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仕組みの外側  作者: Svolik
第二章
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第二十六章

翌日、彼女はもう待たなかった。


彼が訓練から戻ってきたとき、疲労はあったが意識はまだ研ぎ澄まされていて、動きの余韻が身体に残っていた。その状態で部屋に入った瞬間、彼はすぐに気づく。空気が変わっている。わずかな違いだが、確実にそこにある。誰かがすでに決めていて、それを今から実行に移そうとしているときの、あの静かな圧力だった。


カイラは隠さなかった。


何もしていないふりも、関心がないふりも。


部屋の中央に近い位置に立ち、まっすぐ彼を見ている。その視線には、これまでの軽い嘲りがまだ残っていたが、もうそれだけではなかった。内側に張り詰めたものがあり、それが今にも表に出ようとしている。


彼は足を止め、あえて距離を詰めない。


そのまま、彼女に口を開かせる。


彼女は迷わなかった。


「もういいだろ」


声は鋭いが、崩れてはいない。


抑え込んできたものを、きちんと形にして外へ出すための硬さだった。


彼はわずかに目を細める。


「何がだ」


カイラは一歩近づく。


その動きには、もはや引きはなかった。


「無視してるふり、やめろって言ってんだよ。全部見えてる」


彼は答えない。


彼女は一瞬言葉を探しかけ、すぐにそれをやめる。


整えるのをやめる。


「欲しいなら、さっさとやれよ。引っ張るな」


そして、完全に踏み越える。


「そのままぶち込めよ。お前のチンポで、私の中ぐちゃぐちゃにしてみろよ」


言葉は荒い。


だが、それは汚さではなかった。


不器用なまま、まっすぐに出てきたものだった。


彼はすぐに動かなかった。


その一瞬の遅れが、彼女の中の均衡をさらに揺らす。


彼女は押される準備をしていた。


だが、押されない。


その違和感が、彼女のほうを揺らす。


彼は視線を外さずに言う。


「リラ」


すぐに応じる気配。


そして再びカイラを見る。


「来い」


命令でも提案でもない。


ただ、そこにある流れ。


カイラは一瞬だけ止まる。


だが、それでも従う。


彼女はベッドへ向かう。


その背中には、まだ強さが残っている。


だが完全ではない。


彼は急がない。


一つ一つの動きが、無駄なく、しかし焦りもなく積み重なっていく。


「押さえて」


リラは迷わずカイラの手首を取る。


優しく。


だが逃げられない強さで。


腕を頭上に持ち上げる。


カイラは反射的に力を入れる。


抜けようとする。


だが抜けない。


そこで初めて、状況を理解する。


「……何するつもりだ」


言葉はまだ強い。


だが、その強さにわずかな揺れが混じる。


彼は答えない。


ただ触れる。


直接的ではない。


急がない。


彼の手は迷わず動くが、目的へ一直線には進まない。あえて遠回りするように、感覚を散らし、戻し、また別の場所へと移る。その動きは一定ではなく、読み取れない。


カイラは最初、笑おうとする。


「それで崩れると思ってんのかよ」


だが、声がわずかに鈍る。


彼は変えない。


続ける。


触れ方が変わらないことが、逆に彼女を崩す。


彼女は先を読めない。


次に何が来るのか分からない。


それが、彼女の持っていた主導権を奪う。


呼吸が変わる。


わずかに乱れる。


そして戻らない。


彼女は耐えようとする。


顔を保とうとする。


だが、それが続かない。


リラの手は静かに彼女を押さえ続ける。


力は強くない。


だが、外せない。


その拘束が、彼女から選択肢を奪う。


逃げられない。


止められない。


残るのは感じることだけ。


彼女の身体は先に反応する。


意志よりも速く。


彼女は息を飲み、耐えようとし、そしてまた崩れる。


何度も。


そのたびに、自分のコントロールが薄れていく。


嘲りが消える。


次に、余裕が消える。


最後に、抵抗する理由が消える。


「……もういいだろ」


その声は、さっきとは違う。


命令ではない。


抑えきれないものの隙間から漏れた言葉だった。


彼は止めない。


それが決定的だった。


彼女はついに耐えきれなくなる。


「……やれよ」


短く。


そしてすぐに、さらに崩れる。


「もういいから……やれって……」


そのあとに続いた言葉は、さっきのような荒さを持っていなかった。


ただ、欲しいという意思だけが残る。


彼はそこで初めて変える。


それまでの流れを。


彼は迷わず入り込む。


一気に。


躊躇なく。


カイラの身体が瞬間的に強く反応する。


緊張。


そして、すぐに変わる。


それは抵抗ではなく、受け入れへと変わる。


彼は動きを急がない。


むしろ逆に、正確に重ねていく。


彼女の反応を感じ取りながら。


その変化に合わせて。


一つ一つの動きが、彼女の内側を確実に揺らす。


カイラはもう抗わない。


抗えない。


身体が先に進む。


呼吸は崩れ、動きは自然に応じる。


彼女は完全に流れの中に入る。


そして、そのまま限界へと達する。


それは急だった。


深く。


逃げ場がない。


彼女の身体が一気に収縮し、そのまま力を失うように崩れる。


意識が一瞬、遠のく。


彼はそのまま続ける。


そして、ふと視線を上げる。


リラがそこにいる。


静かに見ている。


何も言わずに。


だが、すべてを理解している。


その視線を受け止めたまま、彼は最後まで進む。


そして、すべてが収まる。


部屋に残るのは、荒い呼吸と、まだ消えきらない熱だけだった。


カイラは動かない。


ただ横たわっている。


戻るのに時間がかかる。


リラはゆっくりと手を離す。


何も言わない。


三人の間に言葉はない。


ただ、何かが決定的に変わった感覚だけが、静かに残っていた。

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