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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

短編小説

まえを行く人

作者: とり
掲載日:2023/07/21



 〇タイトルを変えました。(旧(きゅう)タイトルは、『よくあること』です)

 〇内容は、旧タイトルのときと、ほぼおなじです。





(どうすっかなあ……)


 学校からのかえりみち、レンタルビデオ店(てん)に寄ったのがいけなかった。

 たまたま出てきた客の男が、自分(じぶん)とおなじ方角(ほうがく)に歩いていったのだ。


 十六才の高校生である、A(エー)(仮名)は思った。


(ふたつ角(かど)をまがっても、まだあのおっさんが俺(おれ)とおなじみち)を行くんで、『まさか……』と思った。さらに三回(さんかい)目のわかれみちで、やっぱりおなじ方向(ほうこう)に行くんで、『あー、これ、長(なが)びくやつだわ』って思ったさ)


 ブレザーに手をつっこんで、Aはいらいらと歩いていく。

 なにがAをむかむかさせるといって、まえを行く人(ひと)(中年(ちゅうねん)の男。きっとこのひとも帰宅(きたく)中(ちゅう)だ)に、『うわっ。なんだあいつ、ずっとオレのあとつけてきやがる、ストーカーか?』って思われていやしないか、ってことだ。


(だ、れ、がっ、おまえみたいなおっさんのストーカーなんてするかっ)


 自分(じぶん)の勝手な被害妄想(ひがいもうそう)につっこみまで入れて、Aは歩(ある)きつづける。せめて、しぜんに追(お)い抜(ぬ)くことができればいいのだが。


 こっちが歩調(ほちょう)をはやくすると、あっちも歩調をはやくする。

 かといって、スピードをゆるめて距離をとるのもやるせなく、ではべつのルートに変更(へんこう)するかといえば、そこまで気をつかう道理もない。


(こうなったら……)


 A(エー)は走りだした。このいごこちのわるさから、はやく解放されたくて。

 走って、徐々(じょじょ)に男の背中(せなか)にちかづいて、

 包丁(ほうちょう)で刺(さ)して殺した。





 ※このものがたりはフィクションです。



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 読(よ)んでくれたかた、感想(かんそう)を書いてくださったかた、ありがとうございました。



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