第二十七章
その後の三日間は、まるで時間の流れから切り離されたかのように過ぎていった。
彼はほとんど部屋から出なかった。出るとしても必要最低限で、短く、外の世界に関わることなく戻ってくる。これまで彼の生活を形作っていたもの――訓練、報告、判断――それらは一時的に後ろへ押しやられ、代わりに別の、より濃密で、重みのある時間がそこを満たしていた。
リラといるとき、それは溶け合うような感覚だった。
自分を失うわけではない。むしろ逆で、境界が柔らかくなり、互いのあいだにある隔たりが自然に薄れていく。彼女のそばでは、彼は「どうあるべきか」を考えなくていい。何かを保とうとする必要もない。彼女はその瞬間の彼をそのまま受け入れる。それが、彼の中にある緊張をゆっくりと解いていく。
その中での近さは努力ではなかった。
ただ、起きていることだった。
呼吸のように自然に。
カイラといるとき、それはまったく違っていた。
そこにあるのは融合ではない。
衝突だった。
触れ合うたびに、視線を交わすたびに、どちらも引かない。彼女は従わないし、流れに身を任せることもしない。常に応じ、時には先回りし、彼を試すように、確かめるように関わってくる。その緊張は緩まない。だが、それが逆に生きている感覚を強くする。
彼はその二つのあいだを行き来していた。
意識的にではない。
ただ、そうせずにはいられなかった。
考えないために。
戻らないために。
あの戦いの記憶に触れないために。
彼は分かっていた。何かが中に残っている。まだ形になっていない、処理されていないものが。しかし、そのあいだはそれを押し流すことができていた。身体の感覚の中に沈み込み、隣にいる温もりに意識を預けることで。
それは三日間、ほぼ完全に機能した。
四日目までは。
それは夜に来た。
最初はただの夢のように。
だが、すぐに違うと分かる。
彼は再びそこにいた。
だが、自分ではない。
魔力が放たれる。
剣が振るわれる。
だが、それは彼の手ではない。
彼は見ている。
そして次の瞬間、それが自分に向かってくる。
衝撃。
一つ。
そしてまた一つ。
魔力が身体を貫く。空間ごと裂くように通り抜ける。刃が入り込む。あまりにも簡単に。あまりにも迷いなく。彼の身体など存在しないかのように。
止まらない。
繰り返される。
終わらない。
彼は抵抗しようとする。
だができない。
これは彼の戦いではない。
彼はただ、その中にいる。
壊される側として。
何度も。
何度も。
何度も。
命が削られていく感覚だけが残る。
彼が他人に与えたのと、まったく同じ速さで。
まったく同じ軽さで。
彼は叫びながら目を覚ました。
身体が跳ね上がる。
呼吸が乱れる。
一瞬、どこにいるのか分からない。
そして、それが一気に押し寄せる。
記憶ではない。
感覚として。
自分の手が血に濡れている気がする。
それが自分の血だと感じる。
彼はそれを見る。
確かめるように。
だが、何もない。
それでも、消えない。
彼は顔に手を当て、胸に触れ、身体を確かめる。
だが内側の感覚は変わらない。
リラが最初に動く。
言葉は使わない。
ただ近づき、触れる。
その触れ方には迷いがない。
彼がどこにいるかを理解している。
「ここにいる」
静かに言う。
説得ではない。
確認だった。
彼はすぐには答えられない。
声が出ない。
カイラは少し遅れて目を覚ます。
だが、動きは速い。
彼女は距離を取らない。
まっすぐ近づく。
その目にはもう、以前のような軽さはない。
「そこじゃない」
短く言う。
「見ろ」
彼の手を取る。
強く。
逃げ道を与えないように。
彼は思わず強く握り返す。
彼女は離さない。
リラは背中から彼を抱く。
静かに。
しっかりと。
彼の呼吸に自分の呼吸を重ねるように。
「息をして」
彼女は言う。
彼は従おうとする。
最初はうまくいかない。
だが、少しずつ整っていく。
それでも、感覚は消えない。
「……殺した」
彼はようやく言う。
重く。
事実として。
言い訳はない。
リラはすぐに答えない。
カイラも同じだった。
だが、その沈黙は空ではない。
リラは彼の肩をなぞる。
ゆっくりと。
身体の輪郭を戻すように。
「あなたは生きてる」
彼女は言う。
ただ、それだけ。
カイラは手を握ったまま、離さない。
そしてそのとき、自分でも予想していなかった感情に気づく。
これはもう、興味ではない。
遊びでもない。
彼がいなくなったら、終わる。
彼だけではない。
すべてが。
その考えは一瞬で来た。
そして、それを否定できなかった。
それは、受け入れがたい。
彼女はさらに強く手を握る。
「ここにいる」
さっきより低く。
ほとんど自分に言い聞かせるように。
彼は少しずつ戻ってくる。
ゆっくりと。
身体から。
触れられている感覚から。
一人ではないという事実から。
二人は彼を落ち着かせようとはしなかった。
ただ、離れなかった。
一瞬も。
リラは柔らかく、しかし途切れずに彼を包む。
カイラは強く、はっきりと引き戻す。
その二つが重なり、彼を繋ぎ止める。
やがて震えは弱まり、呼吸は整い、彼は自分の手をもう異物のようには見なくなる。
そして、そのときになってようやく気づく。
彼女たちが、一度も手を離していなかったことに。
それが、彼をここに留めたのだと。




