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第1話 可哀そうなお姫様
とある国のお姫様。
そのお姫様は、可哀そうなお姫様。
お姫様はとある場所で生活している。
きっとこれから先も一生そこで生活し続けるのだろう。
そこには人は誰もいないのに、お姫様はロボットを人だと思って接していた。
人間はとっくに絶滅しているのに、まだ人類は生き残っていると信じている。
ある時ある時間、戦が起きて、
地下の奥深くに避難させれたお姫様。
他の人達は来られなかった。
みんな残って、戦って死んでしまったのだろう。
あの日以来、誰も来ることがなかった。
お姫様は長い間ひとりぼっち。
そんな可哀そうなお姫様は、いつか地上に出られる時を待っている。
家臣の者達が助け出してくれると信じている。
でも、ロボットには分かる。
地上の様子をサーチできるから分かる。
お姫様が助け出されるそんな時は、絶対にこないと知っている。
ずっとそのままでいるしかない可哀そうなお姫様。
なんて可哀そうな境遇だろう。
そのお姫様を世話しているロボットは、そう思った。