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次に、二人が殿堂の入り口から中を覗こうとすると一人の大柄な男がそれを体で阻止するように立ちはだかった。
「おい、お前たちは何番だ?」
二人は今手に入れたばかりの番札を見て答えた。
「53だ」
「お前たちはまだだ。出直して来い」
乱暴に体を押されたリギルが門番を睨んでいる。ソハカが慌てて聞いた。
「あの、すみませんでした。今は何番ですか?」
「今はまだ22番だ」
リギルとソハカは互いに顔を見合わせて、いったん引き下がることにした。リギルとソハカは、殿堂から少し離れて人込みを避けた。
「しかし、すごい数の人だな」
「ですね。この人たち、みんなウリウス様が目当てかなあ」
「だとすると、相当待たねばならんのではないか?」
「そうですね……」
しばらく、たわいない会話で時間を潰してからもう一度殿堂の入り口に向かうと、さっきの大柄な男がまだ立っていた。ソハカがまた尋ねた。
「すみません。今は何番ですか?」
すると、大柄な男は怪訝な顔で答えた。
「何だお前たち。まだ22番だと言っただろう?」
さっきと同じだ。ソハカは続けて聞いた。
「あのう、私たちは53番なんですが、いつ頃になりましょうか?」
「53番? ずいぶん先じゃないか。お前たちどこから来た?」
「知の殿からですが……」
「知の殿? 知らんな。とにかく、ウリウス様に会いたいなら、どこかで宿を取ってしばらく滞在するがよかろう」