春の詩『春のしじま』
『春のしじま』
湖に うす白き花弁
湖畔の樹木に若葉を飾りて
神は軽やかに
四方を巡る
静寂は死者の名に非ず
萌ゆる芽は 光の粉を吹き
再生の甘き日差しは水面を覆う
空は青く陶酔す
湖一面に 亡びし花弁
風はとろりと湖面を揺らし
還らざる花は 酩酊に
腐りゆく身を震わせる
その神を
酔わせ
沈めようと
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何故か私の書く春の詩は、不穏なものが多いです。
……穢れた大人でスミマセン。
春は空気がザワザワとしていて、何もかもが
生きているような、それでいて恐ろしいような、
そんな気がするのです。