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なりゆき乱世~お姫さまと埋蔵金~  作者: 唖鳴蝉
第一部 新天地と新生活 篇
4/56

第一章 異世界不思議発現 2.二日目(その1)

 翌朝、何事も無く目覚めた僕は、これからどうするかを考えた。この洞窟から少し離れたところに湧き水があったから、水については大丈夫。昨日のうちに見つけたノイチゴみたいな果実もあったし、何ならそこへ戻ってもいい。マジックバッグの中には、一応は食用可能だという携帯食料もあったし、当面食料の心配はしなくてよさそうだ。そうなると……


「……やっぱり、事態の把握が先だよなぁ……」


 非常識と不条理が肩を組んでやって来たような事態になってるし、こういう時には常識に頼っていては駄目だろう。(むし)ろ頼りになりそうなのはラノベの知識。ここは一つ定番に従って……


「ス……ステータス……?」


 おっかなびっくり小声で(つぶや)いてみたんだけど……



----------


名前:マモル・ユゴー / ()(ぎょう)() (まもる)

種族:人間(異世界人)

性別:男

年齢:十一


魔 力:100

生命力: 80

筋力値: 26

防御値: 20

敏捷値: 25

器用値: 15

知力値: 55


スキル:【生活魔法】【鑑定 Lv4】【言語学 Lv5】


固有(ユニーク)スキル:【ステータスボード】【(あやか)る者 Lv1】


称号:迷い人


----------



 ……うん。僕、これでも十六歳だった筈なんだけど……。



・・・・・・・・



 しばらく(ほう)けていたけど、これが夢でも現実でもボーっとしている暇は無いと考え直して、記載事項の確認に移った。どうやら任意の項目を凝視してると、それに関する情報が開示される仕様みたいだ。色々調べた結果、幾つかの事が判った。


 まず生活魔法だけど、これはこの世界の住人の多くが先天的に保有している魔法で、一般人の持つ程度の魔力でも行使できる生活に便利な魔法群らしい。……てか、一般人も持ってるんだ……魔力。

 ……もうそれだけで驚きなんだけど、ともかくこの生活魔法には、【着火(イグニッション)】・【浄化(クリーン)】・【点灯(ライト)】・【施錠(ロック)】・【解錠(アンロック)】などがあって、簡単な魔法なので他の魔法と違って習熟によるレベルアップは無いらしい。


 次に【言語学】は、出会った相手の言語能力を解析して意思疎通を可能にするスキルで、より多くの相手と出会うほど言語能力は高まっていくらしい。……現状、話す相手はいないけどね……。あと、このスキルを持っている者はあまりいないらしい。一般人はスキルとかでなく、普通に言葉を覚えるんだとか……そりゃそうだ。ただ、転移者はほぼ例外無くこのスキルを持っているんだとか。あぁ……他にもいるんだな……転移者。

 気になったので調べてみると、時々他所(よそ)からこちらの世界に迷い込む者がいて、「迷い人」って呼ばれてるらしい。……あぁ、称号にあったのって、それか。逆に言えば転移者以外では珍しいスキルらしいから、これはできれば隠しておいた方がいいだろう。ちなみに僕のレベルは5。高いんだか低いんだか……。

 ……今更だけど、僕の場合は「転移」になるのかな、それとも「転生」になるのかな。五つも若返ってるんだけど……。


 【鑑定】は、これもラノベでは()く出てくるスキルだけど……まさか本当にあるとは思わなかったよ。保持者もそれなりに多いスキルらしいから、これは隠さなくていいかもしれない……いや待って。僕、今は十一歳なんだけど、十一歳児の【鑑定】のレベルって、普通は幾つぐらいなんだろ。僕の【鑑定】、レベル4なんだけど……。やっぱりこれもしばらく内緒だな。


 ……さて、いよいよ突っ込みどころの多そうなユニークスキルだね。


 まず、固有(ユニーク)スキルというものだけど、極端に保有者が限られるスキルの事をこう呼ぶみたいだ。ユニークというだけあって、内容や特性はてんでバラバラ……って、要するに普通のスキルの枠に入らないものを、「ユニークスキル」って名前で一括(ひとくく)りにしてるだけなんじゃないか?


 ……まぁいいや。とりあえず、この【ステータスボード】ってのを調べてみよう。


 【ステータスボード】は自分のステータスを表示させ、許容範囲内でその数値を変更できるスキル……って……ちょっと待て、ゲームじゃあるまいし、ステータス値を自分で変更できるって……あぁ……見せかけだけか。要は【鑑定】対策なわけね。これは便利だ。ユニークスキルとかどう隠そうかと思ってたから、好いタイミングってやつだね。……へぇ、この世界って、一般人は自分で自分のステータスを見る事はできないんだ。スキルか魔道具によるしかないのか。ギルドが発行するギルドカードにはこの機能が備わっているため、それだけを目当てにギルドに登録する者も多いんだな。……あれ? ――って事は、僕も何かのギルドに所属しないと目立つのかな? これはちょっと考えどころだぞ。


 さて最後に何だか判らない【(あやか)る者】だけど…………ふむ…………。


 これって一種の複合スキルみたいだけど……要するに、様々なスキルの修得を早めるためのスキルなんだね……本来なら……。



 ……人間以外の生物(・・・・・・・)のスキル(・・・・)も修得可能……って……おかしくない?

次話は約一時間後に公開の予定です。

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