聞こえる。ソロだとビートルズ時代よりも歌詞が良くないし軽い。そう、それがポールの最大の弱みであり欠点なんだ。冷静に読むとね。対して尾崎豊さんの歌詞は本当に素晴らしいと思う。ジョン・レノンもポールの歌詞を、結構、昔から非難していました。「ポール、ちゃんと真剣に歌詞を書け!」とね。
「尾崎さんの歌を歌うって事が僕にとって、自分の生命哲学に一番ピッタリとした表現をすると言うことに繋がるんですよね。やっぱ、他の人の音楽だと駄目なんです。尾崎の歌じゃないと、そうゆう、生きることの難しさ、しかし、だからこその、愛おしさを表現できないですよね……。あんなアーチストは、そんなに出ないと思いますよ。百年に1人どころか、二百年、三百年に1人くらいしか出ないアーチストかもしれないです」と茂木健一郎さんという脳科学者は言っていたけど、本当にそうだと思うね。
昔、尾崎豊さんが子供の頃に住んでいた家の2階に、尾崎さんの部屋があったんだけど、尾崎さんの本棚には「ジョン・レノン詩集」がありました。つまりね、尾崎豊さんもジョン・レノンが好きだったんです。
本棚の横にある机には「I LOVE YOU」と何かで彫った跡もあります。まだ名曲「I LOVE YOU」が誕生していない時に尾崎さんが彫ったんです。ちなみに「I LOVE YOU」は尾崎さんが僅か30分で作った曲でもあります。
かなり厳しい言い方をするよ。ポールはね、あまりにも、ちょっと歌詞が悪すぎる。特にソロがね。ビートルズ時代は隣にジョン・レノンがいたから歌詞がシュッと引き締まっていて緊張感もあった。やはり、ジョン・レノンがいないソロのポールは緊張感に欠けています。ポール自身も、おそらく自分で気付いていると思う。ジョンがいないと良い曲も歌詞も出来ないとね。逆にジョン・レノンの歌詞は凄すぎて凄すぎて凄すぎて。ポールの歌詞は誰でも書けるものだけど、尾崎豊さんやジョン・レノンの歌詞というのは誰も書けないレベル、高み、普遍性、浪漫、皆の心に寄り添うという愛情深い歌詞なんです。ポールはメロディーは素晴らしいけど、ただそれだけの話だからね。まあ、ポールはメロディーを優先するミュージシャンだと自分で自覚しているとも思います。僕個人はメロディーより歌詞を絶対に優先するね。ポールは表向きの愛想が良いけど自分を隠すからね。本音や本心を語らないし晒さないからね。何を考えているか分からない怖さがある。そこがキーポイントなんだはと思うよ。
話は変わってね、ジョン・レノンは独学で作詞、作曲をマスターしました。ボーカルもギターもね。全て独学です。独学はね、もの凄く素晴らしい事なんだよ。『独学は偉人を生む』という言葉通りなのさ。
形にハマった音楽や芸術ってね、良くないね。退屈だと思うよ。例えば美大受験の絵を勉強して美大に合格したのはいいよ。良いんだけども、周りの生徒と全く同じ画風だらけという惨めな皮肉と滑稽な結果でもあるという現実でもあるんだよ。どの美大生も似たような絵ばかりを描くという恐ろしい光景に出くわす。石膏デッサンによる美大受験は弊害があるという事なのかもしれないんだ。
インタビュー「美大についてどう思いますか?」
池田満寿夫「美大は才能のない連中が行くところ」
と池田満寿夫はキッパリと言い切っています。
「僕は子供の頃からラファエロみたいな絵を描けた。子供の様な絵が描けるようになるまで一生掛かったんだよ」とピカソは言っています。
形にハマる。コレってね、もの凄く、もの凄〜く、悲しくて苦しい事でもあるんだよ。形にハマるってね、パッションじゃないから。エモーショナルでもないしね。形ハマるってね、相手の顔色を窺うという事なんです。自分を殺して相手の言いなりになるという事です。
自由になるために音楽や芸術は存在しています。形にハマれば絶対に自由になれないんだよ。自分自身にもなれないんだ。
「僕は形式や形というものを信じていない」とブルース・リーも言っています。
このエッセイを愛読してくださる皆、今から本当に貴重な話を書くよ。
ジョン・レノンが音楽活動を辞めて隠居していた1975〜1980年の5年間、ジョン・レノンがニューヨークの自宅のダコタ・ハウスで知人と話した時の会話についてなんです。本当に貴重な内容です。
時は1979年の春。知人R氏がダコタ・ハウスでジョン・レノンと話した時の会話の内容です。
「ジョン・レノンは僕の将来の計画について訊ねた。僕はジャーナリストの修士課程を習得しようと思っていると言って近いうちに学校に戻ろうと思うとジョン・レノンに話したら、ジョンは鼻で笑った。「真剣にジャーナリストになりたいと思うなら、ひたすら書くことさ」とジョンは言って僕を強く見つめて更に話を続けたんです。「学校に通うことは目的への後退にしかすぎない。それこそ“通俗な教育機関”という安全性の逃避だね。僕の元で働いている方が、よっぽど勉強になる。何しろ測りしれないほど貴重な“第二の教育”を受けているんだから。“流れに素直にしたがう”術を学べば、新たな知識を得るという素晴らしい機会に恵まれる。そこではじめて、“宇宙のエナジー”を取り入れることが可能になるんだ」とジョン・レノンは言ったんです」とジョン・レノンのある知人R氏の話。
という事なんです。
つまり、自由になれ! ということさ。まだまだ深く話したいところだけど、またという事にするよ。
続くぜ
ありがとうございます。