表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仕組みの外側  作者: Svolik
第二章
48/51

第四十八章

彼は次第に、調査だけでなく実践にも多くの時間を割くようになっていった。これまでは主に観察と分析だったが、そこから一歩踏み出し、自分自身で確かめる必要があると理解したからだ。魔法の問題がその「使い方」にあるのなら、別の使い方を自分で試すしかない。


彼が選んだのは、単純でありながら本質的な課題だった――複数の対象を同時に制御すること。ここには力だけでなく、注意の分配、持続的な制御、安定性がすべて関わってくる。


最初は二つ。


次に三つ。


数が増えるごとに難易度は急激に上がっていった。問題は出力ではなく、維持にあった。一つに意識を向ければ、他が揺らぐ。形が崩れ、制御から外れる。


彼はそれを無理に押し進めようとはしなかった。強引に進めば、ただ不安定な状態を覚えるだけになると分かっていたからだ。だからこそ、彼は遅く、しかし確実に進んだ。力ではなく、安定を積み重ねていく。


そしてついに、彼は五つを同時に保った。


長くはない。


完全でもない。


それでも確かに成立していた。


その瞬間、彼は気づく。


変わったのは、その訓練だけではなかった。


彼の魔法そのものが変わっていた。


制御はより密になり、形は崩れにくくなっている。これまでならすぐに散っていたものが、今は意識の中に留まり続ける。彼はすぐに、以前から試していたことに戻る。


火の球。


土の弾。


まだ小さい。


まだ一つずつしか扱えない。


だが、それはもはやその場で崩れなかった。


形を保ち、進む。


数歩先ではなく、視界の限界まで。


それは単なる改善ではなかった。


方向が正しいという証明だった。


そしてちょうどその頃、城でひとつの出来事が起こる。


一人の魔術師が死んだ。


高齢で、ほとんど忘れられていた存在だった。影の中で静かに生き、静かに消えるような人物。大きな影響は残さないが、部屋と記録だけは残る。


そして、ちょうどその時、城の注意は葬儀の準備に向いていた。


彼にとって、それは機会だった。


彼は人目を避けてその部屋に入る。内部は整然としており、長い時間手つかずのまま置かれていた空気があった。紙、道具、書物――すべてが、持ち主の時間とともに止まっている。


探すまでもなかった。


日記はすぐに見つかった。


そしてその中にあったものは、彼が求めていた答えであり、同時に知りたくなかったものだった。


女性から力を引き出す方法は、一つではない。


粗く、すべてを奪うやり方だけではない。


流れを制御し、量を調整し、必要な分だけを引き出すこともできる。


だがそれは、術を格段に複雑にする。


高い集中力と技術を要求し、使える者の数を大きく制限する。


彼は読み進めながら、ゆっくりと理解していく。


これは失われたのではない。


捨てられたのだ。


意図的に。


単純さのために。


速度のために。


より多くの魔術師が使えるようにするために。


そして一つの国がその選択をすれば、他は従うしかない。


従わなければ、戦いに負けるからだ。


それは進歩ではなかった。


単純化だった。


代償を受け入れたうえでの。


彼は日記を閉じるが、すぐにはその場を離れなかった。まるで意味が変わることを期待するかのように、もう一度考えようとするが、結論は変わらない。


やがて彼は部屋を出る。


廊下は変わらない。


だが彼の中では何かが確定していた。


そしてその理解は、ひとつの点へと収束していく。


次の戦い。


彼はすでにそれをやっている。


標的を選び、攻撃し、結果を出している。


だがそのとき、それは必要だと思っていた。


今は違う。


それが唯一の方法ではないと知っている。


その事実が、すべてを重くする。


彼は歩き続ける。


周囲をほとんど意識せずに。


そして気づく。


久しぶりに、彼の思考は解決策を探していない。


ただ一つの問いに留まっている。


自分は、もう一度それを選べるのか。


それが必須ではないと知った上で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ