表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

NOW AND THENが聴こえてくる

『NOW AND THEN』。


2023年11月2日、日本時間の午後11時に、遂にビートルズの最後の新曲、、、、、といっていいのかは、正直、ちょっとよく分からないけれどもさ、世界同時初公開、11月17日には発売されてしまいます。


僕はおめでたい人間ではないし、凄い凄いと崇め奉って、相手にゴマすりや、おべっかを使って褒めそやす人間には成り下がりたくないので、客観的に現在地と現実を見極めたい感じで『NOW AND THEN』を静観している感じだよ。


ビートルズが解散して半年後にジョン・レノンはインタビューを受けています。生々しい貴重なインタビューです。ビートルズについて本音で語ったジョンの姿には一大決心が漲っていて、クールに語り尽くしています。


僕は12歳の時にビートルズよりも先にソロのジョン・レノンの全アルバムを深く深く聴き込んでしまった。それが良かったのか、悪かったのかは、わからない。


ビートルズのジョン・レノン、ソロのジョン・レノン。この、、距離、違い、はあまりにも大きい。ソロのジョン・レノンは明らかにビートルズとは別の声と音を奏でているからね。ソロのジョンの自由奔放なシンプルな世界観に心惹かれているのもあるんだと思うんだ。



ーインタビュアー「『僕はビートルズを信じない』(※1)という最後のフレーズは、いつ浮かんだんでしょうか?」


ージョン・レノン「そんなことはわからないよ。信じていないものをすべて吐き出しているだけだからね。だから、いくらだって出し続けることもできたんだよね。クリスマス・カードの送り先リストを作るみたいにね。『誰のところで終わりにすればいいのかな? どこかで終わりにしないといけないな』と思ったんだ。どうして最後に『ビートルズを信じない』と入れたかというと、ビートルズは1つの伝説にしかすぎないんだってことがわかったからさ。だから、僕はビートルズを信じていないんだ。もう夢は終わったんだよ。ビートルズだけじゃないよ、僕たちの世代全体について言っているんだ。夢は終わったし、僕たちは、そして僕個人も、現実というものと向き合わなきゃならないんだ」


ーインタビュアー「ビートルズについては、メンバー自身の口からも『ひとりの人間が4つに分かれたようなものだ』と言われてきました。今年の4月にポールがビートルズからの脱退を正式に発表しましたが、現在、その4つのパーツの間に何が起こっているのでしょうか?」


ージョン・レノン「まずは、自分がひとりの人間だってことを、4人とも思い出したんだよ。つまり、僕たちもかつてはビートルズが作り上げた伝説ってやつを信じていたってことなんだ。今でも他の3人が信じているのかは知らないけどね。でも、本当は僕たちは、ただの4人の男にしかすぎなかったんだよ。ビートルズ結成前にポールに出会った時、僕が聞いたんだよ。『俺のバンドに入る気ない?』ってね。それからジョージが加わって、リンゴが加わった。ビートルズは、ただ単にたまたま……モノ凄く成功したバンドだったっていうだけなんだよ。でもね、ビートルズの最高の作品は、アルバムとしては1枚もリリースされていないんだ」


ーインタビュアー「どうしてですか?」


ージョン・レノン「僕たちはもともと凄いパフォーマーだったからだよ。地元のリバプールでも、ドイツのハンブルグでも、有名になる前はどこのダンスホールでもそうだった。僕たちはストレートなロックを、最高の演奏でやってたんだ。イギリスで僕たちとライヴで張り合えるバンドなんて他にいなかった。でも、成功を手にした途端、あの頃に持っていたエッジやヤバさを失ってしまったんだよ。ブライアン・エプスタイン(※2)が僕たちにスーツを着せたり、いろいろイメージ戦略を練ってたりしてたのは知ってるだろう? それで僕たちは大、大、大成功した。でも、それは身も心も、金に売ったようなものだったんだよ。デビューして、イギリスでライヴ・ツアーに乗り出す前から、すでにビートルズの音楽は死んでたんだよ。あの時、すでにクソみたいな気分になっていた。それまで楽しんでやっていた1〜2時間のライヴを、売れてしまったために、たったの20分に縮めなきゃならなかったからね。そして毎晩ステージに出てっては、同じ20分をただひたすら繰り返したんだ。ミュージシャンとしてビートルズは、あの時に死んだんだ。だから僕たちは、その後、ミュージシャンとして成長しなかった。成功と引き換えに、成長することを捨てたんだよ。あそこで終わったんだ。ジョージと僕は特にそう感じてる。クラブでやってた頃の1961年、1962年が懐かしいんだよ。だって本当に音楽をやっていたのは、あの頃だったからね。時が経つにつれて、ビートルズは技術的に優れたレコーディング・アーティストになってしまった。でも、それはね、僕たちの昔の姿とはまったく別物なんだよ。でも、僕たちは多少は才能があったから、たとえライヴがちゃんとできなくなっても、周りから『優れている』と一般的に評価されるアルバムを提供することができただけでね」

 

ジョンの頭の良さはインタビューを読んでもらえると分かると思うけど、いかに自分の言葉で正直に語ることが大切かがわかるよね。作られた言葉や借りた言葉や、借り物の言葉や、宣伝紛いの言葉、人の言葉の受け売りなんかは全部嘘っぱちなのさ。


この1970年のジョンのインタビューはリアルだ。あまりにもリアルだ。


さてさて、新生『ビートルズの夢』の再投稿です。宜しくね!





つづく



※1 ジョン・レノンのソロアルバム第1弾『ジョンの魂』に収められている曲「GOD」のフレーズのこと。「GOD」はジョン・レノンの最高級のボーカルが聴ける最高峰の見事な曲でありリアリズムな曲です。特に「I just believe in me...and that reality(僕は自分だけを信じるよ それが現実さ)」というジョンの歌声を聴いてほしい。このジョンの声こそが全てのロックンロールの核であり真実でもあり優しさでもあるんだ。今日聴ける『NOW AND THEN』の前に聴いてごらん。ブッ飛ぶから。ただし、聴く勇気があればの話だよ。万人受けする曲ではないからね。めちゃめちゃ凄い曲だよ。


※2 ビートルズのマネージャー。ポールは「5人目のビートルズがいたとしたら、それはブライアンだ」と言っています。

ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] とても興味深く、また面白く魅せていただきました♪(●´ω`●) 続き楽しみです(*^^*)♪ 頑張ってくださいませ(o´∀`)b [一言] 人は好きなことをしているとき、 それに没頭して…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ