普通の生徒の生活
今日は高校の入学式である。
当たり前ながら、入学式と言うものは、何処に行っても面倒くさいものだ。そんな事をとやかく言っても仕方ないのである。
「では、これから新入生代表からの言葉です。それでは、代表の甘城椎奈さん壇上へ。」
と、意味が分からない他人の人や先生たちの長たらしい話が終わり、学年代表の挨拶が始まった。すると出てきたのはロングヘアでスタイルも良く、男子の理想の女性像を具現化したような人であったが、身長が小さく、美しいよりも可愛いと言うのがもっとであった。
「私たち、新入生はこの学校で……。」
と、長ったらしい言葉も終わり、クラスの教室に行くと知らない人ばっかであった。それから、自己紹介が始まった。色々な学校から来ていると言った感想を持っただけで、余り面白くなかった。そうしている内に俺の番がやって来た。
「井野時宗。後山中出身です。」
と、言った瞬間クラスの全員が騒ぎ出した。それもそのはず、後山中学校は難関高校の合格率がほぼ100パーセントと呼ばれた中学であり、統一診断テストでは、100位以内にその学校の生徒全員が入ると言う。そんな中学出身と言ったら騒ぐのは分からなくもない。だが、俺には関係のない事なので話を続けた。
「趣味は特にありません。この学校を選んだ理由は家に近いからです。これから皆さんどうぞよろしくお願いします。」
すると、ウチのクラスのドアが開いた。そこに現れたのは、
「探したわ。井野時宗。」
正直、俺には厄介者しか寄らないらしい。
「フルネームで呼ぶな。それになんか馴れ馴れしぞ。甘城椎奈。」
すると、彼女は傷ついた様で、
「すいません。井野さん。」
と、喜怒哀楽が激しい子だと感じた。
それの顔を見た他のクラスメイトがどうも、可愛いかったらしく大声で叫び出し、
『キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー‼︎』
すると、彼女を囲み取り合いが始まった。
「何、椎名さんてこんなにも可愛いの。素敵。」
「それよりも美しいよりも可愛いが似合うのはこの人ぐらいだわ。お持ち帰りしたい。」
と、子供好きが多いみたいだ。しかし彼女は、俺が言うまでも無く嫌がっていた。
「やめてください。キツいです。」
だが、そんな事を御構い無しで取り合いがもっとヒートアップしていた。
「何するのよ。椎奈さんわ。私がお持ち帰りするのよ。」
「何を言うのよ。私が。」
「それよりも、私が。」
とうとう、女子達の抗争が始まった。
すると、彼女の周りが少なくなった。その隙に俺が、
「おい、逃げるぞ。」
そう言うと、彼女は
「起き上がれない。身体に力が入らない。」
予想外の事が起きた。どうするか迷ったが、
「仕方ない。俺がお前を持って走る。」
と、彼女を強引にお姫様抱っこの様に持ち上げて、教室を全力で出た。
そんな事を傷いていないクラスメイトは抗争を御構い無しで行なっていた。
その頃、俺たちは屋上に逃げ込んだ。
「はあ〜はあ〜はあ。多分、追って来ないと思うぞ。」
すると、彼女がこんな事を聞いてきた。
「どうして、私を助けてくれたんですか?」
どうして助けたか。正直、考えずに助けていた。どうしてだろう。と考えたが、体が勝手に動いたからだど俺は思った。その為、勝手に動いたからと言うと。彼女は、
「そうですか。助けてくれてありがとうございます。それと、突然ですけど質問していいですか?」
本当、突然だ。
「どうして、本気を出さなかったんですか。」
答えも聞かずに話し始めて意味が分からない事言い始めた。だが、主語が抜けていてよくわからなかったので、
「主語がない。主語が。それではよくわからないぞ。」
すると彼女は
「ふざけないでください。本当は分かっている癖に。」
いや、わからないて。
「あなたが、全国中学模試で二回連続で1位という成績なのに、どうしてこんな、普通の高校にいるのかと聞いているんです。」
いや、説明ありがとう…。じゃあねよ。どうしてそれを知っているんだよ。俺が全国1位だと言う事を。
「あなたにどんな事があったか知りません。けれど、あなたという存在はこんな所で油を売っていて行けない人間のはずです。あなたわ 『おい。』」
俺は知らない内に彼女を睨んでいた。
「おい。さっきから聞いていれば好き勝手言ってくれたじゃあないか。俺は俺の自由に生きたいんだ。
あんな、地獄の様な学校みたいには、なりたくないんだよ。分かったら俺につきまとうな。」
俺はそこから立ち去った。その後彼女は崩れ落ちていたらしい。
その頃、俺は全員帰った後の教室に入ってカバンをとり家に帰った。
家に帰ると、
「おかえり、時宗。遅かったわね。
」
と見た目二十歳に見える女性が出てきた。
「ちょっと、変な奴に絡まれて。帰ってくるのが遅れたんだよ。母さん。」
わかるとは、思うがこの人は俺の母親である井野千草である。すると母さんは
「昼はどうするの。一応作ってあるけど。」
正直、いらなかったけれど、せっかく作ってくれたのだから食わないと…
「母さん。それ、冷蔵庫に入れといて。後で食うから。」
と言って、自分の部屋に入った。
「何であんな事を知っているんだよ。あんな、思い出さすだけでイライラする事を。」
すると俺は携帯の画面を見た。そこには、白いワンピースに麦わら帽子を被っている人が写っていた。それはあの甘城椎奈に似てる人であった。
「なあ。俺はどうすれば良いんだろうな。」
その日はそのまま、眠りについていた。
次の日、クラス全員が俺の所に来てある事を聞いてきた。
「おーい。お前て昨日椎名さん泣かしたと言うのは、本当なのか?」
まあ、勝手に泣き出したから違うと思い。
「いや、彼女が勝手に泣き出した。」
そう、クラス全員に言うと、
「そうか。それはいんだが、泣いている人を泣き止ませる事しなかったのは、良くないと思うぞ。」
と、優しくアドバイスした。だが、俺はよく分からない事があった。なぜ、泣いていただけで注意されたのか?全くもって分からなかったが、
まあ、アドバイスを貰った事は良い事だと思い頭の片隅にしまい込んだ。そうそう言っている内に先生が現れ、ホームルームが始まった。しかし、甘城椎奈は今日、学校に来る事はなかった。
「(なんだよ⁈このモヤモヤする気持ちわよ‼︎本当なんだよ)」
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