SUKYSH CLOUDーサキシュ・クラウドー【序】
ここは、いま私たちがいる世界とは別の世界。
異形の「魔物」たちが野山を跋扈し、崇高な「神」という存在が世界を司っていた。
そんな場所にも、「人間」という種族は生きていた。しかし魔物たちの前では、その力は乏しいものだった。人々は魔物の影に怯えながらも、協力して毎日を力強く生きていた。
辺境の地………深い森の中にウッドプールという村があった。その村に、ライタという少年がいた。
彼は幼くして両親を亡くし、村の戦士・ボイスカに育てられた。
ライタは17歳のとき、都会で行われている武闘大会で準優勝をおさめた。そしてその直後に、村から旅立つことを決意する。
彼には幼馴染みがいた。ルルゥという可愛らしい女の子だった。しかし彼女は、12歳のときにアイグラント帝国の軍隊にさらわれてしまった。彼女を探し出すことが、ライタの旅の目的の一つだ。
アイグラント帝国というのは近年大陸で幅を利かせている新興国で、その暴力的な統治の仕方と、勢力を拡大するためには手段を選ばない強引なやり方から、悪評を世界に響かせていた。
ライタの旅が、まさかアイグラント帝国とこれほど関わる旅になるとは、誰も思ってはいなかった。そして結果として、あの両親の死と向き合うことになるということも、誰一人予想できるはずがなかった。
この壮大な物語は、カリンという小説家がライタに話を聞くところから始まる。これからカリンの書く物語は、天と地を巡り、種族を越えて大勢の存在が関わるこの世界の、一大叙事詩となる。
異形の「魔物」たちが野山を跋扈し、崇高な「神」という存在が世界を司っていた。
そんな場所にも、「人間」という種族は生きていた。しかし魔物たちの前では、その力は乏しいものだった。人々は魔物の影に怯えながらも、協力して毎日を力強く生きていた。
辺境の地………深い森の中にウッドプールという村があった。その村に、ライタという少年がいた。
彼は幼くして両親を亡くし、村の戦士・ボイスカに育てられた。
ライタは17歳のとき、都会で行われている武闘大会で準優勝をおさめた。そしてその直後に、村から旅立つことを決意する。
彼には幼馴染みがいた。ルルゥという可愛らしい女の子だった。しかし彼女は、12歳のときにアイグラント帝国の軍隊にさらわれてしまった。彼女を探し出すことが、ライタの旅の目的の一つだ。
アイグラント帝国というのは近年大陸で幅を利かせている新興国で、その暴力的な統治の仕方と、勢力を拡大するためには手段を選ばない強引なやり方から、悪評を世界に響かせていた。
ライタの旅が、まさかアイグラント帝国とこれほど関わる旅になるとは、誰も思ってはいなかった。そして結果として、あの両親の死と向き合うことになるということも、誰一人予想できるはずがなかった。
この壮大な物語は、カリンという小説家がライタに話を聞くところから始まる。これからカリンの書く物語は、天と地を巡り、種族を越えて大勢の存在が関わるこの世界の、一大叙事詩となる。
【序】
2018/07/28 05:09
(改)