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仕組みの外側  作者: Svolik
第二章
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第十八章

その緊張は、もう抑え込めるものではなかった。


それは一瞬で爆発したわけではない。ずっと前から積み重なっていた。リラの視線の中に、言葉の選び方に、触れ方に、すべてに現れていた。彼女はもう隠さなかった。遠回しにも言わなかった。欲しいものを、そのまま口にするようになっていた。


その夜、彼女は一切の余地を与えなかった。


彼のすぐ前まで来て、逃げ場を塞ぐように立ち、はっきりと言った。


「私を犯して」


彼は動かなかった。


彼女は目を逸らさなかった。


「優しくとか、いらない」


声が少し低くなる。


「遠慮もしないで」


間を置いて、さらに踏み込む。


「お前のチンポで、めちゃくちゃにして」


その言葉には一切の躊躇がなかった。


それは試しでも挑発でもない。


ただの、欲望だった。


彼はそれを見ていた。


そして、その瞬間、最後に残っていた制御が崩れた。


理由が消えたからだ。


抑える必要が、もうなかった。


彼は一歩踏み出した。


乱暴に近い動きで、ためらいも計算もなく彼女を掴み、そのまま押し倒す。その動きにはこれまでのような配慮はなかった。ただ、欲しいものをそのまま取るような、直線的な力だった。


そして、そのまま入った。


一気に。


深く。


彼女の中へ、彼のチンポが食い込む。


リラが鋭く息を吐く。身体が一瞬だけ強く締まる。その締まりは拒絶ではなく、純粋な反応だった。そして次の瞬間、それは緩み、受け入れる側へと変わる。


彼はそれをはっきりと感じた。


彼女の膣が、自分を締め付けるように絡みつく感覚。熱く、柔らかく、それでいてしっかりとした抵抗がある。その内側に、自分の存在がはっきりと刻まれている。


思考がそこで止まった。


強すぎた。


直接すぎた。


そしてリラは逃げなかった。


むしろ、抱きつくように彼にしがみつき、身体を合わせてくる。その動きは遠慮のないものだった。受け入れるだけではなく、求めている。


それを感じた瞬間、彼の中で何かが完全に外れた。


彼はもう加減しなかった。


動きは荒くなり、深くなり、速さも強さも抑えなかった。彼のチンポは彼女の膣の奥へと叩き込まれ、そのたびに内側が締まり返す。その反応が、さらに彼を煽る。


彼はもう「どう動くべきか」を考えていなかった。


ただ、欲しいままに突いていた。


そしてそれに対して、リラの身体が応える。


逃げない。


拒まない。


むしろ、腰を合わせてくる。


深く入るたびに、内側が締まり、吸い付くように絡みつく。その感覚があまりにも強くて、彼はそれを無視できなかった。


彼女の声が崩れる。


呼吸が乱れる。


だがそこにあるのは拒絶ではない。


もっと、という圧力だった。


彼はそれを理解した。


いや、理解する前に身体がそれに応えていた。


彼のチンポが彼女の中で動くたびに、その内側の感触が変わる。締まり、緩み、また締まる。そのリズムが彼の動きと重なり、境界が曖昧になっていく。


どこまでが自分で、どこからが彼女なのか。


それすら分からなくなる。


ただ、繋がっているという感覚だけが残る。


そしてそのまま、限界を越えた。


彼は止めなかった。


止める理由がなかった。


止めるという発想すら消えていた。


すべてが一つの流れになり、そのまま一気に崩れる。


彼の中で溜まっていたものが、制御を失ったまま解き放たれる。


その瞬間、彼は戻った。


一気に。


意識が追いつく。


彼は荒い呼吸のまま動きを止める。


自分が何をしたのかを、ようやく理解する。


彼はリラを見る。


結果を確認するように。


だが、そこにあったのは予想とは違うものだった。


彼女は壊れていなかった。


むしろ、満たされていた。


呼吸は乱れ、身体はまだ余韻を引きずっている。それでもその顔には、明確な満足があった。受け入れたのではない。望んだ結果だった。


ゆっくりと彼女は目を開ける。


そして彼を見る。


逃げずに。


そのまま。


「それでいい」


静かにそう言う。


その言葉には、何の迷いもなかった。


彼はすぐには離れなかった。


離れるべきかどうか、それすら判断しなかった。


ただそのまま、呼吸を整えながら、彼女の温もりと、自分の中に残る感覚を受け止めていた。


やがて思考が戻ってくる。


冷静さが、ゆっくりと形を取り始める。


だがそれは、以前と同じものではなかった。


彼の中には、さっきまで確かに存在していた衝動がまだ残っている。それは消えていない。ただ、奥に沈んだだけだった。


そして彼は理解する。


自分はそれを完全には否定していない。


むしろ、受け入れ始めている。


外では、世界が動いている。


戦争の準備が進み、力が集まり、均衡が崩れ始めている。


そしてどこかに、もう一人いる。


自分と同じように呼ばれた存在が。


その存在といずれ対峙することになるという事実は、もはや避けられないものになっていた。


彼は天井を見上げる。


思考は完全にはまとまらない。


だが一つだけ、はっきりしていた。


さっきの自分は、嘘ではない。


そして、それをなかったことにはできない。


彼はゆっくりと息を吐く。


そしてそのまま、しばらく動かなかった。

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