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プロローグ
生涯を剣のみに捧げ、全ての生物を超える剣の力を得た者がいた。地上で剣を振れば竜巻が起き、水中で剣を振れば巨大な渦が作られる。一撃で、岩どころか山にすら巨大なヒビを入れる。そんな彼のことを人々は『剣聖』と呼んだ。
『剣聖』は、その実力を持ちながらもなお、強くなろうとした。ただひたすらに、剣を振るった。
しかし、釣った魚の猛毒に当たって彼は死んでしまう。
その無念の力は、この世を司る神すらも震撼させた。
結果『剣聖』は、神に特別に異世界へと転移させて貰い、そこで剣の道を再び歩み続けることができた。
その『異世界』が、日本で無ければ、そうなっていたのだろう。