5話
この話を書くのに二週間以上かかってしまった。仕事が忙しかったこともあるけど・・・。
この話は戦闘のみです。
戦闘描写は難しいな~。では、楽しんでもらえたら嬉しいです。
俺は今、数人のエルフに囲まれている状況で一人のエルフと戦っていた。短く刈り上げた青色の髪、碧の瞳。見た目は五十代だが、見た目と違い、長寿のエルフ。エルフとは似つかない筋肉が発達した身体。凄まじい闘気。
今まで、戦った人間や魔物よりも遙かに強い。俺よりも強い存在。
なぜ、こうなったのか。時間を少し遡る。
・・・・
・・・
・・
意気揚々と出発した俺たちはエルフの里に向かっていた。
「そういえば、ルナ。どうやって里に帰るんだ?」
「これがみちをおしえてくれるの」
そう言って首から下げていた物を見せてもらう。なんてことない、ただの木彫りだった。
「それが教えてくれるのか?」
「うん。みてて」
木彫りを翳すと、淡く光りだす。光は左方向を指し示した。
「こっち」
ルナに手を引かれ、光の指し示す方向に歩いて行く。
「そういえば、里にはルナの他に子供はいるのか?」
「いるよ。でも、わたしたちのなかでまほうがつかえるのはわたしだけなの」
「すごいな」
頭を撫でるとにへへと笑う。
しばらく歩くといきなり視界が歪む。一瞬、酩酊感を覚えるがすぐに治まる。
視界がはっきりするともうそこは別世界のようだった。
暖かい日の光が森を照らしている。先ほどまでは薄暗い森の中だったが、ここは視界は明るく暖かみのある場所だ。木々の葉たちは風に吹かれて心地よい音を奏でる。
「・・・・すごいな」
「そうでしょ!里にはもう少し歩けば着くよ」
「そうか。じゃあ、案内頼むぞ」
「うん。まかせて」
二人で会話をしながら更に奥へと進む。
この森には魔物一匹の気配すら感じられない。
「貴様等、そこで止まれ!」
不意に声がかかる。
森の中で反響する声。場所を特定するのは困難だ。
だけど、普通に声が聞こえていても俺に正確な場所を特定する技能は残念ながら持ち合わせていない。
「一体何者だ!?顔を見せろ!」
俺たちはフードをかぶり顔が見えない状態だ。こんな状態だからなお怪しく見えるのだろう。しかし、俺は魔物だから簡単に顔を見せるわけにはいかない。見せたら殺されるのがオチだからな。
「おとうさん!?わたしだよ!」
ルナはそう言って被っていたフードを取り、顔を見せる。
「ルーナ!?ルーナなのか?」
木の陰から男のエルフが一人で出てくる。
ルナはその男に走り寄り抱きつく。
「よかった!心配したんだぞ。勝手に里を出て・・・怪我がなくてよかった」
「ごめんなさい。かってにそとにでて・・・しんぱいかけて、ごめんなさい」
その様を見て、諦観していた他のエルフも姿を現す。
やはり、エルフは美形が多いというのは本当のようだ。顔の造形は違うが、美形なのは変わりない。
「その子がゴブリンに襲われていたのでそこを助け保護した。話を聞くと里を勝手に出たということだったからここまで連れてきた」
「そうか。それは、感謝する。しかし、その身なりだと子供だと思うが・・・一体何者だ?顔を拝見したいのだが、見せてはもらえないだろうか?」
「すまん。訳ありで顔を見せるわけにはいかない」
ルナの父と他のエルフが警戒心をあらわにする。
「それ残念だ。ルーナを助けてくれた恩人に恩を返したいのだが正体が分からないのであれば・・・それに、このまま他の者を里に入れるわけにはいかない。あなたには悪いがここで排除させてもらおう」
チッ。はやり、そう来たか。エルフは排他的ともいうがそれも本当か。だが、このまま殺されるわけにはいかない。
「このまま殺されるわけにはいかないからな。引かせてもらおうか」
「そういうわけにはいかない。・・・放て!」
ルナ父の一言で数人のエルフが弓に矢を番え、放つ。
数本の矢が俺を襲う。が、それを避けて行く。しかし、何度も弓を構え矢を放ってくる。いつのまにか襲う矢は十数本まで増えた。
「やめてよ!ねぇ、やめさせてよ・・・おとうさん!」
ルナが静止の声を上げるが、誰も止めることない。もちろん、ルナ父もだ。
俺は止まることない矢を避け続ける。しかし、ついに隠されたベールが剥がされた。
数本の矢がフードを切り裂き、素顔を晒した。
「な!?」
「ゴブリンだと!?」
「どういうことだ!」
「なぜ、ゴブリンがルーナと・・・!?」
俺が魔物であるゴブリンと気付き、エルフたちは困惑している。
それもそうはずだ。ルナを襲ったゴブリンと同じ存在だ。そもそもなぜゴブリンがルナを助ける必要があるのか最初に疑問を持つはずだ。
「見たまんまだ。俺はゴブリンに襲われていたルナを・・・同族を殺して助けた、それが事実だ。それ以上でも以下でもない」
「なぜ、同族を殺してまで・・・・い、いや、そもそもなぜ魔物がエルフを助ける・・・!?」
どうやら、かなり困惑しているようだな。
「その問いに答えよう。ただの気まぐれだ。だけど、打算があったのも事実だ」
「打算だと・・・?」
「そうだ。エルフは魔法に精通していると聞く。だから、ルナ・・・その子を助けてエルフに魔法を教わろうとした」
「それが本当だと証明できるか?」
「それは・・・無理だな。助けたのはルナに聞けば大丈夫だと思うが、魔法を学びたい証明するのは無理だ。一応、ルナには言ったがそれだけでは証明にはならないんだろう?」
「当たり前だ」
「ふむ。・・・なら、交渉決裂かな?」
「交渉など最初からしていない」
「そうか。なら、俺が救った命だ。ルナを貰っていくぞ」
「何!?」
俺は前方にいるルナところに突っ込もうとするが、いきなり影が差す。上を確認する間も無く、咄嗟に後へ下がる。衝撃と共に俺が先ほどまでいた場所に陥没ができていた。
それを生み出した張本人が俺とルナとの間に立ちふさがるように立っていた。
「ゴブリンよ。儂が相手になろう」
短く刈り上げた青色の髪、碧の瞳。エルフとは似つかない筋肉が発達した身体。
見ただけで分った。こいつは俺よりも強い存在だと。
ステータス
名前:???
種族:森族
階級:4
技術:???
どいうことだ!?
名前とスキルの表記が???となっている。今まではこいうことは無かったはずだ。
それに階級が4だと。あの人間たちよりも3つも上だ。
―――化け物がッ!
「・・・強敵だな」
「ゴブリンよ。お前に名前はあるか?」
「・・・・ない」
「そうか。なら戦いやすいな」
「どういうことだ?」
「今ここでは何も語らん。儂の名はデルマだ。・・・お前たちは手を出すな」
デルマという男は他のエルフに対して指示を出す。
「し、しかし・・・」
「名前持ちでなくとも、お前たちでは殺される」
ルナ父が抗議の声を上げるが、それを一蹴する。
デルマは他のエルフに対して命令できる立場にいる。ということは、かなり地位が高いのだろう。
「・・・わかり、ました」
渋々ではあるが了承する。
「さあ、ゴブリン・・・戦うぞ!」
そう言ってデルマは突進してきた。
俺は全身に気力を廻らせ纏い、デルマの攻撃に備える。
「うらァあああああ!」
デルマは裂帛の気合と共に拳を繰り出してくる。俺は防御することなく、それを避ける。
攻撃、避ける。攻撃、避ける。攻撃、避ける。攻撃、避ける。攻撃、避ける。攻撃、避ける。
反撃する余裕すらない。
「どうしたァ!避けてばかりでは、儂は倒せんぞォ!!」
デルマの足蹴りを避けて、拳に気を纏い突き出す。
「遅い!!」
しかし、拳は当たることなくデルマに腕を掴まれ背負い投げの要領で地面に叩きつけられる。
「カフッ!」
肺にあった空気がもれ、一瞬身動きができなくなったところにピンポイントで心臓に拳が襲う。
ドォオオーーーーン!!
凄まじい爆音共に砂煙が辺りに立ち込める。
「ゴブくん!」
ルナが悲痛の叫びをあげる。
砂煙が立ち込める中を抜け出してルナに姿を見せる。
「大丈夫だ!ちゃんと生きてるぞ」
「よかったぁ。怪我はない?」
「かすり傷はあるが問題ない」
「がんばってね、ゴブくん!」
ああ、頑張るさ。こんなところで死んでたまるか!
ピンポイントで心臓を狙っていたからな。さっきはなんとか気を纏って防げたが、どうしたものか。あいつは今のところ魔法すら使っていない。どうすれば、あいつに勝てる・・・。
「ゴブリンよ。お前の気の使い方ではすぐにもたなくなるぞ」
「どういうことだ?」
「一つ提案がある」
「・・・・何だ?」
俺の疑問に答えることなく先に話を進め、今になってなぜそんなことを言うのか。その物言いに眉を顰める。
「お前が儂を倒すことができたならば魔法を教えてやろう」
「それはありがたい申し出だが・・・・今更だな」
「まあ、そう言うな。お前は魔物とはいえ、ここで死なすにしては惜しい」
「なぜ、今になってそんなことを言う?」
「言った通りの意味だ。ここで死なすにしては惜しい。魔物とはいえ今後、お前は強くなるだろう。・・・・どうだ、提案に乗るか?儂が持っている知識も教えてやろう」
「いいだろう、乗ってやる。どうせ、今の俺に選択肢などない。・・・・なら、お前を思う存分叩きのめしてやる!」
「デルマさん。魔物を里に入れるのですか!?」
「儂が直接、長老のところに出向いて許可を貰おう」
傍観していたエルフの一言を一蹴し、正面を向く。
「さあ、始めようか!」
その一言で再度、俺とデルマは対峙する。先ほどとは違い、殺し合いでなくただ単純に戦う。
いや、それでも下手したら命を亡くすだろう。だけど、今まで張りつめていたものが緩み、少しだけだが気が楽になった。
緊張も解れた。先ほど以上に身体が動きそうだ。
「今度はこちらから行くぞ!」
「来い!」
俺はデルマに向かって突進する。爪牙を発動し、気を纏う。
開いていた距離を一瞬にしてゼロにし、伸びた爪をデルマの心臓に向けて突き出す。しかし、それをなんなく避けられ、反撃の拳が襲う。俺はなんとか身体を横へとずらしギリギリで避ける。今度はこちらが反撃し、蹴りを繰り出す。しかし、デルマも蹴りを繰り出し相殺してくる。
そこからは膠着状態が続いた。拳の応酬、蹴りの応酬どちらも攻撃も決定打にはならない。
しかし、その状態もあと少しで終わりを見せていた。
デルマはまだ余裕を見せている中で、俺は余裕が無くなってきていた。
このままじゃ、ジリ貧だ。どうすればいい。・・・・仕方ない、イチかバチかあれをするか。このまま行けば負けるのは目に見ている。なら、これに賭けるしかない。
なおも、攻撃と反撃の応酬が続く。その中で最良の攻撃を探る。
・・・これじゃない。・・・これでもない。・・・この足蹴りでもない。・・・来た!これだ。
頭上から頭を狙うような拳。
―――これを待っていた!
攻撃を受け流し、俺は半身懐に入り込む。腕をそのまま掴み下に引き寄せ後蹴りする。デルマの身体は重力に逆らうように浮き上がる。浮き上がった身体に強力な足蹴りを叩き込む。
「・・・ぐっ!」
前方からの衝撃を受けて後方に吹き飛ばされる。勢いがあったのだろう。地面を何度も跳ねもうもう砂煙を立てながら木すらも倒していく。
俺は走る。追加攻撃を与えるためだ。立ち込める砂煙の中へ足を踏み―――
「・・・・っ!?」
入られなかった。
視界が暗転し、顔面に凄まじい痛みと衝撃が走る。
何が起こったのか理解ができなかった。視界が流れているのが後目に確認できる。その直後、全身が何かに何度も叩きつけられるような痛みが襲う。
視界が歪むなか全身の痛みに耐えなんとか立ち上る。正面を見据えるとまだ距離はあるがデルマが歩いてきているのが分かった。額から、口から血を流すデルマ。それを視認すると口元が笑みで歪む。
・・・・やっとだ!・・・・やっと、一撃入れたぞっ!
「やってくれたな、ゴブリン!今のは効いたぞ」
デルマは口元を歪め、初めて構えを取った。
「さあ、お待ちかねの魔法だ」
右腕に魔力が集まっていくのが分かる。集まった魔力は形質を変化させバチバチと音を鳴らしながら火花を散らす。
「走れ―――“雷撃”」
やっと聞き取れるくらいの小さな声。しかし、確かな一言で魔法が発動する。
火花が集束し、一つの束となり俺に放たれた。俺は大きく横へ飛ぶ。放たれた一条の雷は先ほどまで俺がいた場所を通り過ぎる――――ことはなかった。直角に曲がり俺に追いすがる。
「チッ・・・・何だ、この魔法は・・・」
いくら避けても追撃してくる。木々の合間を抜け避け続ける。しかし、消滅すことなくどこまでも追い続けてくる。
「その魔法からは逃げることはできない。標的をどこまでも追い続けるぞ」
横合いから声が聞こえた。そこには拳を振り上げたデルマがいた。
―――しまった!注意力が緩慢になっていた。
振り下ろす拳。ギリギリのところで後に避け、拳が目の前を通り過ぎる。
そこでまたしてもミスをしてしまった。後ろから追い続けていた魔法―――“雷撃”が直撃する。
「がッ!」
ダメージ事態はほとんどないが筋肉が収縮し、地面を転がる。立ち上るが急に手足の痺れが起こり、身体が崩れ落ち両膝を付いてしまう。
「この魔法は標的に当たるまで消滅することはない。そして、当たれば一時的だが動くことを封じることができる。そのためにダメージは無いに等しい・・・まあ、それが欠点だが」
―――当たり前だ。そんな魔法、欠点がないとチートだろうが・・・・。
心中でそんなことを思うが口には出せない。口に出したところで理解はされないだろうが・・・・。
「さらに動きを封じさせてもらうぞ。・・・草よ、花よ、樹よ。敵を絡め捕れ―――“樹花束縛(フロース・
バインド)”」
周囲に存在する草、花、樹の枝が意志を持っているかのように四肢を絡め取り、さらには全身にも巻き付け動きを封じる。
痺れも取れ、動こうとするが身動き一つ取れない。
「無理だ。強力な力を持っていても動くことはできない」
デルマが近づいてくる。
―――まだだ。まだ、終わりたくない。
一ヶ月にも満たない生を終わりたくないのは誰でもそう思うだろう。
―――まだだ。こんなところで死にたくない。
魔王なるために少しだけ強くなったのにまだ何も果たせないまま終わりたくないと誰でもそう思うだろう。
・・・・・ならば、力を見せよ
・・・・・ならば、強き意志を見せよ
・・・・・生きたいと願うならば、それに見合うだけの力をつけてみせよ!
声が聞こえる。誰のだろうか。もちろん、知っている。―――俺自身の声なのだから。
―――そうだ。終わりたくない、死にたくないと、口で言うのは簡単だ。行動を起こさなければ何も起きない!
体内に滞留していた気力が一気に膨れ上がる。
―――足りない。・・・・まだだ。
さらに増大する。
―――まだだ。・・・・もっとだ。
さらに増大し、力を込める。
―――もっとだ。・・・・まだ、足りない。
さらに増大し、全身に力を込める。ミシッ―――全身に巻きついているものが音を立てる。
―――足りない。・・・・まだだ。・・・・もっとだ。・・・・まだだまだだまだだもっともっともっとだ。
ギィイイイィイ―――重苦しい扉の開く音が頭の中に響く。増大していた気力が急激にさら増す。
―――門が、開いた。だけど、まだ足りない。まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと。・・・・俺に力をヨコセェエエエェエエェエエ!!!
僅かに開いた門がさらに半分のところまで開いた。門から気力が流れ、さらに増大する。増え続ける気力で肉は裂け、骨は軋み、悲鳴を上げる。
「ハアァアァアアァアアア!!!」
溜め続けた気力を開放する。
束縛していた草木が吹き飛び散り散りとなる。さらには余波で土さえも巻き上げ周囲一帯が僅かだが陥没してした。
○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●
「・・・な、んだ、これは・・・何が起きた」
デルマは混乱していた。いきなり、ゴブリンの気力が一気に膨れ上がったのを感じた。なぜ、そうなったのか理解できなかった。
砂煙は晴れ、周囲が見渡せるようになる。正面にはゴブリンがいる。しかし、ゴブリン自体から周囲に煙みたいなものが出ていた。
一気に膨れ上がった気力、身体から立ち上る煙。その現象が起こるのを一つだけあることに思い至った。
「ま、まさか・・・あれは!・・・ぐっ」
ゴブリンの威圧感が急激に増す。巨大な岩に押しつぶされるような感覚が襲う。
―――あの、ゴブリン。覇気に気力を乗せてやがる。
周囲を確認するとエルフの全員が気絶はしないでも地に伏していた。ルーナは耐え切れず気絶している。
正面を見据えるとちょうどゴブリンが動こうとしていた。構えて、攻撃に備える。
ゴブリンが足を踏み出す。
「っ!?」
目の前にいた。
たった一歩で懐まで入り込んだ。
突き放すために拳を振るう。しかし、簡単に避けられてしまう。今度はお返しとばかりにゴブリンも反撃の拳を振ってくる。それを後方に跳び避ける。
対峙する。そして、気力を纏った拳を振るってくる。こちらも同じく拳を気力で纏い振るう。拳と拳がぶつかり合う。
―――パンッ!
相殺する。今度はこちらが蹴りを放つ。そして、相手も同じく蹴りだ。脚と脚がぶつかり合う。
―――パンッ!
またも相殺する。
その後もお互いに拳を振るい、蹴りを放つ。しかし、どれも相殺する。
立ち上ると森の様子がおかしいことに気付く。ゴブリンも仕切りに周囲を確認している。
「ゴブリンよ」
「ああ、気付いている。魔物がいるな・・・・しかも、百近いぞ」
「うむ。それに強い個体もいるようだ」
「どうする。このまま続けるか?」
「いや、討伐を手伝ってほしい」
「・・・・何とも都合がいい話だな」
「仕方がなかろう・・・・これも魔法を学ぶためだと割り切ってくれ」
「本当に仕方ない・・・・手伝おう」
「しかし、この人数では心もとない。里に戻って援軍を呼ばなくてはな」
「なら、私が戻って援軍を連れてきましょう」
横合いから聞こえた声を確認するとルーナの父―――フィガルであった。彼奴は魔法や弓の腕は良いが少々堅物なところがある。だが、腕のいいフィガルならば魔物と遭遇しても討伐はできるだろう。
「分かった。頼んだぞ」
フィガルの肩をポンと叩く。
「すぐに援軍を連れてきます」
そう言って里に戻るフィガルを見送る。
「お前たちいつまで寝ている!もうすぐ、魔物と遭遇するぞ」
ゴブリンの覇気に圧され、まだ地に伏しているエルフに対して喝を入れる。エルフたちは早々に立ち上がり、武装の確認をする。
しばらく時間が経つとドドドッと地響きがなり始めた。小型の魔物から大型までがいる。
「さあ、奴さんがお出ましだ。気合入れろ!」
どうでしたか。今回は真っ向勝負を書いてみました。
さて、皆さんは思ってるかもしれません。
「階級とは何ぞや?」「え?剣術とか体術とかってスキルじゃないの?」
そのあたりの説明を次話で行いたいと思います。でも、階級の説明は人族関係のみ行います。魔物の階級についてはさらに後の話で書く予定です。




