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移動中  作者: 鈴木明子
6/20

1月18日

駆け込み。

 こんな緊急事態中でも、電車の扉を目掛けて駆け込んで来る人はいる。

10分も待たずに、次の電車が来るというのに。時間に追われる、日本人の性というものなのか。

待ち合わせに、1時間以上遅れても、運命という言葉で納得させようとする国もあると聞いた。

運命も、多少は貴方がつくるのだよと言ってあげたくなる。

 今は、駅にエスカレーターができているところが多い。

階段を駆け上がることも、だいぶなくなった。

私は駅の階段で、忘れられない光景を見た。

私の前を、中年の背広を着たおじさんが、階段を降りていた。

階段の上の方で、おじさんは足を滑らせた。だが、おじさんはものすごい速さで、次に着く足を回転させた。アニメで、足が車輪になっている状態で、次々と階段の角のところに足をついて、30段くらいある急な階段を降りきった。

私は、板のないモーグルの競技を観戦したような、感動を覚えた。

 今でも、あの時のおじさんに、拍手を送りたい。

おじさん、あの時の貴方は、すごかった。

火事場の馬鹿力。

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