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移動中  作者: 鈴木明子
3/20

1月12日

寒い日。

 全国的に寒い朝、天気予報では、一日中7度のままだそうだ。

こんな日は家から出たくはないが、寒いだけだと休めない。とにかく、電車に乗ってしまえば暖かい。

 座席の空間を空けて座ってしばらくすると、隣から、ゴーゴーという音が聞こえてた。隣のかっぷくの良いおじさんが、姿勢よく座りながら爆睡してるようだ。

時々自分のいびきの音にびっくりして、座り直したりしている。以前はこういう場合肩を貸したくないので、急いで移動したりしたが、今日は充分空間があるので、少しうるさいが、我慢することにした。

疲れているところに、暖かく揺れもあるとこういうことになる。

 わたしも家で、どうしても最後まで見ることができていない映画がある。

気がつくと、いつも最後のテロップが流れている。

だから、おじさんのことを笑いはしない。

 最近は皆スマホを操作するせいか、電車の中で手袋をしている人をあまり見なくなった。

 何年か前は、まだ皆手袋をしていたように思う。その頃わたは、手袋の片方を無くして、一冬片方のまますごそうと思っていた。そんな時、電車に乗ると、無くした手袋と全く同じ手袋が片方座席に忘れられていた。

座席の忘れ物は、基本的に誰も触らない。たとえお金でも、避けて座っていたりする。

だけど、色もデザインも大きさも全く同じ手袋を見て、これは神様のプレゼントだと思ってしまった。神様が私にわざわざくださったのだから、ありがたく使わせてもらわないといけないと思った。

 ただ、忘れ物の手袋は、私が履いている手袋と同じ右手用だった。

神様からの大事なプレゼントに、ケチをつけてはいけない。片方は、春まで裏表逆にしてしのいだ。

きっと、神様から頼まれて届けに来た人?

もの?もののけ?が間違えたのだろう。


ものは考えよう。

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