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プロローグ2

よし!やっと全部解き終わったー!なんでこんなに問題数多いんだろう。さては先生も異世界転生物好きだったりして。

この夢ほんとに夢にしてはリアルだよなぁ。あ、もうすぐチャイムがなる時間だ。結局、勉強はしてないけどまあ夢だし別にいっか。


キーンコーンカーンコーン




「のんちゃん!のんちゃん!授業終わったよ!起きて〜!!」


あれ?親友の雪菜(ゆきな)の声が聞こえてくる……。


「のんちゃん〜!お昼食べよーよ!!」


えっ?!?!私寝てた?!私は雪菜の声に驚いて思わず勢いよく立ち上がった。勢いよく立ち上がったせいでとても大きい音を出してしまった。


「のんちゃんおはよぉ、ふふふ、驚きすぎだよ、ふはは」


そう言って雪菜は笑いだしてしまった。


「もう!雪菜笑いすぎ!」


私は拗ねたように雪菜にそう言った。変な夢を見ていたけどまさかそれが授業中だなんて思いもしなかった。てか、授業中に寝てたってことはテスト勉強できてないじゃん!今回のテスト点数ヤバいやつじゃん。今回のテスト範囲は苦手なとこが多いから1分でも無駄に出来ないのにやらかした……。


「ごめん、ごめん。だってのんちゃんすごい勢いで立ち上がるんだもん。てか、のんちゃん寝てて大丈夫だったの?今回のテスト範囲ヤバいって言ってなかったっけ?」


「大丈夫じゃないよぉ〜(泣)でも、きっとここは学年トップのとっても優しい雪菜さんが私に勉強を教えてくれたり……?」


「よし!対価は?」


「今度、アイス奢るから〜!お願い!!」


「しょうがないな〜、今回だけだからね」


「持つべきは頭のいい友達だね!!」


「もう、調子いいんだから。ほら、お昼食べに行こ。(あや)ちゃんも待ってるよ」


「うん!!あっ、私が寝てたことは言わないでね」



雪菜のおかげで次のテストの赤点は回避できそうだ。とりあえず今は、夢のことやテストのことは忘れてお昼を食堂に食べに行くことにする。





「彩〜!!ごめん待った??」


「2人とも遅いよ!この私を待たせるなんて随分偉くなったものねぇ!」


彩が腕を組み怒ったふりをしながらそう言ってくる。こんなことを言う彩だけど、内心一切怒ってないしなんならきっと私たちのことを心配してただけのいい子なんだよね。


「彩ちゃんごめんね。のんちゃんが寝ててずっと声かけてたのに起きなかったんだよぉ。」


「あっ、雪菜それは言わないでって言ったじゃん!!」


雪菜が事実を言わなければ先生に呼ばれてたとか言って誤魔化すつもりだったのに……。おのれ雪菜め許さんぞ。


「あれれ〜?のぞみさん今回のテスト赤点取りそうでヤバいって言ってませんでしたっけ?それなのに寝てて大丈夫なのでしょうかぁ?てか、このわたくし嘘をつこうとしていたと……。つまり、私が勉強を教える必要はないということで宜しくて?」


「ごめんなさい!ほらこのとうり!許してください!前から食べたいって言ってたパフェ奢るからさ!てか、いつまでその変な口調で喋ってるの?」


彩も雪菜と同様に成績優秀で教え方もとてもわかりやすい。本当に私が何とか赤点を回避できているのはこの2人のおかげと言っても過言ではない。しかも2人とも得意教科が違くて全教科教えてもらうことができる。毎回テスト前になるとこの3人で勉強会を開くのが恒例となっている。


「あはは、冗談だよ。私たちがのぞみに勉強教えなかったらのぞみ進級できないじゃん。でも、嘘をつこうとしてたのはいただけないからパフェは奢って貰うからね!」


「あっ、2人だけでデートしようとしてるでしょ〜、ずるい私も一緒に行きたい」


「もう!仕方ないなぁ、テスト終わったら2人とも私の奢りでカフェに連れてってあげる。あっ、でもあんまり高いのはだめだよ。私今月も勢いで課金しちゃって金欠だから」


「じゃあ、今日の放課後はのぞみの苦手な英語を勉強しよっか」


「わぁー、急に現実見せないでよ。英語本当に苦手なんだってば!」


彩の一言によって私のテンションはだだ下がりだ。でも、なんだかんだ言ってるけど、2人と勉強会をするのは正直好きだ。私は頭がいい人は2パターンあると思う。


理論的に理解していて教えるのが上手い人か自分の脳内で完結しているか、感覚で解けてしまうので教えるのがあまり上手くない人。彩と雪菜は前者で教えるのが上手だから教えてもらうと勉強ができるようになった気分になれる。私が教えて貰うばかりで申し訳なくなるけどやっぱり2人と勉強会をするのが1番だ。


「てか、早くお昼食べない?私お腹すいたんだけど」


「そうだね、早く食べよ!」


ほんとにこの2人と出会えてよかったな……。この2人にはまだ言ってないけど私は2人が行きたいって言ってる大学に行きたいと思ってる。今のままじゃ全然偏差値とか足りてないけど、大学生になっても2人と一緒に過ごしたいと思う。家族にも伝えないとだけど家族は……。


「のんちゃん、どうかした?」

「のぞみどうした?なんか悩みあるんだったら話聞くぞ?」


あっ、家族のこと考えてたら気分がさがってたきてたの2人にバレちゃったみたい。でも、2人に私のこと話してもどうにもならないし迷惑かけちゃうから相談はできない。


「ううん、なんでもない。さっきまで寝てたから少しぼーっとしちゃっただけ」


私は笑顔を作りそう言った。多分2人は私が何かを考えていたことはわかっていると思うけど何も突っ込まずに居てくれた。ごめんね。私が私に自信をもてたらちゃんと話すからそれまで待ってて。







「ここは、時制を一致させるから過去分詞にして.......」


「あっ!そっかこうなるんか!」





「ふぅ〜、やっと今回のテスト範囲の勉強終わった〜!!彩も雪菜も本当にありがとう!とりあえずなんとかなりそう!」


「のぞみ油断大敵だぞ。ちゃんと家帰ってから復習しろよ。あと、明日以降はほかの教科もやらないとだからな」


「そうだよ、のんちゃん。復習大事だからね!」



むぅ。1番苦手な英語がどうにかなりそうで気分が上がってたのにすぐに現実見せてくるんだから。ま、復習が大事なのは私もよくわかってるけどね。


「はーい。家に帰ったらちゃんと復習しますぅ〜」


「そんな拗ねたように言っても無駄だぞのぞみ。テストが終わるまでは勉強漬けだからな」


「はぁ、早くテスト終わらないかな、早く2人とデート行きたいよぉ〜!」


「でも、そのデートはのぞみの奢りだけどな」


「うわぁぁぁん、テスト勉強頑張ってる子にそれはないじゃん!デートは楽しいもののままにさせといてよ!」


「のぞみ、そういうのをなんて言うか知ってるか?自業自得って言うんだよ」


「うっ、ぐうの音も出ません」


私と彩が言い合ってるのを横で雪菜が私たちの会話を聞きながら笑っている。そんないつもどうりの日常。これがいつまでも続くことが私の願いだ。

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